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2004年から現在まで、原付、小型二輪、自動車で日本各地およびオーストラリア、ニュージーランドを旅行、ドライブしながら得た道路や、交通事情に関する知識を元に運転マナーや道路事情について自論を書いていくブログです。交通工学を専門したわけではないので、真に専門的なことについてはわかりませんが、現在交通工学や海外の道路事情についても勉強中です。

ここ最近では主に日本における道路事情や運転マナーにおける問題点を中心に書いていきます。オーストラリア、ニュージーランドでのドライブ経験もあるので、外国と日本との道路事情比較もします。

現在の日本の道路事情は様々な問題を抱えているにも関わらず、その問題を改善しないどころか全く触れようとしません。また、日本の道路環境は諸外国に比べて非常にストレスフルであり、快適に運転できるとは程遠い道路環境があります。今後は主にその問題の指摘や改善点について個人で思うことを書いていきます。

当サイトで使用している画像や動画は、記載がなければ僕個人が撮影したものです。表グラフや資料なども同様です。

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静岡県東部の道路事情について考える。

今回は静岡県東部の道路事情について考えていきます。東部地区は富士市以東の地域を指し、沼津三島御殿場などが入ります。伊豆も東部に入ることがありますが、ここでは外します。ここでは沼津三島都市圏と御殿場裾野の道路事情について扱います。なお、富士、富士宮に関しては静岡都市圏の道路事情で扱いました。

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沼津三島近辺の道路地図と道路事業
国土交通省沼津河川国道事務所のサイトより引用

東部の道路事情は比較的良く多車線の道路が多いのですが、交通量が多いためそれでも渋滞がひどいです。例えば国道1号は清水~三島は多車線化されていますが、それでも平面交差が多いため流れは良くありません。

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沼津市内の国道1号(沼津バイパス)

渋滞がひどい理由は、交通量の絶対数が多いことに加え首都圏から流れてくる車が多いのが理由でしょう。東部は首都圏のナンバーを見る機会が多いですからね。

ここ数年は渋滞がひどい状態が続いていたのですが、2009年に開通した伊豆縦貫自動車道(東駿河外環道路)は大きな変化をもたらしました。この道路の開通でこれまで深刻な渋滞を引き起こしていた沼津、三島地区の国道1号や周辺の道路の混雑が緩和されました。この道路は沼津・三島都市圏の外環道的役割を果たしている道路であり、同時に東名、新東名から沼津、三島の市街地を取らずに伊豆、箱根方面へ行けるとても便利な道路です。将来は西側で国道1号と繋がり、1号線のバイパスとしての機能も持つようになります。

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伊豆縦貫道

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伊豆縦貫自動車道の交通量(交通センサスより、wikipediaから引用
断続的に4車線化されているのは長泉IC~三島塚原ICの区間。

伊豆縦貫道の4車線化の必要性
この道路ですが、一部で暫定2車線区間があります。しかし、交通量を見るとどこも1万台を超えており、一部では4万台を超えている区間もあります。三島から函南までは3万台もの交通量があるにもかかわらず暫定2車線ですが、これはすぐに4車線化する必要があると思います。

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伊豆道、交通量が3万台を超える三島玉沢IC付近。

この交通量を見るとかなり利用されているということがわかりますが、それだけ、必要性の高い道路だったということでしょう。三島、沼津都市圏は1つの都市としてまとまりはないものの、人口はその周辺も合わせると50万人を超えます。1つの都市として見ればそれなりの規模であり、さらに周辺に富士(25万)、静岡(70万)などの大きな都市があり、首都圏からも近いことを考えると、交通量が多くなるのは必然たと思います。

それを考えると、この地域にはある程度しっかりとした道路網が必要だということがわかります。

伊豆縦貫道の西部地区の建設の必要性
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国土交通省沼津河川国道事務所のサイトより一部引用

もっとも、現在の状態で概ね80%は完成していると思います。
必要性が高いのは、伊豆縦貫道の西側、沼津岡宮ICから国道1号線まででしょう。ここが必要なのはいくつか理由があります。

1.沼津、三島都市圏の外環道路を完成させる。
西側部分が完成することで、この地域の外環道が完成します。現在の未開通区間にかかる沼津バイパスは交通量が多いうえに、信号が多い道路で流れは良くありません。
西側と伊豆、箱根方面行き来する場合、伊豆縦貫道では不十分であり、未だに国道1号線を通過しなければいけません。さらに国道246号と西側を行き来する場合も同様で、国道1号を利用しなければいけません。この場合、ぐるめ街道を走りそこから遠回りして沼津バイパスに入るので時間がかかります。国道1号や246号の交通量はそれなりにありますから、この区間の建設は十分需要が見込めると思います。

2.国道1号を中長距離で移動する交通量への配慮、広域にわたる高規格道路の形成
国道1号線は、近い将来、富士市と清水インター付近は立体交差になり、浜松から沼津までほぼ高規格道路で整備される形になります。島田~藤枝では4車線化も進んでいますね。その際に伊豆縦貫道が西側まで延伸されていれば、三島、伊豆市方面へも連続して高規格道路が続く形になります。伊豆縦貫道が下田まで完成すれば、静岡を縦断する広域の高規格道路となります。さらに246号線とのアクセスも便利になり、御殿場裾野方面からの移動にも対応できます。しかし、この部分が未開通だと、沼津市の部分だけ平面交差という形になり、この部分がボトルネックになる可能性があります。


3.地域交通の円滑化、市街地から通過車両の完全排除が可能。

2番目の理由とかぶりますが、広域で高規格道路が形成された場合、通過交通は完全に沼津バイパスから排除できます。短距離の移動でも、例えば三島から沼津の原地区や愛鷹地区移動する場合、この道路が利用できることで、国道1号を通る必要がなくなります。これによって国道1号の混雑解消はもちろんのこと、その他の県道でも間接的に混雑が緩和され、交通量の減少、混雑緩和、安全性の向上に貢献できるでしょう。


東名高速・新東名高速があるから良いのではないか?

