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日本の高速道路のさらに拡張が必要な区間を考える【車線を増やす】

当ブログではおもに交通渋滞緩和や交通のスムーズ化のために、各地の道路の車線数を増やした方が良いことを強調しています。今回は、日本全国の高速道路において4車線や6車線でありつつも、さらに車線数を増やす必要がある区間について考えていきます

なぜ車線数を増やす必要があるのか?
車線を増やさなくても、ほかにもいろいろ改善策はあるのでは?と思われます。しかし、交通事情の改善で一番効果的なのは、車線数を増やすことです。部分的に付加車線を作ったり、ゆずり車線を作ったり、注意看板を促したりなどしてもその効果は限定的です。特に高速道路においてはです。

事実、東名高速道路の音羽蒲郡IC~豊田IC間が暫定3車線化されたときには、交通渋滞が大幅に緩和されましたよね?新東名が新しく開通し、道路交通が分散、車線数が増加したことで旧東名の渋滞がなくなり、交通がスムーズになりましたよね?

交通容量が圧迫し、渋滞が頻発していたり、流れの悪い道路はもっと積極的に車線数を増やす必要があると思います。それが一番効果的でしょう。

なお、個人的に車線を増やした方が良いという区間は以下になります。

6車線化
・九州自動車道 八女IC~久留米IC 20.2kmおよび福岡IC~八幡IC 37km
参考記事:九州道の福岡地区の高速道路の交通量と拡張について考える。

・第二神明道路・加古川・姫路バイパス 石ケ谷JCT~高砂西IC 約21km および 姫路南IC~中地ICの1.9km
参考記事;播磨地区の国道2号線について考える。【バイパスの道路事情】

・近畿自動車道 吹田JCT~門真JCT 12.7km
*大阪中央環状の有効活用なども考慮に入れる。

・新名神高速道路 大津JCT~亀山西JCT 42km 
および城陽JCT~京田辺八幡JCT 3.5km
四日市JCT~新四日市JCT 4.4km

*亀山西~大津間はトンネルが6車線規格で造られており、用地も確保されているため容易に拡張が可能。
*城陽~京田辺八幡間は京奈和道・第二京阪との接続を考慮したため。
*四日市~新四日市間は将来の東海環状道全通後の交通量増加を見越して。


・東名・名神高速道路 一宮IC~音羽蒲郡IC 79.2km
参考記事:東名・名神高速道路 名古屋都市圏区間を6車線にすべき理由
*理想は音羽蒲郡~大垣までが良い。

・東名阪自動車道 名古屋西IC~亀山IC 53.2km(ほぼ全線)
参考記事:東名阪の6車線化の決定と必要性
並行する国道1号や名四国道の混雑緩和対策としても、東名阪の交通量のキャパシティを増やし、料金を値下げるなどして、交通量のシフトを測る。


・新東名高速道路 浜松いなさJCT~御殿場JCT 約162km

参考記事:新東名高速の6車線化について考える。
*一部ですでに6車線化。用地があるので容易に拡張が可能。

・中央自動車道 上野原IC~三鷹料金所(将来の外環道分岐まで)約46km
参考記事:中央自動車道を6車線にすればどうすればよいのか?

・横浜新道 戸塚~新保土ヶ谷IC 5.6km
*付加車線の設置を検討中。

・京葉道路 船橋IC~千葉東金道路 27.7km
*一部で付加車線完成、なお6車線化に向けて工事中。

・圏央道 青梅IC~鶴ヶ島JCT 19.8km
トンネルが多い東京・神奈川区間は実質拡張不可能。

.・東京外環自動車道 和光北IC~高谷JCT 43.7km
国道298号の有効活用も考慮に入れる。

基準としては、目安として交通量が5万台を超えている、渋滞が頻発しているといった点を上げています。なお、都市高速、今後新規路線開通で交通量減少が見込まれる路線、トンネルの多い路線(新東名・新名神を除く)は候補から外しました。

