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日本の道路と海外の道路機能の違い、バイパスや高速道路など…

今回は、日本の道路と海外の道路について比較していきます。海外といっても国によって異なりますが、比較対象にするのは欧米諸国および近隣の台湾や韓国などとです。

県道、国道、バイパスと有料高速道路の多重構造からなる日本の道路
海外では国により異なるも、おおむね高速道路があり、それが有料無料問わずに幹線道路、短中長距離の移動として使われています。そして高速道路に並行して旧道があり、それらはローカルおよび、生活道路となっているケースが多く見られます。

たとえば、オーストラリアやニュージーランドでは国道(州道)が全土を走り、一部路線では高速道路がそのバイパスとして建設されています。旧道は多くが州道、国道から降格になり、生活道路もしくは町や村へのアクセス道路になり路線番号を持たなくなります。
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ニュージーランドのかつて幹線道路であった旧国道1号線。

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そしてこの道に並行して走る国道1号線高速道路


台湾や韓国を見ると、高速道路と一般道は独立しているものの、高速料金が日本に比べて安いため、これもやはり幹線道路として使われています。日本との共通点としては一般道として国道があり、高速道路を補助する形で走行しています。両国とも日本と比べると、多車線が多く整備されているように思います。対面通行なのは地方で車の少ない地域だけでしょう。

他の方の動画です。台湾の道路を知るうえで参考になります。


つまり、どの国も高速道路が幹線道路として機能しており、一般道がローカル向けの道路として機能している2重構造だということです。

対して、日本の道路は高速道路ではなく、国道が主に幹線道路としての機能を有しています。その下に県道、市道がありそれが国道を補助する形で機能しています。一方で高速道路はそれらから独立した存在で高いお金を払って移動する、いわば金持ち向けの高速移動手段のようなものです。高速道路、国道がありその下に県道や市道がある多重構造になっています。

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100キロ出せる高速道路だが、料金が高いため利用の敷居が高い。そのため、多くの人は下道を利用する。


よくわからない人のために具体的な例を挙げると、ニュージーランドのオークランドの場合をあげます。
オークランドでは、国道として指定されている路線はすべて高速道路です。これらがオークランド都市圏内、圏外への移動の主要道路となっています。国道の下には主に片側1車線からなる都市道(アーバンロード)という路線があり、さらに都市道として指定されていない一般道あります。これらはいわば、日本で言う県道、市道のような道路です。

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オークランドのメイン道路である高速道路(1号線)

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オークランドの一般道。一部片側2車線以上の区間もあるが、多くが1車線。

オークランドでは高速道路が走っていない地区を除いて、日本のように一般道で都市圏を移動することはありません。市の中心部へ行く場合でも、職場へ行く場合でも、空港へ行く場合でもほぼ必ず高速道路を走ります。理由は高速道路が無料だからです。一般道は高速道路の走っていない地域をつなぐ補間的役割を持つ道路であってメイン道路ではありません。これは幹線道路である高速道路とそれを補助する一般道という2重構造ができています。

一方で日本の場合、ここでは地方都市として浜松を例に挙げましょう。
浜松市内を移動するのに、東名高速道路を使う人はあまりいないでしょう。浜松ICから浜松西IC、三ヶ日IC間のみを利用するっていますか?もちろん、いないことではないでしょうが、多数派ではないはずです。浜松~三ヶ日まで料金は片道約700円、往復で1400円ですからね。節約する人は日常的に、国道や県道を使うはずです。

都市圏として磐田、袋井、掛川、湖西などを含めて考えてみましょう。掛川から浜松まで移動するのに、東名高速を使いますか?片道750円です。もちろんいるでしょうが、多数派ではないはずです。それよりも国道1号のバイパスを使って移動するでしょう?こちらはお金はかかりません。掛川~三ヶ日くらいになると、ようやく高速を使う人が増えてくると思いますが、それでも意地でも下道で移動する人も少なくないでしょう。


浜松都市圏地図

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国道1号のバイパス。信号がなく走りやすいため、ローカルではこちらを利用する人が多い。

ちなみに浜松は、浜松市の人口は79万人ですが都市圏単位で考えると113万人です。オークランドは都市圏では約150万人です。単純比較はできませんが、オークランドの方が大きくどちらも100万都市圏です。浜松がオークランドと違うのは高速道路が有料で高いため幹線道路として使われておらず、選択肢の1つになっているという点です。高速道路は主に長距離、通過目的で利用する人向けで、日常的な利用は、短距離は県道や市道、短中距離は国道が幹線道路として担っています。一方で静岡~名古屋のような長距離移動でも国道1号を使う人が少なくなく、長距離移動ですらも、国道がその機能の一部を持っています。

つまり、浜松都市圏においては、幹線道路である国道、それを補助する県道、市道、そしてお金を払って利用する高速道路という多重構造になっているということです。

これは浜松に限らず、日本の都市はどこも似たような状況でしょう。高速道路が幹線道としての機能を100%持っている路線というのは、おそらくほんの僅かしかないでしょう。当初から無料で開通した山陰自動車道のようなケースくらいです。