この道路は東名、新東名と接続しているから、西側への広域移動の場合、国道1号よりも高速道路へ交通量を誘導した方が良いのではないか?という意見や東名や新東名があるのだから二重投資ではないか?という意見があります。そもそも国道を高規格にしてしまうと、高速道路の車が一般道へ流れてくるし、かえって渋滞するのではないか?という懸念もあります。

この道路の場合、例えばそれまで御殿場裾野から東名で静岡まで移動していた車が1号線へシフトするのではないか?という懸念がありますね。富士立体や清水立体についても東名を使っていた車が1号へ流れるという懸念はあり、それらがセットで完成すれば、多くのドライバーが高速よりも国道を使うのではないか?とも言われています。

確かにそういった傾向はでてくるでしょう。ですが、静岡の道路事情を考える場合、東名高速、新東名高速と国道1号の交通の実態を考える必要があります。

東名高速は新東名の開通で交通量が減少したものの、それでも交通容量に余裕があるわけではありません。最新のデータでは静岡県では1日当たり約4万台~5万台が東名高速を利用しています。新東名高速もほぼ同じくらいの数値です。また国道1号線も約3万~8万台程度の交通量があります。

国道1号に関しては完全に交通容量を超えている区間が多く渋滞も頻発しています。平面交差区間の立体化、暫定2車線区間の4車線化、高規格化などが必要であり、混雑緩和対策として必要です。

そもそもなぜこんなに交通量が多いかといえば、東京・名古屋・大阪に挟まれ、双方を移動する通過交通が非常に多いことに加え、静岡県自体も人口が多いため、交通量の絶対数が多いのです。東京~大阪にかけては世界でも有数のメガロポリス、人口密集地帯であり、このような例は世界的に見ても(特に先進国の中では)例がありません。ブルーバナナ(西欧)やボスウィッシュ(アメリカ東海岸)のメガロポリスよりも大きいでしょう。

ですから、高速道路が1本2本あるくらいでは十分に対応しきれないのであり、今の交通量を考えると、長距離移動の東名、新東名とローカル移動のための国道1号の3本の高規格道路が最低でも必要です。言うまでもなく東名、新東名の有効活用といっても交通量を誘導させる余裕はないですし、一般道も混雑がひどくなっているから、交通容量そのものの増加と円滑化が必要だということです。

あと、いくら国道1号が高規格化されたとしても、所詮は一般道であり信号が全くないわけではありません。もちろん、高速道路と同じように走れるわけではありません。東名は80~100k/hで走行できるし、新東名もいずれは110k~120kで走行することが可能になるでしょう。1号線は今の実勢速度を踏まえると60k/hには満たず、仮に全線が高規格になってもせいぜい70k/hが限度でしょう。今後、規制速度の見直しで実勢にあった規制速度にしたとしても、1号線の場合、70k/h~80k/h程度に落ち着くと思われます。
つまり、どう頑張っても、移動時間が1号線≒東名、新東名になるのは不可能であり、そうなると、移動時間を短縮させたい車や急いでいる車は引き続き東名や新東名を使うようになると思います。

まあ、たまに沼津~浜松の1号を100k/hで走ったとかいう人がいますし、そういう危険な車が増えるのではないか?という懸念もあります。ただ、それは道路規格うんぬんよりドライバーの問題であって、そういう車を排除するために取り締まりを強化すべきでしょう。

あと、そういう車(東名、新東名を避ける車)が一体どの程度いるのか?というのもあります。1号を利用するのは東名を迂回する車ばかりでなく、むしろ東名が選択肢にすら上がらないローカルの移動もそれなりにあるわけです。むしろそっちの方が割合的には多いでしょう。

そもそも論としては、欧米のように国道、高速を一帯で整備すればよかったのですが、別々に整備したためこのような問題が起きています。ですが、この状況はどうしようもないし、仮に一体で整備したとしても、ダブルネットワーク化は必要になったでしょう。今の現状をどうするかを考えた方が良いです。

その他の道路事情、改善など。
長くなりましたが、とりあえず伊豆縦貫道の西側は必要だということです。もっとも、新規道路の建設はここだけであって、あとは細かい部分はさておき、必要な道路は十分にあると思います。

あと上げるとすれば、国道246号の小山地区の4車線化ですが、これは既に工事が進んでいます。
富士吉田方面へ向かう須走道路も建設が進んでおり、完成後はすぐに4車線化工事が始まるようです。
国道469号の富士山麓部分の改良はほとんど完成しています。
箱根峠への国道1号はバイパス建設が進んでおり、2020年までにはバイパスが完成するでしょう。
富士と沼津を結ぶ県道21号の改良は必要でしょう。ただ、これは比較的完成しているし、そんなにコストはかからないでしょう。

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改良された国道469号線。かつては対面通行ですらない狭い道路だった。

ちなみに、伊豆縦貫道の西側が完成すれば、沼津市内の国道246号の1号延伸は必要はありません。縦貫道で代用できるし、伊豆道の方が高規格で整備効果が高いからです。

道路改良ではありませんが、246号の信号の連動の悪さは何とかしてほしいですね。せっかく片側2車線の高規格で整備されているのに、速度抑制とはいえ頻繁に止められる状況はストレスがたまります。あのように故意に悪い連動にすることができるのなら、60k/hで走れば信号に引っかからにような連動にすることもできると思うのですが…。

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沼津から御殿場までは断続的に4車線の246号。良い道なのに、信号のつなぎの悪さは致命的。

道路交通から鉄道、バスなどへのシフト
静岡もそうでしたが、東部の道路事情はそこまで切羽詰まった状況ではありません。伊豆縦貫道が完成したら、今後は道路建設よりも、公共交通機関の利用を充実させる方向性を目指した方が良いでしょう。

ちょっと未知な話ですけど、都市規模としてはそれなりに大きい都市ですから、今ある路線を便利にするにせよ、BRTなどの新規路線を建設するにせよ潜在需要はあります。ヨーロッパのように車よりも公共交通機関(鉄道、バスもしくはBRT,LRTなど)を利用した方が便利な都市にすることも可能だと思いますし、静岡、浜松なども含めてそうすべきだと思います。これは日本全国にいえますが、ある程度道路整備が終わっている地域は、今後は過度に進んだ自動車社会からの脱却を目指すべきだと思います。伊豆縦貫道がさらに自動車社会を進めるという意見がありますが、伊豆縦貫道はあくまで広域における道路事情の改善がメインであり、市街地における対策は別に行う必要があるでしょう。これについては三島、沼津とその周辺を合わせた都市圏単位で行う必要があり、かつ沼津、三島の中心部の活性化(沼津駅高架化も含めて)とセットでやる必要があるでしょう。

