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日本の道路の問題点、海外との相違

今回は日本の道路環境、道路建設全体について書いていきます。過去の海外や日本のドライブ経験とここ最近調べた情報からわかったのは、日本の道路事情には多くの問題点があるという点です。簡単にまとめて箇条書きで書いていくと、主に6つあります。

1.実際の交通容量に対して、道路の交通キャパシティは明らかに不足しており、道路整備が遅れている。
2.合理的な交通運営がなされていない箇所が多く、理不尽で意味不明な交通ルールがまかり通っている。
3.道路整備が遅れている一方で、建設しても十分に採算・交通量が見込めない無駄な道路事業が多く存在する。
4.高速料金が不当に高く、高速道路が適切な使われ方をされていない。
5.ドライバーが走りやすいような設計になっておらず、わざと走りにくい、ストレスが溜まるような道路環境になっている。
6.道路整備の遅さ、暫定2車線→4車線、全線開通に時間をかけすぎ。


それぞれ細かく見ていこうと思います。

1.実際の交通容量に対して、道路の交通キャパシティは明らかに不足しており、道路整備が遅れている。
人口の少ない北海道や東北などを除くと、それ以外の地域は多くが交通容量を十分に賄えるだけのキャパシティを持っていません。日本全土を高速道路が走っているし、一般道の舗装もほぼ完全だしまだ足りないのか?と言われそうですが、それでもです。

わかりやすく説明すると、以下の点があります。
A.人口、自動車の交通量に対して、対面通行の道路が多く多車線道路が少ない。また、交通量が多く片側3車線は必要なところでも、片側2車線やそれ以下の道路が多い。
B.一部地域ではバイパスすら建設されておらず、集落を通る道路が深刻な交通渋滞を引き起こしている。
C.信号のない高規格道路が圧倒的に少ない。


という点があります。

Aはたとえば、静岡県内の国道1号のバイパスがあげられますね。ここ最近は改良が進みましたが、交通量が多いにもかかわらず、多くが対面通行の道路で片側2車線以上になっていません。そのため、時間帯を問わず対面通行の区間では深刻な交通渋滞を引き起こしています。

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藤枝バイパスは対面通行になる部分から渋滞が激しい。

もう1つ例を挙げると、名古屋の東名阪や東名高速道路があげられます。日本の高速道路整備は、車線の少ない道路が好きなようで、たとえ大都市近郊の交通量の多い道路でも片側2車線で整備するのが普通のようです。名古屋は近郊も含めれば約900万人の人口が住む日本第3の大都市圏、世界的に見てもシカゴやロンドンなどの有名大都市と同じくらいですから、幹線高速道路が3車線以上あっても不思議ではないです。
実際交通量も片側2車線ではさばききれない交通量があり渋滞も頻発していますが、部分的に付加車線をつけるだけで全体を拡張する気配はありません。

meishin itinomiya
1日9万台が走る名神の一宮付近。渋滞のメッカ。

Bは地域により異なるも、未だに旧街道として整備された国道や昭和に整備された道路が国道として機能しており、高規格で走りやすいバイパスが整備されていないという点です。

いくつか例を挙げると、長野の国道18号や、茨城の国道6号、神奈川の国道246号などがあります。いずれも片側1車線で市街地や集落を通り、バイパスが未整備もしくは部分開通の区間が多いです。また、そのせいで住宅地などの市街地を通過交通が通らざるを得ない状況にあり、交通環境の悪化や渋滞の深刻化を招いています。
もっとも、かつての交通戦争と呼ばれた時代に比べれば、随分と改善されてきたのでしょうが、それでもバイパスが整備されていない箇所が多い上に、そのバイパスも一向に建設される気配がない区間が多いのが実情です。

Route18 nagano
長野の国道18号線。大部分が対面通行で集落を走る道路で幹線道路としては情けない。

Cは、特に首都圏に当てはまります。自動車が走りやすい信号のない高規格な道路が少ないため、通過交通も市街地の信号が多い道路や、一般道を通らざるを得ず、深刻な渋滞や環境悪化を招いています。またバイパスであっても、信号が多く頻繁に赤信号で停めるような連動をしている道路が多く、本来持っている高速化、スムーズ化のバイパスの機能を半減させている道路が存在します。


2.合理的な交通運営がなされていない箇所が多く、理不尽で意味不明な交通ルールがまかり通っている。

これは以下のような例があげられます。

・理不尽に規制速度を低くして実勢速度を全く考慮していない点。
・特に危険でない箇所を一時停止にしている点、危険でない場所に信号機を設置する点。言い換えると信号が多すぎる点。
・ラウンドアバウトやハンプなどの他国で採用されている合理的な交通システムの設置には消極的なこと。
・対面通行で交通量の多い道路で追い越しレーンを設置せず、ゆずりレーンなどという国際基準から大きくかけ離れたものを設置すること。
・踏切に一時停止を設けること。
・一方で、本当に危険な場所に信号や一時停止がなかったり、事故を起こしやすいような構造になっていること。
・わざと渋滞しやすいような道路にしていること。
・キープレフトと言いながら、左車線を減少させて、多くの車に中央、右の車線を走らせるような構造。
・すべてのケースにおいて歩行者と車では車側が悪くなること。(ケースによっては歩行者側が悪いケースもあり得る。)

