Entries

北海道の道路事情について考えるその2;高速道路はこれ以上必要か?

今回は北海道高速道路について、自分の思う自論を書いていきます。その1では、制限速度の緩和、追い越し車線の設置、信号を廃止しラウンドアバウトを増設、および信号連動をよくすることについて述べました。

北海道高速道路事情
北海道高速道路は以下のように札幌を中心に路線が広がっています。
北海道の高速道路
オレンジ路線は無料、青色路線は有料。線の太い路線は4車線、細い路線は対面通行。

・旭川方面の道央道
・帯広・釧路方面の道東道
・小樽方面の札樽道、
・室蘭、函館方面への道央道


これら4つがメインで、その路線からさらに枝分かれする形で整備されています。

路線の多くは有料で、無料なのは日高自動車道や、深川留萌自動車道など一部です。また、道央道の室蘭~旭川、札樽道、日高道の一部を除き、大部分が暫定2車線の対面通行(制限速度70k/h)です。

本州と比べるとあまり整備されておらず、近年になってようやく主要な都市への路線が繋がってきました。しかし、タイトルにもあるように北海道にはこれ以上高速道路は必要ないと思います。理由は以下に述べます。

北海道高速道路はこれ以上不要である理由

1.一般道の制限速度緩和で高速化が可能
前の記事で書きましたが、北海道の一般道は道路規格が本州に比べて高く、制限速度60k/hでは低すぎる実態があります。実勢では少なくとも80k/hで流れているところが多く、道東地区では100k/hで流れているところもあるそうです。

現状の実態にあわせて一般道を制限速度70k/h-90k/h程度まで緩和すれば、それだけで高速化が可能です(ただし市街地では60k/h以下)。県道や地方道路は道路規格が低く、単に線形が良いだけのところもあり、そこを90k/hまで緩和するのはどうかと思いますが、特に国道などの幹線道路は、90k/hぐらいまで安全に走れるように設計されている路線もあります。わざわざ高い建設コストをかけて新規路線を建設する必要がないと思うのです。

2017y02m08d_210439342.jpg
ニュージーランドの郊外では制限速度100k/hまで緩和される。北海道でも90k/hぐらいまで緩和させることは可能なはず。

もっとも制限速度を緩和する際には、取締りや、反則金および免許停止の違反ゾーンをより厳しくする必要があり、+10k/h、+20k/hまでは速度を出しても良いという暗黙の了解は廃止する必要があります。

2.一般道の改良だけで高速化が可能
本州で高速道路建設が必要なのは、人口密度が高い地域が多く一般道の道路規格も低いからです。主要幹線道路である国道が集落の中を貫き、山間部を急カーブで走るような道路は、たとえ渋滞していなくても、確かに高速道路は必要でしょう。
iltupandou honsyu
本州の国道の一般的な規格はこのレベル。ここを80k/hで走行することは不可能です。場所は徳島の国道192号ですが、国道を高規格に改良するのにも無理があります。

北海道の場合、明治以降に開拓されたこともあってか、本州のような狭い道路はあまり見られません。国道は比較的道幅が広く、80k/hでも安全に走れる道路がたくさんあります。また、そうでないところでも、その道路を改良するだけで充分高規格にできる道路がたくさんあります。都市部を除けば、そこまで建物も多くないですし、道路を広げるだけの余地が十分にあるように思えます。

主要国道を改良し、制限速度を90k/hまで緩和すれば、それだけで十分に中長距離用の幹線道路として機能します。コスト面でも新しく路線を作るより、既存の路線を改良したほうがコストも安いです。
Route12ebestu.jpg
江別市と岩見沢市の間の国道12号線。これだけ高規格であれば90k/hまで緩和しても良いと思う。


3.高速道路自体採算が取れない。
本州は人口密度が高いため、国道をバイパス化して、そこに並行する有料高速道路を建設しても交通量が多くなるため、充分採算が取れます。しかし、北海道の場合、交通量の絶対数自体が少ないため、交通量は少なく料金収入は見込めません。さらに料金自体が高いので、たとえ高速道路があっても利用する人はほんの一部でしょうから、いっそう維持コストだけがかさみ、収入は増えません。

北海道の高速道路の交通量を下記に示すと以下のようになります。
北海道の高速道路(交通量)
参考:道路統計年報2015 附表2
無料区間についてはデータなし。ただし、多くの路線が1万台を下回る。

札幌近郊でも交通量は最大で1日40.000台にとどまるのみで、それ以外はほとんどが10.000台割れです。札幌近郊であればせめて70.000台位の交通量があっても良いと思うのですが、これは絶対数が少ないのと同時に、料金が高く、一方で一般道の規格がそこそこ良いため、多くの人が利用したがらないことの表れでしょう。

ここ最近建設された地方の路線にいたっては多くが1万台以下で利用されていません。そしてその道路に並行して、60k/h以上でもスムーズに走れる一般道が並行しているのですから、高速道路の利用価値はほぼゼロで、作ること自体お金の無駄と言われても仕方ありません。

ここ最近、直轄方式という地方が建設コストの一部を負担する代わりに無料になるという方式で高速道路が増えています。しかし、それをもってしても、道内の場合、建設コストに見合うだけの効果が見込めない路線が大半を占めています。地元だってそもそも高速道路を建設するのにかなりの負担を強いる必要があるわけですから、そこまでして建設する価値があるのかと思います。

たとえば、稚内の南を走る豊富バイパス、幌豊バイパスという暫定2車線の無料高速道路がありますが、これだけ人口密度の低い地域にこのような道路が必要なのか?疑問に思います。一般道を改良するだけでなんとかならなかったのでしょうか?豊富町の市街地を通過するからといっても、それならそこだけバイパスすればよいだけです。
ちなみに、豊富バイパス終点から稚内までは現道が改良されて、高規格道路として最整備されたようです。