東部の道路事情については以上です。

なお、中心都市活性化やBRT、LRT導入等に関する参考として以下の本を上げておきます。これは沼津や三島の中心部に活性化の参考になると思います。
フランスの地方都市にはなぜシャッター通りがないのか: 交通・商業・都市政策を読み解く
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道路の立体交差について考える。【渋滞解消】

信号を撤去し交差する交差点の交通を円滑化、安全性を向上させる手段としてはラウンドアバウトや立体交差があります。今回は立体交差について書いていこうと思います。

ラウンドアバウトはここ最近普及し始めており、今後もっとちゃんとした形で普及すれば、日本の道路交通をよい方向に改善してくれるはずです。ただし、ラウンドアバウトは交通量の少ない場所に限定されるため、幹線道路や市街地での道路では効果がなく、交通量の多い場所に設置すると、かえって渋滞を招く結果になりかねません。もっとも、片側2車線以上のラウンドアバウトも考慮するのであれば、交通量の多い場所でも設置できる可能性は広がりますが、それでも都市部や交通量の多い幹線道路での効果は保証できません。

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ニュージーランド国道1号、首都ウェリントンの郊外のラウンドアバウト。幹線道路のラウンドアバウトは多くが郊外にある。

立体交差とは
道路における立体交差とは、複数の道路が交差点という形ではなく、一方もしくは双方が高架道路もしくは地下道路で交差する形態を示します。

幹線道路は高架道路、もしくは地下道路(アンダーパス)で交差点を通過し、クロスする道路はインターチェンジを設けて、平面交差で交差します。なお、高速道路におけるインターチェンジやジャンクションも立体交差の一種です。

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立体交差(高架)の一例

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立体交差(アンダーパス)の一例

立体交差は一方の道路がクロスする側の道路の交通を妨げない、わかりやすく言うと、信号付きの平面交差という形を取らずに交差することが可能です。高架やアンダーパスで通過する車は、速度を落とすことなくそのまま通過することが可能になります。
また、信号待ちによる渋滞を減らすことができ交通容量が増加します。また、それに付随して交差点に起因する交通事故を減らすことができます。

なお、高速道路もしくは一般道の自動車専用道路は連続立体交差という形式を取ります。交差する道路とはすべて立体交差で、交差点や信号は全く設けず、幹線道路とはインターチェンジで接続するという形態ですね。

立体交差にしても平面で交差する側の道路が渋滞するようなケースもあり、そういう場合は、双方の道路を立体交差にする形態もあります。あまり例は多くありませんが、ここ最近で立体化された国道16号と246号の町田立体はそのような形態ですね。

町田立体イメージ
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引用;国土交通省川崎国道事務所より


日本の立体交差
ここではここでは主に一般道における立体交差について取り扱います。

日本における立体交差は、渋滞が多い箇所や主要な道路との交差点で積極的に活用されています。特に交通量の多い道路では立体交差化が進んでいます。

それでも、幹線道路を中心に依然として平面交差区間が多く、多くの場所で渋滞の原因になっています。特に問題なのは、中途半端に立体交差化がされており、立体交差がされている場所とそうでない場所が混合し、立体交差区間では流れていても、平面交差区間で渋滞が起きているという点があります。言い換えれば交通量の多い道路が連続立体交差でないため、渋滞がひどいという点です。


この問題が特に深刻なのは首都圏と京阪神、名古屋圏、主に東海道メガロポリス地帯の車の交通量が多い地域です。
下記に具体例を上げます。

具体例:国道357号
この道路は東京の湾岸部を走る国道で、東関東道と首都高速湾岸線と並行して走っています。高速道路も全線6車線以上あり高規格ですが、国道357号もかなり高規格な道路で、片側2~3車線で整備され、一部の道路との交点は立体交差になっています。


参考動画:国道357号東京都内の動画(他の方の動画です。)


ただし、動画をみてわかると思いますが、渋滞がひどいです。上記は東京都内だけですが、続く千葉県内も同じような状態です。常に渋滞がひどいわけではなく流れる部分もあるのですが、信号のある平面交差点がところどころにあり、そこで車が止められ流れが悪くなっています。

信号のある交差点が渋滞発生のガン
この道路の問題は連続で立体交差になっていない点です。主要な幹線道路との交差点は立体交差になっていますが、そうでない道路との交差点は平面交差になっています。そしてそこが渋滞発生のガンになっています。

確かに主要交差点以外は交差する道路の交通量は多くありませんから、わざわざお金をかけて立体交差にするよりも平面交差にした方がコスト削減という意味では良いしょう。

これが人口がそれほど多くない地方であれば問題ありません。しかし、首都圏のように交通量の絶対数が多い道路で部分的に平面交差にすると、却ってこのように渋滞を悪化させる原因を作りだしてしまいます。交差する道路の交通量は少なくても、国道357号自体の交通量は多いわけで、それを信号制御で止めてしまうと、渋滞が起きてしまうのは当然でしょう。

道路建設の費用を節約して中途半端に平面交差にしたのが仇となったのです。対策としては、平面交差点の完全撤去、つまり連続立体交差しかないと思います。人口の多い大都市圏の場合、ちょっとしたことで交通の流れが悪くなりますから、高規格な幹線道路は平面交差を完全になくす必要があると思います。これは徹底する必要があり、中途半端であってはいけません。混雑している交差点を立体交差にしても、結局ほかの交差点で渋滞が起きてしまうからです。

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立体交差が完成した国道1号の原宿交差点手前
ここは立体交差になっても、渋滞は十分に解消していません。

合流による渋滞
なお、国道357号のその他の渋滞要因としては、合流もあると思います。仮に357号線が全線立体化されても、合流が原因で渋滞が起きる可能性があります。357号は多車線ですが、2車線区間が多いです。通常、357号のような都市部の高規格道路であれば、片側3車線以上で整備して、立体交差区間のみ片側2車線にして、左車線は交差する道路との平面交差にし、立体交差と合流する際はそのまま左車線にするケースが多いです。