どうして拡張が行われない、放置されているのか?
効果的な方法であるにもかかわらず、それが行われないのは様々な点で障害があるからでしょう。

まず第1に建設コストがかかりますね。まあ、新しく道路を作ることに比べればコストはかからないでしょうが、それでも億単位のお金がかかります。暫定2車線の道路を4車線にするのにかかるコストは1km当たり12~36億円という話を聞いたことがあります。これは10kmになると120億~360億円と10倍になります。日本全国の暫定2車線の高速道路は約2700kmほどあるといわれていますが、これをすべて4車線にすると、3兆2400億~9兆7200億というとんでもないコストがかかります。これは6車線化の場合でもまとめてやると兆単位のお金がかかると思われます。

借金が膨れあがっている日本の財政で、この額を高速道路の拡張のためだけに費やすのはさすがに暴論ですよね。

第2に土地の収用が必要になる点があります。すでに拡張のための用地がある場所は別として、そうでないところは新しく土地を確保する必要があります。土地収用がスムーズにいけばよいですが、東九州道のみかん農園のように土地収用に問題が発生すれば、そこで時間を取られて拡張に手間と時間がかかります。東九州道を4車線にするときはあそこはどうなるんですかね?4車線化の際にもまた揉めるようなことを岡本さんが言っていますが…。

また、中央道のようにすでに市街地が作られているところに道路拡張として土地収用を行い用地を確保しようとする場合、多数の立ち退きが必要になります。そこには膨大な時間とお金がかかるため、いざ工事が決まっても拡張完了が10年、20年後ということになりかねません。

つまり、お金がかかるうえに時間も手間もかかるから、容易に車線を増やせないのだと思います。ちなみに暫定2車線の道路では、初期の段階で4車線化を行ってしまうと、建設会社の仕事がなくなってしまうから、暫定2車線、4車線化という2ステップを踏んでいるという話もあります。他にも何か理由があるのですかね?

お金をかけず用地も広げず、今ある道路幅で車線を増やすのが理想

このような問題点を考えた時に、お金をできる限りかけず、かつ用地は今ある部分を使う、もしくは広げるにしても最低限の用地だけを確保し、車線を確保できるのが理想的です。

具体的には東名高速道路や東名阪自動車道の暫定3車線のような方法を取れば簡単にできるわけです。

ただし、これにも難点があります。
まず、道路を広げず車線を増やすため、1車線あたりの車線幅が狭くなります。また、緊急車両用や故障車のための路肩が狭くなる、もしくはなくなるという点があります。路肩が狭くなることで故障車が停車できず、それによって後続車との追突事故を招く危険性もあるわけです。
また、車線が狭くなるため、規制速度が低くなります。東名高速の暫定3車線化の際には100k/hが60k/hになりました。せめて80k/hにできないのか?と思いましたが、どうやら暫定3車線化時の車線幅(3.25m)では60k/hになるのが一般的のようです。高速道路では一般的に3.5mの幅が必要です。3.25mというのは都市高速の都心部、および一般道の車線幅で、そもそもかなり無茶をしていたわけです。

まあ、海外へ行けば車線幅が狭くても80k/h、100k/hとか普通にあるので、そのスタンダードに合わせれば?と思われますが、どちらにせよあの車線幅で90k以上を出すのは体感的にも危険だと思いますし、路肩がないのも問題です。

つまり、東名の暫定3車線のようなやり方は効果的だがリスクも多く、受け入れられにくいということです。もう少し考える必要があるわけです。

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東名阪の暫定3車線。路肩がないのが危ない。

もっとも首都高速や国道のバイパスなどは路肩がない道路はありますし、それでうまくやっている路線もあります。要するに緊急避難のための路肩を部分的に設ければ良いだけなので、そこまで神経質にならなくてもよいかもしれません。

