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名阪国道の問題の根本的解決策を考える。新名神の活用

前回では、名阪国道の問題に関する提起を行いました。名阪国道は一般国道のバイパスと同じ規格で建設されたにもかかわらず、まるで高速道路のような道路のため、速度超過で走る車が多く、それに起因した交通事故が多いです。その対策の1つとして適切な規制速度の設定、速度超過や危険運転に対する罰則の強化、取り締まり強化などあげました。しかし、それだけでは不十分なので、今回はより本質的な部分について書いていこうと思います。


新名神・第二京阪などへ名阪国道利用者を誘導させる。
個人的な提案としては、これが一番本質的な部分に踏みこんだ解決策だと思います。。

前回、四日市~堺の高速道路ルートを比較してみましたが、もう一度見てみましょう。
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名阪国道は、名古屋大阪間の移動においては選択肢の1つであり、上記のように名阪国道を利用せずとも名古屋、三重方面から大阪市、大阪南部、和歌山方面へ移動するルートが確立されています。新名神や第二京阪を利用すると、移動時間は名阪に比べると15分短縮されます。移動距離は10㎞程度の差です。普通に考えれば、時間がかかり低規格の名阪を利用するより、新名神・第二京阪ルートを使った方が良いのは明白でしょう。しかし、それでも名阪を選択する人が少なくないのは、名阪の方が料金が安いからでしょう。

もし、この料金が同じだとすれば、名阪国道を利用する人の多くが、新名神ルートへ流れるはずです。2024年に新名神の大津~八幡間が開通し第二京阪まで行けますが、そうなれば、途中の名神、京滋バイパスを通る必要もなくなく、さらに距離が短縮され、移動時間も短くなるでしょう。

つまり、ここで言いたいことは、高速道路料金調整を行うことです。名阪とその他の複数選択がある場合は、その他のルートを使っても名阪と変わらないようにする。亀山JCTから松原JCTまでの部分がどのルートを使っても同じ料金にすれば良いということです。

新名神は言うまでもありませんが、第二京阪や近畿道は6車線あるし、名阪国道に比べればはるかに道路規格も高いです。高速で安全に走れるのはいうまでもありません。しかし、名阪国道は危険な箇所が多く、100k/hで走ると危ないです。料金が同じだとすれば、どちらを利用するでしょうか?普通に考えれば前者になるでしょう?

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第二京阪は国道1号のバイパスですが、6車線で名阪国道よりも快適で走りやすい。


新名神・第二京阪ルートの問題点
もっともいくつか問題点もあります。上記の四日市IC~堺IC間の例を取り上げると、新名神ルートの場合、JCTが複数あるので、合流や分岐が多いという点です。東名阪→新名神→名神→京滋バイパス→第二京阪→近畿道といった形で複数のJCTを経由しています。2024年以降は、第二京阪まで新名神で行けるので良いですが、それでも複数あります。一方で名阪国道は、松原JCTから大阪・和歌山に行くにせよ、そのJCT1つだけなので単純明快でわかりやすいです。これは京都付近の京滋バイパスと名神高速の構図と似ています。京都付近はルートが2つありますが、大山崎JCTのJCTが嫌であるとか、休憩施設が京滋バイパスにはないとかで、交通量が分散していない状況があります。要するに、料金が同じになったとしても、1本でわかりやすい名阪国道を選ぶ人が多いのではないか?ということですね。

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JCTでの合流や複雑な分岐などを好まない人は少なくないはず。


もう1つの問題点としては、シフトした交通量による渋滞悪化の懸念です。交通量がシフトすれば、名阪や西名阪の交通量は減るでしょう。しかし、新名神や第二京阪の交通量は増加します。第二京阪や新名神は、そこまで交通量が圧迫していませんが、近畿道の交通量が平均して1日当たり10万台を超えており、第二京阪ルートにシフトした車の交通量増加で、門真~松原の渋滞がひどくならないか?ということです。


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新名神・第二京阪・近畿道の交通量の推移(平成27年交通量センサス

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大阪の近畿自動車道。第二京阪開通後に交通量が増加しました。第二京阪ルートに交通量が誘導されれば、これ以上に混雑する可能性があります。

もっとも、近畿道の混雑は東大阪での阪神高速との接続や、並行する大阪中央環状との関連性もあります。特に第二京阪から大阪市内の阪神高速が延伸すれば、状況は変わってくるでしょう。


名阪国道沿線、もしくは西名阪沿線を起終点とする場合は、名阪国道を走行し続ける必要があり通過交通がすべてシフトするのは無理でしょう。しかし、長距離の通過交通はシフトし、名阪はローカルの移動が主体になります。

料金を値上げするか?値下げするか?
料金調整を行う場合、名阪国道経由の料金水準まで下げるのか?有料ルートの料金水準にまで上げるか?それとも、中間の値を新たに設定するのか?主に3つあります。

ただし、料金の値上げについては賛成できません。値上げをすると、一般道に交通量がシフトする恐れがあるからです。

名阪国道を利用するドライバーは、料金が安いから利用する人が多いのでこれが高くなれば利用する人は減ります。ただし、有料道路の方へシフトするかというと、そうはならないでしょう。できる限り料金を節約するために、部分的に名阪国道を利用して途中から無料である一般道を利用するようになるでしょう。