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合流してきた車線がそのまま左車線になるケース。

左車線はそのまま側道になり、本線に合流後そのまま左車線になるということです。こうすれば、合流部で交通量が集中することはなく、流れで滞る頻度は減ります。これは特に無料の高規格道路、短距移動の利用者が多い高規格道路で効果があります。それでも交通量が多いと渋滞はなくなりませんが、混雑の度合いは減るはずです。


高速道路の交通量が一般道へ流れてくるのではないか?
国道357号線は一部で立体交差用の土地が確保されており、立体交差化それほど難しくありません。

ところで、一般道の高規格化で必ず出てくる反論が「一般道を走りやすくすると、高速道路の車が流れてきてかえって渋滞がひどくなるのではないか?」という点です。

これは日本独自の問題で、そもそも高速道路の料金が高すぎるからこのような問題が起きてくるのですが、高速道路が無料か、それほど高い料金なければ、車が一般道に流れてくることはなかったでしょう。

一定数は流れてくるが、交通状況が悪化するレベルではない。
例えば人口が少なく、車の交通量も多くない、さらに国道と高速道路がほとんど並行して走っているような場合は、一般道が高規格であれば、高速がガラガラになり、一般道が混雑するのは当然でしょう。
ですが、国道357号のようなケースの場合、いくら国道が整備されても、東関東道、首都高速の方が高規格で速度制限も高く、移動時間も短くなるのは明らかで、特に長距離を移動する車は引き続き高速道路を走り続けると思います。この部分だけ無料の国道を使ってもあまり節約にならないですし、かえって移動時間がかかってしまい意味がないからです

もちろん、ある程度は流れてくるだろうし、それで交通量が増えることはあると思います。仮にそうなったら、そこは高速道路の料金調整をうまく行う方向性もあるし、国道357号側にも利用料金を課すという方向性もあります。あるいは一般道、高速道路を一体化して一つの道路として運営してしまうという方向性もあります。
この辺りについては今回は扱いませんが、とにかく高速道路があるからという理由で、渋滞している一般道の高規格化を行わないのは、渋滞を放置するだけで愚策です。


まとめ
立体交差について書いてきました。日本の立体交差についてまとめると、日本の道路は中途半端に立体化されている道路があり、そういった道路のうち、特に大都市圏では立体化がされていない交差点で渋滞がひどくなる傾向にあります。そして、その根本的な対策としては、そのような構造はできる限りなくして、連続立体交差にすべきということです。

国道のあり方を考える:より走りやすい道路を国道に

今回は国道について書いていきます。国道には高速自動車国道や一般国道など種類がありますが、国道と聞いて多くの人がイメージするのは、一般国道だと思います。

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多くの人がイメージする国道


一般国道は主に日本全国を縦断し、ローカル・広域の移動の役割を担う重要な路線です。広域な移動は高速道路がその役割の一部を負担している部分もありますが、高速道路がない地域は、未だに国道が広域・ローカルともに全ての役割を負担しています。
高速道路は信号がなく高速で走れる道路というイメージが強いですが、国道は市街地を走り信号があり、制限速度が高くない道路というイメージを抱く人が多いと思います。それは概ね間違っていません。どの地域でも国道はだいたいそんな感じです。程度の差はありますが、国道である幹線道路が市街地の中心部を走ったり、集落の中心を走るケースが多くみられます。

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市街地を走る国道。日本ではこのような国道が多い。

県道や市道であれば狭い道路であってもそれほど問題ではないのですが、幹線道路である国道、特に1桁・2桁国道のような重要な路線が上記のように低規格で整備されている例もあります。広域交通を担う国道が市街地の狭い道路を走り、歩行者や自転車と緩衝するわけですが、よく考えるとこれはとても危険なことです。高速道路に交通量を誘導したり、新しくバイパスを建設して、走りやすい道路を幹線道路にする必要があります。



もっとも、最近では一部の国道は高規格で信号がなく走りやすい道路に造りかえられバイパス化も進みました。しかし、その割合は全体からするとあまり高くありません。また、高規格であっても有料道路で整備され、あまり利用されていないケースが多くみられます。

まとめると、国道はローカルにせよ広域にせよ重要な路線なのですが、平面交差の多い低規格な道路というのが日本の現状です。

本来の国道のあり方とは?
本来、幹線道路(国道)は高規格で走りやすい道路であることが当然であって、信号がなく交差点とはほとんど立体交差、追い越し車線があり、規制速度は80k/h以上、低くてもせいぜい50~60k/h程度。交通量の多い場所は片側2車線以上なのがスタンダードです。市街地であれば繁華街の道路ではなく、郊外の歩道も完備され対面通行以上の広い道路が国道なのが普通です。

高速道路があるだろう?だから国道が高規格である必要はない。」という意見があるかもしれません。しかし、高速道路は日本全土を縦断しているわけではありませんから、高速道路のないエリアの国道が低規格であってはいけないでしょう。また、高速道路が走っていても、人口の多い地域の国道は交通量も多く混雑も激しいため、高規格でないと交通量がパンクしてしまいます。

世界基準で考えると、国道は高速道路と一帯になっているケースが多いです。地方では一般国道のような形で整備されていても、都市部や近郊は高速道路で整備されています。たとえばオーストラリア、ニュージーランド、イギリスの国道はそんな感じで整備されていますね。

あと断続的に高速道路が走っていてもその高速道路を国道として指定して、並行する旧国道は国道としての役割を外すのが基本です。
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オークランド都市圏の国道1号。高速道路で制限速度は80~100k/h。

日本の国道の問題点
日本の国道の場合、走りやすい道路に指定されているケースもありますが、そうでなく、依然として旧街道が国道に指定されていたりするケースが多数あり統一されていません。また、有料道路で整備されていてもほとんどの人が使わないため、バイパスがあるのに旧街道が幹線道路として機能しているケースもあります。

また、意図的かどうかわかりませんが、走りやすい道路があっても、わざと旧街道や市街地の道路を国道として指定しているケースもあります。これについては下記の記事に詳しく書いています。

参考記事1:わかりにくい国道や県道の調整を行うべき(幹線道路と路線指定が実態にあっていない)
参考記事2:浜松の国道と市道の道路事情、国道や県道よりも市道の方が整備されている状況

