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名阪国道の問題について考える。速度超過・事故多発

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名阪国道は名古屋と大阪を結ぶ幹線国道のうち、亀山から天理までの国道25号、約73kmの道路名称です。この区間は国道でありながら、信号がなく自動車専用道路として全線が片側2車線、立体交差で整備されています。両端で西名阪、東名阪自動車道と接続しており、高速道路としての機能も有しており、名阪間の長距離移動で多くの車に使われます。
一方で、伊賀市を通過することと、区間内に多数のインターチェンジがあるため、短距離移動でも使われることが多く、この地域の幹線道路としても機能しています。

さらに、この道路は無料であり、両端の高速道路を利用しても名神や新名神を利用するよりも安い料金で名古屋大阪間を移動することができます。
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上記比較を見ても、かなり安い料金で移動できるのがわかると思います。このような状況ゆえに、交通量は非常に多く自動車がひっきなりに走っているのが特徴です。

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名阪国道の交通量  2015年
引用:平成27年度道路交通センサスより


とても魅力的な道路ではあるのですが、その一方で多くの問題を抱えています。もともと高速道ではなく国道として整備されたため、最高速度が60-70k/hに指定されています。また、道路規格も高速道路のように100k/hで安全に走れる設計ではできておらず、アップダウンやカーブが多いうえに、インター合流車線なども高速道路と比べて短い構造になっています。

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名阪国道の中でもっともアップダウン、カーブの激しいΩカーブ

しかし、それにもかかわらず、高速道路のような道路で両端が高速道路で接続していることもあって、制限速度を大幅に超えて、80k-100k、場合によってはそれ以上の速度で走る車が多く見受けられます。その一方で制限速度通りに走る車もいて、車ごとの速度差が非常に大きい道路でもあります。追い越し車線で煽る車が多いことでも知られ、速度に起因する交通事故が多い道路でもあります。
そのため、全国の自動車専用道路10kmあたりの死亡事故発生件数ではワースト1、日本で最も事故の多い道路でもあります。

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高速道路10km当たりの死亡事故発生件数(平成24年度) 出典:警察庁交通局


つまり問題は、高速道路ほどの高規格な道路でないにもかかわらずスピード超過で走る車が多く、煽り運転危険運転が多く、交通事故が多いということです。

どうして速度超過する車が多いのか?

名阪を走るドライバーの一部は高速道路料金を節約するために走っています。三重から大阪、和歌山方面へ行く場合、名神・新名神と名阪ルートの2つがありますが、有料の場合、ルートの一部が大都市近郊区間にかかり、料金が割高になります。しかし、後者は一部が無料で有料区間を挟んでも料金が安いです。それが理由で、名阪を利用する人が多いのでしょう。さらに移動時間も短縮するために高速道路と同じ速度で走ろうして、結果的に速度超過する車が多くなったのではないかと思われます。
移動時間も短くできて、高速料金も安くできればこんなに良いことはありませんからね。

名阪国道の区間ごとの平均旅行速度、および規制速度一覧

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引用:平成27年度道路交通センサスより
名阪国道全体としては81~82k/hで走るのが平均的な旅行速度になります。。ただし、これはあくまで平均であって、下は60k/h、上はおそらく100k/hぐらいまで走る車がいる計算になるでしょう。


これは、長野県における木曽高速の状況に似ています。高速料金を浮かして、さらに移動時間も短縮させようとスピードを出すのですね。ただし、木曽高速と違うのは、名阪国道自体が高速道路のような道路のため、普通のドライバーも規制速度や道路規格を無視して高速で走ろうとする人が多いのでしょう。
また、速度超過が日常的になっており、制限速度で走ること自体が危険とか、流れに乗るようにするとか、速度超過で走らない方がおかしい的な噂もでてきており、それが余計に拍車をかけているとも言えます。

単純にドライバーのマナーの問題に起因する部分もあります。関西をはじめ三重、名古屋などこれら地域のドライバーは運転マナーが悪いことで知られていますが、実際、かなり危険な運転をする車も少なくありません。尊法意識が低いのも問題でしょう。