例をあげれば枚挙にいとまがありません。

これらは、戦後に設定した道路交通法が今でもそのままで時代遅れになっているケースや、合理性がないにも関わらず真剣に検討せずそのままになっているもの、安全運転の向上などと大義名分で変わっていないものなどがあります。

たとえば、踏切の一時停止義務は日本だけのルールで、世界的に見ればガラパゴスです。すぐに変えるべきだと思うのですが、一向に変わる気配はありません。

Route1.jpg
低すぎる規制速度。場所は三重県亀山市の国道1号、規制速度は50キロだが設計速度は80キロ。

3.道路整備が遅れている一方で、建設しても十分に採算、交通量が見込めない無駄な道路事情が多く存在する。
その地域の建設会社を潤わせたいため、もしくは市や町の強い要望、言い換えれば利権がらみで建設が進んでいる道路です。
利権が絡んでいても、その道路が本当に必要であればまだ良いんですよ。しかし、伊勢湾口大橋などの海峡プロジェクトや、豊橋三ケ日道路、厚木秦野道路などのような、別になくても問題ない場所、周辺道路の改良や並行する高速道路の料金調整、無料化などで対処できそうな場所でも無理やり新規道路を建設している事業が多く見られます。道路に事業に限らず、無駄なハコモノを作ったり、第二青函トンネルを造るなどという事業も無駄な事業ですよね。

一方で、即急に整備が必要な路線、たとえば広島の東広島バイパスや長年放置されてようやく建設が開始された東京外環道などが未だにできておらず、必要な道路は造らずにいらない道路ばかり造るというアンバランスな状況になっているのが実情です。

参考1:厚木秦野道路は必要なのか?当サイトの記事より。
新東名や東名、小田原厚木道路があるにもかかわらず、さらに有料道路を造る事業ですが、素人が見てもこの区間の必要性には疑問を抱く。

参考2:豊橋三ケ日道路の資料
ここは豊川ICに接する国道151号を高規格に改良して名豊国道に接続すればよく、わざわざ新規道路を建設する必要はない。資料では40分から31分の短縮と書いてありますが、たったの9分しかない。


4.高速料金が不当に高く、適切な使われ方をされていない。
日本における異常なほど高い高速料金、100キロ走っただけでも3000円取られるような高速道路はボッタクリ、移動妨害以外の何者でもありません。このせいで、本来高速を利用する車が市街地を通る一般道を利用するため、交通渋滞がひどくなり、そこをさらに並行してバイパスを造るという二重三重の道路構造になってしまっています。

ひどいケースだと、無料の一般道は混雑しているのに高速道路はガラガラというケースもあります。

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大宰府ICから門司ICまでを利用したときの料金。100キロも走っていないのに2250円も取られる。


5.ドライバーが走りやすいような設計になっておらず、わざと走りにくい、ストレスが溜まるような道路環境になっている。交通工学を無視した設計。

前述した信号のつなぎの悪さや、ゆずり車線なども該当しますね。ゆずり車線は本来であれば、速度を出す速い車が追い越す追い越しレーンにした方が良いのですが、遅い車がわざわざ減速して左に避けて、さらに車線減少後に戻らなければならないという、低速車に負担をかける構造になっています。

このほか、ラウンドアバウトに一時停止を設けたり、高速道路においてレーンごとにどの方向へ行くのか細かい案内標識がなかったり、案内表示が醜く見過ごしてしまうような位置にあったり、わかりにくい道路標識、予告もせずに急にレーンが減少したりするような欠陥構造も多く見られます。安全運転などと言いながら、安全に運転できない、ドライバーの神経を逆撫でさせるような構造が多いということです。

おそらく日本で一番運転しにくいであろう旭川市にあるロータリ。ラウンドアバウトではないので環状交差点のルールは適用されない。赤信号でも進んでよい、40号線が優先など非常にわかりにくく、事故を誘発する構造になっている。


6.道路整備の遅さ、暫定2車線→4車線、全線開通に時間をかけすぎ。

たとえばこちらの記事です。
上武道路が全線開通 半世紀かけ前橋-熊谷40.5キロ


全線開通に半世紀という記事ですが、たかが40キロの道路で半世紀も前に計画した道路がまだ全通していなかったのか、しかも暫定開通で4車線ですらなかったのか?と言いたくなります。

交通渋滞が醜く、即急にバイパスを造った方が良い道路でも、10年たっても建設途中というこの道路整備の遅さはやる気がないとしか言いようがありません。まあ、だからといって新東名のように車線数を減らしたり、高架を平面交差にして工期を短縮するのも問題です。時間をかけずに効果的に道路建設ができないのか?と思います。


まとめ
今後は新しい道路を造ることよりも、これら問題を解決する方が重要になって来るでしょう。
しかし、これら問題は、国や自治体側の道路整備の取り組み方に問題があるとしか思えません。交通工学の専門家の意見を聞かず、合理的な道路運営をやろうとしない、利権がらみで本当にドライバーの側に立った道路整備をしようとしない。変えようと思っても、それを頑なに拒む頭の固い国や地方の政治家、官僚など、国や地方自治体などの問題です。

これは道路整備に限った話ではありませんが、要するに、上が変わらないことには、今後も変わることはないのではないかと思います。しかし、日本の道路は決して遅れているわけではなく、途上国に比べれば十分整備がされています。それがうまく運用されていないだけです。欧米のようにもう少し合理的な道路整備がなされるようになれば、日本の道路環境はかなり良くなると思います。
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プロフィール

hiro1100

Author:hiro1100
Hiro 1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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