国道のあり方を変える。
この問題に対する取り組みとしては、以下のようなものがあります。

・高規格な道路をできる限り国道として指定し、旧道は国道指定を外す。
・低規格な国道に並行して整備されている県道・市道などがある場合はそちらを国道にする。
・有料国道はできる限り無料にして、そちらを国道本線にする。
・必要性があれば集落をバイパスする道路や国道改良を行う。


高速道路を建設すればよいのでは?日本全土を縦断する高速道路を建設すればそれがバイパスになるという意見もありますが、それは今の日本の状況を考えると無理です。詳しくは前回の記事を参考にしてください。
よりわかりやすくするために、具体例を上げていきたいと思います。

具体例1 播但連絡道路国道312号

参考動画(他の方の動画です。)

この道路は姫路市から和田山までの約60kmを結ぶ有料道路国道312号のバイパスとして整備されています。一方で並行して現道も走っています。

このように有料道路と一般道が並行している例は、全国的に見てもたくさんあります。この播但連絡道路ですが、姫路市から中国道までは片側2車線ですが、それ以北は一部ゆずり車線つきの対面通行となっています。通行料は普通車の場合、1440円です。なお、交通量は以下のようになっています。

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播但連絡道路の交通量 Wikipediaより引用


参考 国道312号現道の動画(他の方の動画です。)

この数値をみるに姫路市近郊を除くと、それほど有効活用されているようには見えません。もっとも北に行けば行くほど現道でさえも交通量は減るので、交通量の絶対数が少ないということもあるでしょう。
このようなケースの場合、播但連絡道を国道の本線にして、並行する現道は旧道から外すべきです。同時に無料開放して、この道を和田山までの主要幹線道路として機能させた方が良いです。理由は以下に述べます。

国道から通過交通の排除が可能になり、交通量減少により事故が減少、安全性も向上する。
有料である以上、現道を通過目的で利用する車はいるはずです。現道はそこそこ整備されているものの、全体的に市街地を走り住宅地を走る区間が多く存在します。部分的には中央線がない箇所もあります。普通に考えたら、中央線のない道路や住宅地を走る道路を幹線道路として機能させるべきではありません。国道指定を解除し、高規格な道路を本線にする、さらに無料化することで交通量の多くを自動車専用道路にシフトさせることが可能です。これによって結果的に、旅行速度が向上し移動時間を大幅に短縮させることが可能です。

同時に国道の交通量が減少するため、歩行者や自転車の交通事故減少に貢献できるしょう。なぜなら住宅地を高速で走る車やトラックを完全に排除させることが可能だからです。また交通量がなくなり完全に住宅地の道路になれば、歩道の狭い区間は道路幅を狭くして歩道を広くするといったことも可能です。現道にかかる改良事業も国道1本化によって必要なくなるケースもあります。

このほか、交通量が減ることで、見通しの良い交差点は信号を撤去し、ラウンドアバウトを設置することも可能になります。だって車が走らないのに信号を設置していても無駄ですからね。そうなると、信号機の維持費うんぬんも減らせることになります。

もっとも、自動車専用道の交通量自体が増える懸念はありますが、播但連絡道程度の交通量であれば、渋滞するようなレベルにはならないでしょう。信号はないですし、全線制限速度60k/h以上です。それに無料化して4車線化が必要になれば、それはそれでその地域の交通キャパシティが足りないということにもなりますし、そこで拡張事業を行うのであれば、それは必要な事業でしょう。そこで無料化しなければ生活道路の交通量が多い状態が続くわけで、生活道路が混雑しているのと、バイパスが混雑しているのとどちらが良いと考えれば後者でしょう。

まとめると、連絡道路を無料化し、こちらをメインの国道にすることで姫路~和田山間の道路の高規格化、旅行速度の向上、沿線市街地の事故減少の貢献が可能になります。

現道はそのまま国道として残しておいてもよいのでは?
ですが、国道指定解除は国道サインを外したり、新しく県道を指定したりと手間もお金もかかります。まあ、新規道路建設ほどではないでしょうが、そんなことに時間とお金を割くべきなら、もっと別のところにお金を使え。ということになるでしょう。

これに対する反論ですが、そもそも旧道の指定解除は新線開通後すぐに行うものであるべきだと思います。つまり、バイパス道路の建設とセットで行うべきもので、ここでとやかく議論するのがそもそもおかしいのです。新線開通後も旧道をそのまま国道として残しておくことは、国道が2つもあるということでドライバーの混乱を生む原因にもなります。

また、国道でなくなると、地図上ではその道の存在は薄くなります。特に広域の地図になると、表示すらされないケースもあります。逆に国道の場合、太い線で表示されるので目立ちます。そうなると、誰もがこの道は重要な路線というように認識するでしょう。地図うんぬんに関しては、半分趣味みたいなものですけど、見やすい地図、わかりやすい道路構造で考えた時に、2本同じ国道が並行して走るというのは不自然です。

さらに、国道が太い路線で表示されるのなら、そういう道路は、本来住宅街や市街地を走る道路であってはならないです。国道として指定されることで、ほかの地域から来たドライバーをその道に誘導させる、結果的に交通量を増やすことになりますからね。その道が重要な路線であれば別として、歩道もない狭い道路なら逆に地図上で目立たせない方が良いでしょう。

ケースバイケースですけど、播但連絡道路のようなケースは、現道は国道指定を解除して連絡道を国道本線にした方が良いでしょう。

歩行者・自転車・原付のために国道は残しておくべきではないか?
これはどういうことかというと、バイパス部分は歩行者、自転車はもちろん、125cc以下のバイクは通行できないので、バイパス部分に並行して国道がないと、彼らがどこを走って(歩いて)よいのかわからなくなるということです。

これについては、配慮して国道として残っているケースもありますが、そういうケースは少なく完全に指定から外れている場合が多いです。

これに対する反論ですが、例えば上記の播但道の場合、国道部分を走る小型バイクや自転車が果たしてどれくらいいるのか?ということを考えると、自動車交通に比べれば圧倒的に少ないはずです。いたとしても、通して走るケースは少なく、集落間の移動や集落内の移動で完結するケースがほとんどで、ローカルの移動が9割を占めるはずです。自転車はもちろんですが、そもそも125cc以下のバイクは町乗り用のバイクであって長距離を走るバイクとしては適していません。原付で旅行する人とかいますけど、そういうのはもう趣味の領域ですし、そういう人達って原付はどこを走ればよいのか?とかあらかじめ調べてきますからね。