道路規格を引き下げて道路を整備しなおす方法を考える。
東名や東名阪の3車線化はあくまで暫定だったので、車線の幅を狭くしただけの緊急措置でした。しかし、ここでは車線だけではなく、路肩や中央帯も含めて、道路設計そのものを見直したうえで車線を増やしたらどうか?と提案します。

道路構造令における高速道路の車線幅、路肩、中央帯などの規定(一部参考)
2017y03m07d_142147453.jpg
*長さの単位はm

路肩、中央帯の値は通常は右側の最大値を利用しますが、やむ得ない場合のみ左の最小値まで下げることが可能です。つまり、一部で中央帯が4.5mのところもあれば、それ以下のところもあるということです。

具体的には高速道路の第1種1級および2級で整備されている高速道路を第2種1級規格、つまり首都高速湾岸線のような形で都市高速規格で整備しなおすというものです。路肩を狭くし、中央帯も削り車線幅を確保します。一部で道路幅が確保できない部分は、道幅を広げますが、最小限に留めます。しかし、しっかりと道路規格に沿って整備するため、暫定3車線のような路肩が全くなくなるような不自然な道路設計にはなりません。

また、通常の高速道路は比較的ゆとりがあり、100k以上で安全に走行できるように設計されてるため、路肩、車線、中央帯などかなり広くとられている区間が多いです。そのため、規格を下げて車線を広げても、現在ある道路幅だけで十分に可能、もしくは少しだけ道路幅を広げるだけで車線を広くすることが可能なケースが多いです。

さらに上で取り上げた路線の多くは大都市の近郊区間、もしくは大都市の市街地を走りますから、都市高速規格で再整備しても何も問題はないでしょう。

例えば、中央自動車道は高井戸から八王子までは都内の衛星都市の市街地を走ります。この区間は片側2車線ですが、設計速度は120k/h、制限速度は100k/hです。交通量が多くとても100k/hで走れるような区間ではないので、車線を増やし道路規格を下げて設計速度を80k/hにしても、それほど問題ではありません。

中央道(八王子~調布間)の道路構造(左から路肩、車線、中央帯)
2017y03m07d_144301330.jpg
*側帯の値は省略。中央帯は反対車線の部分を除いた数値(4.5mを2で割った数値)

上記の第1種1級の構造から第2種1級の構造に変更した場合
2017y03m07d_144131795.jpg
*中央帯は反対車線の部分を除いた数値(1.9mを2で割った数値)。

理屈上は道路幅を広げずに車線を増やすことが可能です。

ちなみにこの方法は6車線道路を8車線にする場合でも応用ができると思います。

ちなみに中央道と東名・名神高速道路に関しては路肩、車線、中央帯がかなり広くとられているようです。であれば、この道路幅だけでなんとか広げることができそうな気がします。ただし、八王子~上野原までの区間は普通に用地を確保して広げた方が良いでしょうし、渋滞のひどさを考慮すると、特に小仏トンネルの区間はちゃんとした形で整備した方が良いでしょう。

また、もともと道路規格の低い東名阪道や京葉道路、東京外環道は車線幅を3.5mから3.3~3.25mにしないと、車線を増やすことは難しいです。姫路・加古川・第二神明道路・近畿道はこのやり方で車線を増やすのは不可能で、車線幅を3.25mにするか、道路幅をある程度広げないと無理です。

九州自動車道や名神高速などについては、それほど市街地化している地域を通らないので、ちゃんとした方法で広げた方が良いでしょう。新東名・新名神については用地が確保してあるので良いでしょう。

なお、参考としてこのような方法もあります。交通渋滞緩和の切り札:smart motorwayという発想 路肩を車線にした運用法

ここまでをまとめると、車線数を増やすために、現在の道路設計を高速道路から都市高速規格に引き下げたうえで再整備したらどうか?ということです。この方法であれば、道路を広げなくても車線が増やせますし、仮に道幅を広げるにしても最小限の用地買収で済みます。その際、規制速度が低くなるのはやむえませんが、80k-90k/hであれば、もともとそれくらいの流れの区間が多いので、むしろ実勢速度に近くなります。