道路の構造的問題、高速道路ではない高速道路
しかし、一番問題なのは道路の構造的問題でしょう。なぜ高速道路でない中途半端な形で造ったのか?ということです。これが普通の高速道路と同じ規格で建設され、有料であればこのような問題は起きなかったでしょう。また、この道路沿線には高速道路がなく、実質この道路が高速道路のような役割を担っています。いくら、制限速度60k/hの看板を掲げ、「一般道です」という標識をつけても、規制速度はそもそも機能していないし、一般道といっても看板が高速と同じ緑色だし、信号もなくすべてが立体交差なわけで、さらに周りが高速道路と同じ感覚で走っているとすれば、もうそれは高速道路として理解されても仕方がありません。

つまり、普通に高速道路として建設すればよいものを、中途半端に無料の自動車専用道路にして、さらに両端で高速道路と接続して、高速道路の一部であるかのような道路構造にしたのがそもそもの原因です。

そこにドライバーのマナーの問題も絡んでよりひどくなったのでしょう。

建設の経緯についてはWikipediaにかかれており、1000日で完成させることを目標としていた点や、当初から無料道路として建設する予定で、事業費が増えるなどの問題から有料道路に変更ができなかった点などがあります。しかし、中途半端な道路設計で建設すれば、何かしら問題が生じることは少なからず予想できたはずです。結果論として、その当時よく考えずに短期間で無理や建設したツケがでてきているということですね。
参考文献:ウィキペディア;名阪国道

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パッとみて、これが一般道だと思う人はいないでしょう。


取り締まり強化などの対策
名阪国道は、上記のように速度違反が問題になっているため、取り締まりを強化しているとのことですが、その一方でオービスはほとんど機能していないなどという話も聞きます。

免停ゾーンを超える速度違反が日常的になっているということは、つまり、オービスがちゃんと作動していないということですよね。取り締まりの問題については改めて考えていこうと思いますが、基本的にオービスが24時間ちゃんと作動していれば、それだけで十分効果があるし、速度を抑える車が増えるはずです。

また、別記事で述べていますが、規制速度の見直し、および速度超過をした際の反則金や罰則の強化、煽り運転などの危険運転に対する罰則の強化も必要だと思います。

名阪国道の場合、制限速度を80k/hにしたうえで、Ωカーブなどの危険な箇所は60-70k/hにする。また、合流車線を長くしたり、路肩を拡張したりなどの安全対策が必要だと思います。

ただし、取り締まり強化や法規制の強化だけでは不十分だと思います。というのも、名阪が高速道路でないにも関わらず、高速道路としての機能を有する以上、スピードを出す車は減らないし、危険な状態は続くと思うのです。オービスのあるところで速度を落として、ないところでスピードを出す器用な車もいますからね。

これに関しては、今後2024年までに全通する新名神や、第二京阪などを活用する方法を提案します。上記の四日市~堺の例では、名阪と新名神・第二京阪経由とでは、移動距離と所要時間に大きな差があるわけではありません。しかし、名阪の方が安いから利用する人が多いわけで、高速料金を調整してどちらを利用しても料金がほとんど変わらないようにすれば、名阪を利用する車が少なからず新名神へシフトするでしょう。新名神や第二京阪などは名阪に比べると、そこまで危険な道路ではないですし、制限速度も高めですから、走りやすい道路にシフトさせた方が交通量が減り安全性が高まるのは明らかです。これに関しては長くなるので次回に続きます。
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コメント

[C100] 料金調整やオービス設置などについて

個人的には西名阪道の値上げと第二京阪道路及び京滋バイパス、京奈和自動車道の値下げを行えば名阪国道の交通量は減ると思います。
特に奈良市内や大阪泉州なら新名神の方が所要時間が短いから料金調整は効果あります。
名阪国道だけでなく神奈川県の保土ヶ谷バイパスも事故が多いから横浜北線の全通すれば保土ヶ谷バイパスから横浜北線にシフトすると思います。
しかし、名阪国道を抱える三重と保土ヶ谷バイパスを抱える神奈川は全国でも大きな事故が多い。
神奈川県は酷い渋滞は殆ど事故絡みが多いから余計に。
ただ、新4号と東北道だと新4号の方が走りやすくて無料だから立体化と6車線化を進めればこちらは東北道より走りやすいと思います。