そのような数少ないケースのために旧街道の道路を国道として残し、2本の国道を不自然に地図上で表示させる必要はないと思います。

上記のような有料道路、自動車専用道路を国道本線にして、旧道は国道指定から解除できる路線はほかにも多数あります。それらの一部をここで羅列していきます。

高規格道路を国道本線にできる区間の一例
・国道203号厳木多久道路区間
・国道10号隼人道路区間
・国道2号加古川バイパスと姫路バイパス区間
・国道25号名阪国道と並行する旧道
・東富士五湖道路と国道138号
国道1号箱根新道から横浜新道まで
・国道119号日光宇都宮道路区間
・国道126号千葉東金道路区間
・国道16号保土ヶ谷バイパス・横浜横須賀道路
・国道101号津軽自動車道区間
・国道235号日高自動車道区間
・国道40号 豊富バイパス・幌豊バイパス区間

などです。


これらいろいろみていくと、路線によっては判断に迷う場所もあります。例えば横須賀横浜道路と横浜新道のような大都市にある交通量の多い有料道路のケースとか、ある路線が複数の国道に分割して指定されていた場合どうするのか?同じ路線なのに区間によって番号をかえるのか?とか、現道から離れすぎていた場合どうするのか?とか、起点・終点どちらかが国道と接続せず、高速道路や都市高速と接続しているような路線は場合どうするのか?とか、また部分的に高速自動車国道を挟んでいた場合どうするのか?とか、そもそも高速自動車国道も国道にするのか?とか、距離の長い三陸自動車道は全部国道45号にするのか?とか、瀬戸中央道のような海峡横断橋も国道30号本線にするのか?(いずれも国道のバイパス路線)など、わけがわからくなります。

高速自動車国道や都市高速まで考慮するともうわけがわからなくなるので、それらは完全に切り離して考え、とりあえず国道のバイパスとして指定されている路線にのみに限定した方が良いでしょう。

有料区間も国道1本にするのか?
基本的に国道本線にできる高規格道路は無料道路にすべきだと思います。ただし、大都市圏の道路のように有料でも交通量が多い道路はその道路を国道本道としつつも有料道路として残すべきです。
上記の例を上げると国道16号の横浜横須賀道路国道1号横浜新道などがありますね。

これら道路は無料にしてしまうと交通量が増えてさらに渋滞がひどくなくなります。新湘南バイパスのように交通量に余裕があればよいですけど、そうでなければ有料道路として継続させるのが必然だからです。

yokohamashindo National Road
横浜新道国道1号

横浜・横須賀市のこれら国道は重要な路線なので、指定を解除する必要はないのではないか?という疑問がありますが、前述したように並行してバイパス道路があるのであれば、できる限り市街地や狭い道路に国道は通さないようにする原則に従う必要があります。確かに交通量も多く重要な路線ですが、横浜市や横須賀市内を走る国道1号や国道16号の現道は、正直、国道として名乗るにはあまり良い道路ではありません。

まあ、横浜市内の現道を通過目的で利用する車っていないと思いますし、仮に国道指定を解除しても、交通量の絶対数が多いから状況はそんなに変わらないと思います。そんなにくだらないことに時間をかけるなと言われそうです。
また、横浜市内に行く車のために…とか横浜~横須賀間を走る車のために…という意見もでてきそうです。ですが、走りにくい国道1号や16号に誘導させるより、走りやすい有料道路に交通量を誘導させる意味合いで、横浜横須賀道路横浜新道1本に絞る必要があると思います。部分開通ではありますが国道357号や、首都高速だってありますから、そちらをメインにする方向性もあります。

有料道路を回避する余地を残す必要はない。
有料道路があるから並行する国道は残すというのが日本の道路では一般的ですが、そのために市街地の走りにくい道路を国道として指定するのは、走りやすい道路に車を誘導させる施策としては完全に逆行しています。

そもそも論としてもう一度言いますが、旧道の指定解除は新線開通後すぐに行うものであるべき、バイパス道路の建設とセットで行うべきもので、ここでとやかく議論するのがそもそもおかしいのです。特別な理由があるケースを除いて有料・無料うんぬんにかかわらず高規格道路を国道に指定すべきだと思うのです。

また、横浜新道や第二神明道路のような使われている有料道路は、有料でも必要性が高いから使われているし無料開放することがむしろマイナスになるから有料にしているわけですよね。ちなみに、これら2つの有料道路は料金自体は安いです。普通車であれば500円もかからないです。有料でお金がかかるといいますが、規制速度が低くて信号で頻繁に止められ移動時間もかかるため、節約して現道を走っても、節約どころかかえって燃費が悪くなるため、ガソリン代がかかります。
両方を天秤にかけると結局変わらない、むしろ有料道路の方が安いケースだってあるわけです。

まとめ 国道≒高速で走れる道路というイメージに
以上のことをまとめると、
高規格の道路を国道として指定した方が良いということですが、その理由は・・・

・自動車を完全に走りやすい道路に誘導でき、旧国道は地域交通に完全にフォーカスできる。
・旅行速度が向上し、旧道の交通量が減り、渋滞、交通事故が減少する。
・地図上、道路利用上のわかりやすさの観点からみても、走りやすい道路を国道に指定した方が良い。
・有料である場合は、大都市圏などの交通量の多い路線を除いて無料化した方が良い。無料化は特に大きな効果がある。
・有料道路に並行する現道は国道のままとする方向性はやめて、有料道路でもその道を国道本線にする。

ということになります。

道路の新規建設よりも既存の道路改良・活用を優先すべき

前回の記事では、無駄な道路事業とは何か?ということについて言及し、無駄な道路事情を論ずる時にその道路事業の必要性や地域の交通事情、経済、気候、地形、交通学的指標、自治体の財政などを踏まえたうえで議論するのが良いと書きました。

今回は日本全体の道路事業において自分の自論を書いていきたいと思います。

高規格道路の建設はこれ以上必要か?
地域によっては渋滞緩和のために、国道の改良のために必要な道路事業が多くあります。それはそれで必要だし、建設すべきだと思います。ですが、日本全体の平均をとって考えてみた時に、国道と高速道路共に日本全国を十分に縦断・横断しており、道路整備はほぼ行き届いています。

