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暫定2車線における高速道路の事故対策と4車線化

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高速道路における暫定2車線とは、暫定的に対面通行で開通させ、その後交通量が増えた際に4車線化を行う方式のことをいいます。この方式は高速道路にかかるコストを削減でき、まだ繋がっていない地域に早く高速道路を通せるというメリットがあります。

しかし、デメリットとして、暫定2車線で追い越しができない対面通行で開通させるため、普通の高速道路に比べて巡航速度が落ち、また追い越しができないため速い車と遅い車が干渉しやすいというデメリットがあります。
簡単に言えば、100キロで走ることができず、しかも追い越しができないため、前に遅い車がいるとその車の後ろにずっと張り付いていないといけない状況が多いことや、逆に後続車から煽られることが多いわけですね。

一定間隔で追い越し車線が設けられているものの、追い越し車線の数があまり多くないうえに、その距離も短いため効果は限定的です。

事故が起きなければ良いのですが、反対車線との車の衝突事故、死亡事故も多数起きています。4車線の道路に比べて、暫定2車線高速道路の死亡率事故率は1.7倍となっており、一度事故が起きれば死亡事故率につながりやすい特徴があります。
つまり、4車線の道路に比べて危険ということですね。

このような状況ゆえに、多くの自治体では暫定2車線の4車線化を要望していますが、国の予算がないことや、交通量が一定基準に満たないことから、なかなか4車線化が進んでいないのが現状です。

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参考:国土交通省より引用(暫定2車線の道路に付加車線を追加する路線一覧)

図を見ると全体の約3割程度が暫定2車線で開通しています。また、地域別にみると東九州、山陰、南四国、東北の日本海側、北海道が特に高速道路の建設が遅れており、暫定2車線の路線が多いことがわかります。

4車線化は必要。しかし予算がないことが問題。
結論から言えば、暫定2車線の高速道路の4車線化は必須でしょう。しかし、国にお金がないため、本当に必要でない限り、4車線化に予算がつかないのが現実です。ちなみに1kmあたりを4車線にするのに12億~30億かかると言われています。つまり2.538km全てを4車線にする場合、3兆~7兆円、平均すると約5兆円程度のお金がかかるということになります。もっとも、これは高速道路の暫定22車線区間ですから、地域高規格道路のバイパスなどを含めば、もっと大きくなるでしょう。このお金はどこから出すのか?というと、難しいですよね。今は国も借金を抱えていますから、建設にかかるお金がそう簡単に出せないと考えると、なかなか難しいところです。ちなみに4車線化する交通量の目安としては1日当たり1万台の交通量が必要になります。この交通量に届かなければ、4車線化の目処はほぼないと考えて良いでしょう。

しかし、本当にお金がないのか?疑問に思うこともあります。東京オリンピックの予算は3兆円に膨らんでいるという話がありますが、オリンピックにそこまでお金をかけるくらいなら、インフラ整備の元、高速道路にもっとお金をかけて欲しいものです。また、明らかに必要がないと思われるであろう建築物に予算を回すくらいなら、本当に必要な路線の拡張に予算を回すべきでしょう。

もっとも、議員や事業の無駄を省いても大した額にならない、1兆円単位の額にはならないとも言われているので、無駄を省いたところで建設費が出てくるかは疑問です。

暫定2車線高速に対する根本的な対策
4車線化すれば問題は解決しますが、しかし、現状その建設費のためのお金がないと考えると、どのようにこの問題に取り組んでいけば良いのか?難しいです。

道路整備そのもののコストを減らせないのか?
コストを減らして、なんとか4車線で作れないか?ということです。日本の道路は地形が急な山間部を貫くことや、耐震構造を考慮する必要があるため、コストが高くなってしまうことは仕方がありません。
しかし、それでももう少し減らせないのか?と思います。高架道路などを極端に減らして、できる限り盛土で高速道路を建設すれば、高架道路を建設する分のお金が少なくなるでしょう。
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滋賀県の新名神高速道路。高架道路でなく、盛土にした方が良かったのでは?

ただし、よくよく調べてみると高架道路だからと一概にコストが高くなるとは言えない部分もあるようです。盛土の方が高架道路に比べて土地は広くなるため、その分用地買収の手間は増え、費用がかかります。また用地買収がうまくいかないことも多くあるので、できる限り買収の手間を減らしたいと考えたら、高架道路にせざるを得ないでしょう。用地買収に手こずれば、それに付随して様々な追加コスト、時間もかかります。また、用地買収もさることながら、盛土にする土が近くになければ遠くから運ばなければいけない。そうなると、それに付随して費用がかかります。

これはトンネルや地下トンネルにおいても同じことが言え、トンネルでなく平面で建設すると、用地買収などの費用がかさみ、また山を迂回する分距離が長くなり費用がかかることがあります。それならトンネルにしてしまったほうが、距離が短く用地買収もいらないため、むしろ安くできるということもあるそうです。

つまり、コスト削減を考えても対して有効な策はないのではないか?ということです。


交互に追い越し車線を設ける3車線方式

次に有効な策としては、すべてを4車線化するのではなく、ヨーロッパで多く見られる交互に追い越し車線を設ける道路を作れば良いのではないか?ということです。
この方法であれば、1車線作る分のコストが削減できますから、お金をかけずに車線を増やすことができます。また拡張ができないトンネル部分はレーンを増やす必要はないので、造らないて良い部分のコスト削減にも貢献し、かなり安い建設費でレーンの増設が可能でしょう。
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3車線の追い越しレーン図。上り下りこれを交互に作っていく方式。

もっとも、盛土や高架道路の部分は新たに路線を作る必要があり、その場合は1車線増やすよりも4車線化してしまっても、たいして建設費は変わらないという意見もあります。しかし、十分に検討されて良い方法だと思います。

中央分離帯を強化する。
中央分離帯のラバーポールをワイヤーロープにして、中央車線からの飛び出しを防ぐ実験が行われようとしています。これはこれで良い対策だとは思いますが、これはあくまで反対車線からの正面衝突事故を防ぐ目的に限定されるため、暫定2車線の本質的な問題解決にはならないと思います。

暫定2車線の問題としては、これ以外にも遅い車と速い車の干渉、巡航速度低下による移動時間短縮効果の減少、などがあります。これらすべてを解決するには、やはり拡張する以外に方法はありません。

車線を増やす以外に有効な方法はない。
暫定2車線の問題の解決策は、中央分離帯の強化はもちろんですが、車線を増やす以外に有効な方法はありません。いくらドライバーに安全運転を施したとしても無駄でしょう。そもそも現状の制限速度70キロすら誰も守っていないですからね。この速度で走るように促しても、多くの人はそれを無視するでしょうし、70キロで走るとしたら、それはもう高速道路ではないでしょう。せめて90キロ。やはり、100キロで安全に作れる高速道路にしてもらいたいものです。隣の韓国では、かつて日本同様、暫定2車線の高速道路がありましたが、すべての路線が4車線化され、対面通行の道路はありません。

それを踏まえると、多少お金をかけてでも、この問題のために一定の予算を組んで、全国の暫定2車線区間のうち、必要な区間を中心に4車線化していくようにするしか良い策はないでしょう。
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Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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