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[C54] 無駄な箱物よりインフラ整備

個人的にはコンベンションなどの無駄な箱物より鉄道の高架や高速道路の4車線化などに予算の配分を回した方が得策だと自身でも考えられる。
最もこれらは用地買収が一番金がかかる話は聞くのは確かで車線増設や駅の高架自体は金と時間はそこまで掛からないからです。
特に東名音羽蒲郡IC〜名神大垣ICはトンネルがなく渋滞が頻繁しているので6車線にした方が良い区間だと言われている。

まぁ、日本に限らずドイツやアメリカ、中国などでも借金が膨れ上がっているし、知っている人だとアメリカは世界最大の借金大国と言われていて、連邦政府や州の借金を含めると2京円超える話もある。
他にも緊縮財政でEU 加盟国は財政悪化が進んでいるし。

ただ、闇雲に緊縮財政をして暫定2車線にするよりは交通量を予め調べて4車線以上にした方が維持費は掛からないと思います。
4車線以上なら極力通行止めにする頻度を減らせるからです。

ドイツは緊縮財政の影響でアウトバーンが酷い状況になっている話も聞くし。

後、欧州ドライブは英国とロシア以外は出来るだけ早めに行った方が良さそうです。
何故なら排外主義が活発化している点、難民問題が悪化している点が挙げられるからです。

[C55] Re

財政が危ない状態であるにも関わらず、かなり余分なものにお金を使っているという現実がありますからね。本当に無駄な部分を省き、適切な形で予算が使われていれば、今のような暫定2車線の高速道路は、多くが4車線になっていたでしょう。

鉄道の高架化>静岡ではそれほど深刻ではありませんが、都内や大都市圏はひどいですからね。ちなみに、オーストラリアのシドニーはほぼ9割型、鉄道の高架が完了していました。

先進国はどこも財政が厳しく、落ち目といわれています。世界に目を向けると、先進国はどこも似たようなものなんですよね。

欧州ドライブ>アウトバーンは走ってみたいと思いますが、向こうは行ったこともないから敷居が高いんですよね。難民や移民排除で僕らアジア系もいづらくなるとなると、より一層行きづらくなります。

[C70]

用地費も高いですが建設コストそのものも耐震基準を満たすために欧米諸国より高い水準となっています
www.mlit.go.jp/singikai/koutusin/koutu/shoiinkai/2/images/shiryou5.pdf

国土交通省は1車線7500台/24時間が適正な旅行速度を保てる基準としています
したがって、1万5千台=2車線、3万台=4車線、4万5千台=6車線、6万台=8車線が適正値となります
8車線以上になると単純な車線増より別の道路に分けたほうが効果的です
ちなみに台湾では6〜8車線の直上に4車線の新ルートを建設し混雑緩和を図っています

[C71] Re

耐震が必要なのは仕方ないにせよ、であればなおさら無駄な建設事業は辞めた方が良いですね。アクアラインのような採算の取れない事業をやめて、ほかの必要な路線の事業に充てていれば、もっと4車線区間や新規路線も増えていたことでしょう。

概ね4車線あると3万台までは快適に走れますね。それを超えても5万台くらいまではまあなんとか許容できるレベルで、4車線で5万台を超えると走りにくいレベルになります。

新ルート建設>東名に並行して建設している新東名が台湾の新ルート建設に似たような構造といってもよいかもしれません。
既存路線の拡張より台湾の建設方法もよいかもしれません。東名高速の上にさらに片側2車線の高速道路を建設するという形で通過車両は上の道路を利用し、短距離は旧路線といった形で分離できますから。
  • 2017-03-23 15:49
  • hiro1100
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Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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