特に高速道路に関しては主要な都市や地域、言い換えれば本当に必要な路線というのはほぼ完成しており、残りの高速道路はそこまで必要性の高くない道路がほとんどです。個人的にメスを入れたいのはそのような高速道路です。

そのような必要性の低い道路は暫定2車線という形で整備されていますが、それが高速道路かと言われると疑わしいものがあります。なぜなら、規制速度は一般道より10k/h高い70k/hの道路がほとんどでしかも対面通行です。そのような中途半端な形で整備するなら、いまある道路、高規格道路の規制速度の緩和、および現道を高速で走れるように改良するだけで、高速化が可能な区間が多いのではないか?と思います。

高速道路空白地帯という発想はいらない
高速道路のない地域のことを高速道路もしくは高規格道路空白地帯と呼ぶことがあります。この地域には高速道路がなくて不便だから、一刻も早く高速道路の建設してほしいという種の話です。


しかし、この発想は高速道路があることが一種のステータスであり、ないとその地域がまるで取り残された地域かのようなそういう印象を抱きがちです。高速道路がないと不便と言いますが、本当にそうなのか?実際のところ、一般道が整備されているとか、特急列車があり飛行機がありで、実はなくてもそんなに問題にならない地域だったりします。
あと高速道路があったとしても不便な地域ってありますからね。あっても有料で普段は使わないから、結局今までどおり一般道を走るケースとか、そもそも高速道路が毎日渋滞を引き起こしていて使い物にならないから、一般道に迂回しているケースとか、その一般道も混雑していて、もう車よりも電車を利用した方が便利なケースだってあるわけです。


しかしながら今の道路事業は、その辺りのことはあまり考慮されず、とにかくこの空白地帯に高規格道路を建設して、空白地帯を解消させようという発想が強いと感じます。そして高速道路が造られた地域は「もうあるからいいだろう?まだない地域に建設するのが優先だ」ということで、新規建設を優先し、改良工事を後回しにしていると感じます。

しかし、高速道路のあるないに関わらず、必要性の高い路線はあります。たとえば新東名高速道路は、既に東名高速が並行しているから必要ないと言われていましたが、実際に開通したら東名の混雑の9割は解消し、東名高速は走りやすくなり巡航速度も上がりました。東名の交通量は当時は完全にパンクしており、東名を走った人であれば誰もが必要だと感じたはずです。自分が東名沿線に住んでいるのでなおいえますが、東名の交通量が半分以上減ったのは大きなインパクトがありました。確かに新東名にコストをかけすぎたという点はあるでしょうが、大きな効果があったことは否定できないでしょう。

参考動画:


東名高速道路(新東名開通前の動画) 他の方の動画を引用させていただきました。

つまり、高速道路はあってもさらに高速道路が必要な地域もあるし、その逆もあるということです。

前述しましたが、高速道路を建設しなくても一般道の規制速度を引き上げる、もしくは国道を少し改良するだけで高速化が可能な路線は全国的に見ると少なくありません。

ここで海外の道路事情をあげてみると、大陸国家や人口の密度の低い国は、全国に高速道路網を縦断させることを諦めて、本当に必要な地域にのみ高速道路を造り、残りは一般道をそのまま利用しています。カナダは全土に高速道路はないですし、オーストラリアやニュージーランドも同じです。島国のイギリスでさえも交通量の少ない地域は一般道をうまく利用しています。

参考ツイート



アメリカのように全土にインターステイトハイウェイを建設した例もありますけど、あれは例外です。中国も今急ピッチで高速道路の建設が進んでいますが、あれは急速に経済が発展しているからできているわけですよね。逆に、中国の経済成長がマイナスになり、日本のように低成長で人口が減少したら全路線を維持できるのでしょうか?

ドイツやフランスは全土に高速道路が縦断していますが、国土が狭く、平坦な土地が多いので可能だったのでしょう。国力の大きさ、建設コストが日本ほど高くつかないなどの事情も幸いしたのだと思います。

基本的に新しく建設するよりも、今ある道路を改良する方が基本的にコストはかからないし、建設期間も短くてすむので、後者の方が理にかなっています。

日本の場合国土は狭いですが、高速道路建設には多額のお金がかかります。これは建設コストに加えて、耐震対策や高い用地買収費用、さらに山間部が多い地域ではトンネルや高架を多用する傾向が強いため建設費用が高くなるのでしょう。ですから、全土に高速道路を建設するとなると、途方もないお金が掛かることになります。そして、今の日本の財政事情も考慮すると、全土に高速道路を建設するのは非現実的です。

あと前述しましたが、高速道路を建設してもそれが対面通行で規制速度70k/hだと意味がありません。だって並行して60k/hで走れる一般道があるのに、新しく建設した道路は、一般道と同じ対面通行の道路で規制速度は+10k/hしか高くないわけですからね。移動時間が5分短縮しますと言われても、5分なんてそんな大きな差ではないでしょう。

さらに、交通手段には自動車以外の手段もあります。あまり高規格道路ばかり建設してしまうと、自動車社会に拍車をかけ鉄道やバスを利用しなくなる人が増えてしまいます。人口の少ない地域の場合、ただでさえ少ない鉄道需要がゼロになり、鉄道廃止の危機に追い込まれる可能性もありますね。

現道改良とは何か?
ここで現道の改良について詳しく書いていきます。単純に言えば今ある道路をより走りやすくすることです。改良工事にはおもに以下のようなものが当てはまると思います。

・一般道を高規格に改良し走りやすくする。
・路肩を広げる。
・車線幅を広くする。
・左折・右折専用レーンを設け、直進車と曲がる車との緩衝を防ぐ。
・合流レーンを設け、沿線の道路から本道へ入る車と直進車との緩衝を小さくする。
・交差点を立体交差にする。
・部分的に追い越し車線を増やす。
・車線数を増やす。(断続的に片側2車線にする。)
・中央分離帯を造る。
・集落のある部分のみバイパスを建設する。

まとめると、より高速で走りやすいような道路に改良するということです。

参考1:
2017y07m08d_201001043.jpg
国道1号、富士由比バイパスにある左折および合流レーン。

参考2:

