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日本の制限速度について考える。世界との比較

日本の運転マナー、道路交通の中でもっとも問題とされているのは、制限速度の問題です。日本の制限速度は他国に比べて低めに設定されており、一方で車の性能は昔よりも良くなってきているため、多くのドライバーが制限速度を守らずに走っています。たとえば、よく「制限速度で走ると煽られるから+10キロで走ったほうが良い」とか「高速道路で140キロで煽ってくる」「制限速度は60キロだけど、みんな90くらいで走っている」などと言われますが、このようなことが言われていること自体、制限速度が全く機能していないということが理解できます。

2070066.jpg
制限速度40という標識があっても守る人はいない。


日本の制限速度

日本の高速道路の制限速度は100キロが上限です。将来的には新東名などの一部区間で、実験として110キロに引き上げる予定であり、最終的には120キロになるといわれています。一方で、カーブ等の多い路線や道幅の狭い路線は80キロに規制されており、都市部の高速道路は60キロ暫定2車線の高速道路は60-80キロに規制されています。

一般道は、法定速度は60キロであり一般道であればバイパスであれ片側2車線、3車線の道路であれ60キロです。狭い道路や市街地の道路は、その道路環境によって20~50キロに規制されています。一部のバイパス路線では規制が緩和され、70-80キロになっている道路もありますが、それはあくまで例外であり多くありません。

Route7 inNiigata
例外的事例である新潟バイパスの制限速度70キロ。一般道ですが、線形がよく信号がなく、道路は全て立体交差なので速度が緩和されました。

世界の速度はどうなの?
worldspeed.png
世界の最高速度一覧(ウィキペディアより画像引用)

世界的に見ると、ヨーロッパでは100キロ~130キロが多く、アメリカは州により異なるも、平均は120キロ。カナダは100~120キロ、オーストラリアは110キロ、ニュージーランドは100キロとなっています。アジアを見てみると、中国・韓国および東南アジアの多くは120キロ。台湾は110キロです。

速度の高い国を見てみると、ドイツは一部区間で制限速度なし。オーストラリアのノーザンテリトリー(北部準州)も一部で制限速度なし。ポーランド、ブルガリアとアメリカのテキサス州では140キロです。

一方でマダガスカルやエチオピアでは日本より低い制限速度80キロ。90キロの国もいくつかありますね。東ティモールはなんと最高速度70キロになっています。

このように見ていくと、なんだ日本よりも制限速度が低い国があるじゃないか?と思うでしょうが、そういう国は途上国が多く、そもそも車自体が普及していないので、あまり比較の対象にはなりません。

また、これはあくまで最高速度であって、大多数の道路が何キロで規制されているかの方が、より実態を理解できます。
たとえば、オーストラリアでは制限110キロとなっていますが、これはあくまで高速道路の制限速度であり、一般道は最高でも100キロです。オーストラリアの場合、高速道路は都市部とその周辺にあるだけで、日本のように国土を高速道路が縦貫しているわけではありません。つまり110キロで走れるのはほんの一部で、大部分は100キロの道路がほとんどです。
ドイツも同じことがいえて、無制限なのは一部の路線だけで、大部分はちゃんとした制限速度があります。


また、この最高速度がそもそも守られているか?ということも考えてみると、一部の国ではそれを超えて走っている車が多いのが実情です。たとえばスウェーデンは制限速度より+20キロで走る車が多いという話を聞いたことがあります。途上国ではそもそもルール自体を守らないので、速度標識など単なる飾りでしょう。日本の場合も同じことが言えますね。

上の図を見ると、そこまで日本の速度規制が低いようには見えませんよね?だって速度の低い国はほかにもあるし、上記のオーストラリアのような例もあります。ただし、この図から日本の速度規制の問題点は見えてきません。

日本の制限速度の問題点
日本の制限速度の問題点は、制限速度が合理的にかつ適正に決められておらず、安全に走れる速度よりはるかに低い速度制限に規制されているということが問題です。

80キロでも安全に走れるように作られているにも関わらず、50キロという低すぎる規制速度を設定している。車の流れは60キロなのに、公害問題などの配慮から40キロに設定しいる。など、理不尽な規制速度が課されている道路が多いのが実情です。

Route1.jpg
速度の低すぎる道路の例;設計速度80キロのバイパスで作っているにも関わらず、ここは50キロに指定されている。場所は、三重県の亀山市の国道1号線亀山バイパス。

このような低すぎる速度規制は、ほとんどの人が守らず、標識はただの飾りとなっています。また、ドライバーにとっても負担がかかります。まず、適正な速度が規制されていないため、何キロで走って良いか?わからない。指標がないという点。
次にそのせいで、車の速度がそれぞれバラバラだという点です。60キロで走っている車もいれば、70キロで走る車もいる。あるいは90キロぐらいで走って、オービスのあるところだけ減速するようなドライバーもいる。このような状態のため、それぞれの車が干渉し、煽り運転や、強引な追い越しなどに繋がり、運転マナーが悪くなるという点。
さらに、一部で制限速度を守る車が、後続車から煽られ威嚇されることによって、法律を守っている車が不利益を被るという意味不明な構図が出来上がっているという点です。

加えて、あえて低すぎる速度設定を放置して、警察がそれを利用して速度違反の違反金を稼ぐ手段にもなっている点があります。



運転マナー悪化を招き、全てにおいて悪影響を与える。
このような速度規制は、放置していても良いことは全くありません。上記のようにかえって運転マナーを悪化させるだけです。また、制限速度が適切に設定されている道路であっても、多くの車が速度を守らないため、結果的にスピード超過する車を増やしてしまっています。

さらに、規制速度が適切でない、低すぎるため、目的地につくのが遅くなり時間ロスが多くなります。それが結果的に、経済や交通に悪影響を及ぼしています。

正直な話、この理不尽な速度規制を放置している以上、いくら交通安全を唱えたり、安全運転を施すような対策をしたところでほとんど効果はありません。

解決策としては、設計速度や交通量、実勢速度などを参考にして制限速度を大々的に見直す必要があると思います。解決策については次回の記事で書いていきます。
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[C20] 西東京はとりわけ平均速度が低すぎる。

西東京(23区西部・多摩地区)は神奈川県では60kmの道路でも50kmや40kmに引き下げられている事が多々あります。
挙句の果てに信号のつなぎは非常に悪く、道路事情も非常に悪いです。
恐らく西東京の場合は高井戸ICや杉並三駅もそうですが、住民のエゴで低くされている可能性が濃厚だと思います。
国道411号線の東京区間なんて国道の癖に30kmなんてこともあるからその可能性が高いです。
そのせいなのか西東京(23区西部・多摩地区)のドライバーは非常にマナーが悪い運転をしている様に感じます。
まぁ、神奈川県でも横浜の環状2号や国道129号金田以北の一部、国道357号あたりは70kmに緩和した方が良いと思います。
70kmにすれば大型車は燃費を下げられずに済むから。

[C21]

いつもコメントありがとうございます。
神奈川の小田厚を走ったときに、小田原西インター手前で高規格なのに50キロまで規制がかかり、出口で30キロというありえない規制を見ましたが、そういう規制はやめてもらいたいですね。一般道の規制うんぬんはまた別記事に書きますが、129号や357号のように一部70キロ以上でも充分問題ない区間もあります。一般道は場所によっては80キロぐらいでも良いと思いますけどね。
  • 2016-12-03 20:39
  • hiro1100
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プロフィール

hiro1100

Author:hiro1100
Hiro 1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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