あと、これだけ人口密度の低い地域にそもそもバイパス自体が必要なのか?という疑問もあります。こういった地域ではところどころにある小規模の集落は通過交通にとってはそれほど障害にならず、それどころか中継地点にもなるわけです。住宅街で大型トラックがスピードを出して危ないというのであれば話は別です。しかし、それも規制速度を低くして取り締まりを強化すれば解決しますよね?一方で旅行者や長距離トラックのドライバーがその町のスタンドやコンビニ、飲食店などに立ち寄ったり、宿泊施設に泊まったりするわけです。それがバイパスで通過できてしまうと、ただでさえ少ない来訪者がそのままその町を通過してしまい、かえって町を廃らせることに拍車をかけているとも考えられます。


参考動画
国道40号のバイパスが並行する旧道区間のほかの方の動画です。旧道といっても交通量は少なく、十分にスピードを出して走れる環境にあります。欧米の感覚で言えば、豊富町の市街地は50k/h規制でも郊外は完全に100k/hになるでしょう。この道の場合、バイパスを作らなくても、現道各所に追い越し車線を増設(ゆずりレーンではない)し、規制を90k/hまで解除、ところどころ民家が密集している、もしくは主要路線との交差点がある場合、左折レーン、右折レーンを作り、さらに交差点から侵入してきた車の合流車線を付け加えるだけで充分です。その車線を付け加えるだけの土地も十分にあります。


オーストラリアやニュージーランドでは比較的規模の大きい都市や町の場合や、近くに大都市があって、道路交通の絶対数が多い場合はバイパスが建設されますが、そうでない場合は市街地のど真ん中を通過するようなケースがほとんどです。
夏において、旅行者が多くなる北海道の場合、下手に高速道路やバイパスを作ってしまうと、旅行者が町に寄らなくなるため、かえって過疎化を加速させているとも考えられないでしょうか?

4.暫定2車線の高速道路を作る必要性がわからない。
仮に高速道路が無料で、片側2車線で制限速度110k/hというのであれば作る理由は納得できます。稚内から札幌まで全線片側2車線、制限速度110k/hで作って現在の移動時間を大幅に短縮させる、北海道の主要都市を片側2車線以上・100k/hで走行できる高速道路でつなぐという大義名分があれば、それはそれで良いと思います。

しかし、現在建設されているのは追い越しすら十分にできない対面通行の2車線道路で、制限速度も一般道よりも+10~20k/hしか高くない(70k/h~80k/h)バイパスのような道路です。混雑も少ない、流れも速い道内の一般道に並行して、さらに同じような道路を造ることは無駄以上の何者でもありません。

本州の場合は、対面通行でも作る必要性があるのは、一般道の道路規格が低く、とても80k/hで走れるような規格でない上に、複数の集落を狭い道路で貫き、かつカーブも多く、場所によっては混雑する区間すらあるからです。たとえば、三陸を走る三陸自動車道は石巻~仙台を除けば対面通行で計画されています。あの地域で高速が必要なのは、比較的小規模の都市が連続しており、交通量がそこそこあることと、国道45号がリアス式海岸沿いの山間部を通ること、都市は少なくても集落が連続して多いこと、現道の改良が困難なことなどが理由でしょう。あとは災害におけるダブルネットワークの必要性などもあるでしょう。三陸地域は大津波が頻繁に起きていますからね。
higasikyusyuoita.jpg
宮崎と大分の間の東九州道。ここに関しては10号線の線形があまりよくないこと、佐伯、津久見など小規模の都市が点在していること、何より北九州から大分、宮崎方面への移動時間短縮に大きな効果があることから、高速道路建設の合理性は充分あります。交通量も多いですし、4車線化を検討しても良いくらいです。

道内でも千歳から帯広までの道東自動車道は似たような理由があり、開通後は移動時間が短縮され、山間部の国道を通る必要がなくなり走りやすくなりました。それはそれで必要性があったと見てよいでしょう。

ただし、多くは対面通行の高速道路の必要性を感じない区間が多いです。たとえば、深川留萌自動車道。国道233号の改良だけでなんとかならなかったんでしょうか?

まとめ
まとめると、対面通行の高速道路を新規に建設しても、採算が取れず建設費用だけが膨れ上がるだけで意味がありません。それなら、既存の一般道を高速で走れるように制限速度を改正し、道路も改良したほうがコストも時間かからず良いと思います。

あと、新規路線を建設するくらいなら今ある高速道路の4車線化に取り組んだほうが良いと思います。道央道は函館~札幌まで断続的に4車線にする必要があるし、道東道も帯広、釧路への幹線道路として4車線化したほうが良いでしょう。ほとんど交通量のない深川留萌道や旭川紋別道も、あそこまで作ったのであれば4車線にして、高速道路本来の利便性を確保して欲しいです。同時に札幌近郊を除いてすべて無料化して、幹線道として機能させたほうが良いと思います。一方で、交通量増加の見込みもなく、かつコストだけがかさばり、並行する一般道も走りやすい、それゆえに必要性すら見いだせない区間は、仮に開通していても高速自体、廃止して現道を改良したほうが良いかもしれません。

今建設中の路線のうち、ほとんど出来てしまっている路線はそれで完成させ、残りの計画路線は本当に必要なもの以外はすべて廃止して、一般道と既存の高速道路の改良(4車線化、追い越し車線の追加、高規格化)に取り組んだほうが良いと思います。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://traffical.blog.fc2.com/tb.php/64-cf0767b8

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

hiro1100

Author:hiro1100
Hiro 1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

Youtubeチャンネル

ツイッター

スポンサードリンク

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

つぶやき