改良された稚内の国道40号(動画では3:00以降)、上記は日本の中で現道を改良した数少ない事例です。他の方の動画を引用させていただきました。

参考3:
2017y07m08d_202206203.jpg
ニュージーランドの改良工事中の国道1号線。片側2車線化工事を行っています。


オーストラリアやニュージーランドの場合、シドニーやメルボルン、オークランドなどの大都市近郊は高速道路にして、そこから離れた近郊では、新しく高速道路を建設せずに、いまある道路を改良して高規格にしているケースが多く見られます。

日本のケースで考えると、たとえば北海道の場合、もともと道路規格が良いため、人口の少ない地域は上記の国道40号のような形で国道を整備することが可能です。つまり、国道を少し改良するだけで80k/h以上で走行することが可能な道路ができます。

本州の場合、集落が多い地域を通ったり、山間部を走ったりでスピードが出しにくい道路が多いですが、その分、移動距離は北海道に比べると少ないですから、一般道であれば60k/h~80k/hくらいで移動できるように一般道を改良するだけで十分です。

・信号の撤去、ラウンドアバウトの設置
一般道で旅行速度を下げる原因の1つに信号機があります。都市部ならまだしも、郊外の人口が少なく交通量も少ない交差点に信号が設置されているケースが多く見られ、信号の停止時間によって移動に時間がかかるケースがあります。たとえば、信号の停止時間が1分だとして、それが10箇所あれば10分が停止時間になり、それだけで10分のロスになります。
よくバイパス建設で10分の移動時間短縮と言いますが、仮に信号がすべて撤去されてラウンドアバウトになれば、高規格道路を建設するまでもなく10分程度の移動時間短縮が可能になり、高いお金をかけて道路を建設する必要性を問われるでしょう。



現道改良としては直接的なものではありませんが、幹線道路であっても交通量が少なく見通しがそれほど悪くない交差点から、信号機をなくしてラウンドアバウトにすることで、移動時間の短縮、中長距離移動のスムーズ化が可能になると思います。
なお、ラウンドアバウトのメリット・デメリットなどについてはこちらの記事も参考にしてください。

参考:
2017y07m08d_202736045.jpg
ニュージーランド、郊外の国道のラウンドアバウト。


・新規高規格道路の建設
現道を改良するといっても集落を走る場所や、山間部などの急カーブや急な坂で現道改良が困難な地域、また集落が続いており、現道改良をするよりバイパスを造ってしまった方が良い場合は、新規に道路が建設されます。これも現道改良の部類に入ります。

日本の場合、国道の改良とあわせて、将来的には高速道路の路線としても機能させることを目的として多くの高規格道路が建設されています。たとえば三陸自動車道や山陰自動車道はその例ですね。

日本の各地の道路事情を見てみると、特に本州は前述したように山がちな地形で集落も多く、一般国道の規格も低いため、現道改良は難しい、もしくは改良してもさほど効果がないため、結局新しく道路を建設したほうが良いケースが多いです。
たとえばリアス式海岸の三陸地方を走る三陸自動車道は、国道45号を改良することは難しいうえに、津波による被害が大きかったため、新しく自動車道ができたんですね。山陰地方の山陰自動車道のうち鳥取~出雲にかけては並行する国道9号が多くの集落を通り交通量も多いため、多くの場所で国道9号のバイパスとして造られました。このようなケースは、その地域の幹線道路の改良に貢献したという意味で、無駄な事業ではないでしょう。必要性はあったと見ています。

しかし、全線通して建設する必要はなく、ネックになる部分だけ造れば良いというケースも多くあるし、国道の改良だけですむ場合もあります。具体例を上げます。

例 三遠南信自動車道国道474号.E69)
route474.png
引用:国土交通省浜松河川国道事務所より

この道は浜松から飯田市への高規格道路として計画された道路です。しかし、山間部を通るため交通量が少なく、にも関わらず建設コストがかかるため必要性が問われる路線でした。早期に全線をつなげたいという思いがあり、上記の一部路線は国道152を改良し、現道活用とする方向で決まり、結局全線を通して高速道路を建設することはなくなりました。

この三遠南信自動車道ですが、本当に必要性が疑わしい路線だと思います。浜松~飯田の移動といっても、東名・新東名・東海環状道・中央道を利用すれば高速で移動できるからです。一般道であれば浜松いなさ~鳳来峡まで三遠南信道、それより先は国道151号を利用すれば良いでしょう。まあ、新東名~国道151号は浜松までのルートが短縮できたので建設されてよかったでしょう。ただ、豊橋方面との移動も考慮するなら、豊橋~豊川~新城の国道151号を高規格化して東名、新東名と接続した方が良かったとも思います。

単純に長距離移動の需要で考えた場合、すでに移動ルートが確立しているし、有料ではあるけど高速で移動できるから、必要性が全く感じられない道路だということです。

一方で、沿線の道路状況が良くないため必要という意見や、災害時の緊急路線として必要という意見もあるでしょう。しかし、それなら国道473号・国道152号などを改良して走りやすくするだけでも事足りるはずです。青崩峠を越える道路が必要という意見もあるでしょうが、そこもその峠部分だけを建設すればよいだけです。むしろそうすべきだったと思うし、結果的にそうなっていますからね。

総括すると、この道路に関しては、現状の一部現道活用、一部は高規格道路として建設する方向でよいと思います。

まとめ
高速道路を全土に縦断させるという構想は悪くないと思いますが、今の日本の国力からしてもそれは難しいと思います。もっとも、今の道路事業を見ると現道改良という方向性になりつつあります。しかし、形式的にはそうなっていても、依然として新規道路の建設を重視していることに変わりません。

そうではなく、もっと今ある道路を有効活用する方向にシフトする必要があるのです。道路事業を行う際に はじめに今ある道路の改良・有効活用を考え、それが駄目なら新規道路建設を行うというプロセスです。

高速道路のあるなしにとらわれるのはやめて、大陸国家のように必要な路線は高速道路としてしっかり整備して、それ以外の路線は現道を活用することが日本の道路事業には一番理にかなっていると思います。



Appendix

プロフィール

hiro1100

Author:hiro1100
Hiro 1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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