取り締まりの件ですが移動式オービスを行うのは効果的だし、ロシアの場合、日本や欧米では非合法な取り締まり、即ち看板や見えない場所での後ろから撮影して取り締まり事で割り込み以外の交通マナーを向上した経緯があります。
ロシアは郊外は走りやすいが都市部では割り込みマナーが悪く、全体的に道路事情も劣悪だから渋滞が酷い。
だからこの取り締まりはアリかと思います。

反対にフランスは警官の取り締まり緩いし、違反車両を逃す失態犯す、パリなどの一部都市は渋滞とバイクすり抜けが酷い、警察車両が犯人に盗まれるから警官は舐められて交通マナーが酷い。
だからテロや車両が歩行者に突っ込む事件が多いと感じる。

そう考えると看板の後ろにオービスは凄く効果的かもしれない。

[C101] Re: 料金調整やオービス設置などについて

料金調整はまさにおっしゃる通り、第二京阪や新名神ルートの値下げです。2024年以降は新名神が繋がりますから、京滋バイパス方面の料金調整は不要になるでしょう。
ただし、値上げに関してはリスクがあると思います。西名阪経由が新名神経由と同料金になろうものなら、交通量が新名神へシフトするどころか、一般道に交通量がシフトするでしょう。例えば、大阪や奈良方面なら伊賀市から国道163号へ。和歌山方面なら京奈和道から国道370号へ。何とか料金を安くしようとして、裏の道を使うようになると思います。これについては次の記事で書きます。

神奈川の道路事情は名阪が終わってから、研究、執筆していきます。一言でいえば、高規格道路を充実させる必要がありますね。

非合法の取り締まり、見えない場所での取り締まりは効果があるでしょう。非合法はあまり賛同できませんが、明らかにここで取り締まりしていますよーというアピールをしていたら、その場所だけ速度を落とすだけで意味がないです。そういう意味で移動式オービスや見えない場所からのオービスは効果があるでしょう。

速度超過をしたら、どんなに裏をかいても取り締まられるという状況ができれば、名阪国道を100k/hやそれ以上の速度で飛ばす車は減ると思います。
  • 2017-06-21 18:20
  • hiro1100
  • URL
  • 編集

[C102] 京奈和自動車道が必要になる。

最も西名阪道の値上げに必須なのは京奈和自動車道を新名神〜西名阪道に開通させる事です。
京奈和自動車道の大部分は無料になるから、新名神に幾分か移行できます。
但し、京奈和自動車道の新名神〜西名阪道の間は4車線化は必須です。
後は値上げじゃないが西名阪道を距離別に変えるのも手だと思います。
遠距離は高く、近距離は安くする事で全線利用を減らす代わりに短距離の利便性を上げるやり方です。
これなら一般道シフトも減るし、何よりも近距離利用に特化出来ると思います。

ただ、高速道路全般に言えますが中型以上の通行料は値下げ、軽自動車の通行料は値上げした方が良いと思います。(普通車は現行通り)
中型以上を高速重視、軽自動車は基本的に一般道で走った方が渋滞を減らす事が出来るからです。
正直、高速道路を走る軽自動車は怖いし、事故渋滞を作る要因にもなるから、あまり高速で走って欲しくないです。

後、平日は中型以上には料金上限をかけておく事で大型車などは大都市近郊区間や都市高速などを除き、高額な通行料を徴収しないのもありだと思う。
上限は2000円〜4000円が良いかと思います。

それとオービスは看板の他、標識の裏、信号機の後ろあたりはすごく有効かと思います。
最もアメリカだと見えない取り締まりをやると裁判で訴えられるから出来ないが他の国なら割と可能だと思います。

[C103] Re: 京奈和自動車道が必要になる。

名阪の続きの記事を書きました。

京奈和道については、名阪との関連性が深いと思われますが、いかにせん部分開通ですべて開通していないため、なんともいえません。奈良盆地の京奈和道が全通すれば、交通の流動の変化が期待できると思います。
  • 2017-06-24 09:48
  • hiro1100
  • URL
  • 編集

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プロフィール

Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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