高速道路、一般道路の二重構造の特徴
オークランドのようなケースでは以下のようなメリットがあります。
・高速道路が幹線道路として機能しているため、車線数が多くなる。
・基本的に無料もしくは有料でも安いため、利用敷居が低い。日常の利用から長距離の移動まで様々。
・高速道路が幹線道路として機能することで、並行する一般道や近隣の一般道の混雑緩和に寄与。旅行速度が向上し、移動時間が短縮する。
・一般道から通過交通を排除できる。
日本のように高速道路、バイパスと分けて建設する必要がない。建設コスト削減。

といった特徴があります。ただし、オークランドの場合、問題点がないわけではありません。幹線道路は高速道路と一帯になっているため、高速道路に車が集中し、混雑がひどくなる傾向にあります。実際、市内の高速道路(国道1号)は日中でも流れが悪く、通勤時間帯はひどい渋滞が発生します。また、ひとたび高速道路で事故が起こり、通行止めになるような事態になれば、交通機能がマヒしてしまいます。さらにオークランドでは外環道路が全通していない(日本の東京のような状況の)ため、通過交通もオークランド市内を通らざるを得ない状況にあります。オークランドの一般道は日本のように多車線で整備されているわけではないので、高速道路が通行止めになれば、市内で大渋滞を引き起こすことは避けられないでしょう。

オークランドの外環道に当たるのは20号線と16号線の一部。20号線は途中で途切れており、現在建設中。


これらをまとめると、車線数が多く、高速道路が幹線道路、バイパス道路として機能するため、日常利用から長距離利用まで幅広く高速道路が対応できる反面、交通集中によって渋滞が起こりやすく、ダブルネットワーク以上ないと何かあった時に交通機能がマヒしやすいという点があると思います。

日本の道路の多重構造の特徴
一方で日本の道路構造には以下のような特徴があります。

・国道や県道が地方の幹線道路としての機能を担う。高速道路は高い料金を払って利用できる特別な存在。
・高速道路が幹線道路として十分に使われないため、別に高規格バイパスや国道や県道の改良が必要になる。複数路線を建設するため、その分道路の建設コストがかかる。

・複数路線分散のため、1つの道路あたりの車線数が少なくなる傾向にある。
・高速道路があっても、それが有料で高い限り、一般道のバイパス機能を持つようにはならない。よって混雑の緩和に寄与しない。通過交通や本来幹線道路を走る車を一般道から排除できない。
といった点があります。

悪い点が多いですが、良い点も挙げてみると。
・高速道路においては、通勤時間帯の交通量の集中などに影響を受けない。通過交通のスムーズ化。
・片方が通行止めになった場合、もう一方がバックアップ機能を持つことができる。
などです。

具体的には、東名高速で浜松を通過する場合、浜松市内を通勤時間帯に通過するからといって、渋滞で通過に時間がかかるわけではないでしょう?もちろん交通量は増えますけど、増えて走りにくくなるだけです。交通量集中が直接的に影響を与えるのは、ローカルの国道や県道だけですよね。また、東名が通行止めになった場合、国道1号のバイパスに迂回できるし、その逆も可能です。2012年からは新東名も選択肢に入ります。日本のように災害が多いところでは、ダブルネットワークは大いに役に立ちます。

別の言い方をすれば、多少規模の大きな都市でも、高速道路を走る通過交通に関しては交通量集中で大きな影響を受けないということです。広島、仙台、宇都宮、金沢、静岡、浜松、福岡など、高速道路で通過する分には数分~数十分です。ただ、3大都市圏の都市規模になるとそうはいかず、渋滞に悩まされることはあります。
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朝の通勤時間帯の高速道路は、地方では車が増えることはあっても渋滞することはない。

浜松の道路が2重構造だったらどうなるか?
もし、浜松がオークランドのような道路構造だった場合、東名高速道路が1号のバイパスと長距離移動の機能を合わせてもち、おそらく、国道1号のバイパスは建設されなかったでしょう。もちろん高速料金は無料か安い値段です。同時に、インターも多数建設され、車線数も多くなり、さらに東名周辺が宅地化され、アメリカのように高速道路で都心部へ通過する車が増えていたことでしょう。しかし、一方で交通量が多くなり、日常的に車を利用する人も東名に入るため、交通量集中に大きな影響を受けます。そのため、浜松を通過して名古屋方面へ行くのに渋滞で時間がかかるようなことも起きたでしょう。その過程でさらに別のバイパスが建設されたかもしれません。

どちらにせよ、新東名高速は必要になったと思います。
ちなみに、高速道路が幹線道路としての機能を持つことで、周辺に放射状へ広がる路線、国道152号や257号、150号線なども高速道路か、高規格路線として作られたかもしれません。

ここまでをまとめると、日本の高速道路は有料であるがゆえに幹線道路として十分な使われ方をしておらず、他方で海外では高速道路が幹線道路としての役割を担っており、高速道路があれば一般道がそれを担うことはないということです。
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プロフィール

Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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