例えば、亀山市から伊賀市まで名阪を利用し、そこから大阪方面へは国道163号を利用するようになるでしょう。大阪市まで国道163号で行けば料金は0円ですからね。他のルートにせよ、有料道路を回避して料金を安くするルートは探せばいくらでもでてきます。

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高速料金の値上げは、かえってこのような一般道に通過交通を誘導させてしまい逆効果。

そうなると、名阪経由と同じ安いルートで移動できるようにするか、安くもなく高くもない料金設定にするかのどちらかが調整案としては良いでしょう。

和歌山方面の京奈和自動車道と名阪国道
なお、和歌山方面へ向かう場合、名阪・京奈和自動車道を利用するルートと阪和道の有料道路を利用するルートがあります。
京奈和道と名阪は共に無料なので亀山~和歌山間を利用するとほとんど料金がかかりません。そのため、和歌山方面へ向かう車は、引き続き名阪国道を利用する人が多いでしょう。

ただし、京奈和道は今のところ部分開通であり、全て繋がっていません。特に橿原市で平面交差がありここで渋滞することが多いため、ルート候補としては微妙です。また、京奈和道は対面通行であり、名阪と異なり前の車が低速で走っていれば速度が出せません。よって、名阪国道ほど無料であることのメリットは享受できません。それほど意識する必要はないと思います。

奈良方面はどちらを利用するか?
奈良市やその周辺が目的地、出発地の場合、名阪にするか?それ以外にするか?微妙なところです。もっとも、現在では名阪国道を利用するのが一番でしょう。

2017年に新名神の一部が京奈和道と接続したため、奈良市へ高速道路で移動することが可能になりました。2024年に新名神が全線開通し、奈良県の京奈和道がさらに繋がれば、さらにルート候補としての可能性が広がってきます。京奈和道の建設も間接的に名阪国道と関連していると考えると、今後は合わせて考慮していく必要がありそうです。


新名神の可能性と有効活用
このように新名神を利用するルートの料金調整を行うことで、名阪を利用する車をより高規格で走りやすい、スピードを出してもよい道路へシフトさせることが可能です。結果的に、名阪国道は交通量の絶対数が減るので、まず確実に交通事故件数は減少するでしょう。また、スピードを出す車はより高規格な道路へ誘導させられるので、速度超過をする車も減少すると思われます。もっとも、完全に減少するわけではないので、そこは取り締まりを強化して厳しくしていく必要があるでしょう。

このようにみていくと、新名神高速道路はただの名神高速のバイパスではなく、東名阪・名阪、西名阪、さらには京滋バイパス、第二京阪などのバイパス的機能も有しており、複数の高速道路と深いつながりがあることがわかります。

結論としては、いかに名阪国道の自動車を新名神へ誘導させるか?という点が重要だと思います。



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コメント

[C105] Re: 八幡京田辺JCTまでは6車線にした方が良い。

新名神>
本来であれば、それが理想的だと僕も思います。ただコスト削減で四日市JCTから亀山西JCTはトンネルも道路幅も4車線で造られると思うので、新東名の愛知県区間のように拡張は難しいのではないかと思います。大津JCTから八幡京田辺JCT間も同様です。一方で2008年に開通した亀山西JCT~大津JCTはトンネルも道路も6車線幅が確保されているので、こちらは6車線にできると思います。

京奈和自動車道・第二京阪>
京奈和道はより便利になれば、名阪を利用する車のうち、奈良市方面へ行く車はシフトする可能性があると思います。
あと第二京阪のPAですが、今でも交通量は十分ですがもう少し交通量が増えればコンビニか何かできるかもしれませんね。
名阪の大替ルートして確立すれば、よりいっそう利用さが増えることは間違いないでしょう。

京滋バイパスの無料化>
ああ、確かに新名神ができれば京滋バイパスへ走る車も減少しますよね。ここは名神とダブルネットワークになっているので無料化は無理かと思いましたが、京滋バイパスから京都市内へのアクセスがより便利になれば、通過交通だけでなく、中心部へアクセス車もそちらへ流れるだろうと思われます。あとは亀岡方面へ走る車も考慮して、京都縦貫道とあわせて無料にする方向性もありだと思います。
  • 2017-06-30 09:51
  • hiro1100
  • URL
  • 編集

[C104] 八幡京田辺JCTまでは6車線にした方が良い。

名阪国道の車を新名神に移行させるにはこれらに加えて四日市JCT〜八幡京田辺JCTまで6車線にする必要があると思います。
せっかくの線形を台無しにしない為に敢えて6車線にすれば問題ないと思います。
また、城陽JCTと接続する京奈和自動車道は奈良市内への時間短縮になるから城陽JCT〜木津ICは4車線化ともう1箇所の休憩所が必要だと思います。
後は第二京阪道路を思い切って値下げすれば名阪国道の車が第二京阪道路などに移行すると思われます。
或いは第二京阪道路と近畿自動車道を両方走っても同じ料金にするなどの方法もあり得ます。
余談だが、第二京阪道路にある京田辺PAと八尾PA(吹田方面のみ)コンビニ的な施設は必要だと思います。
大都市の休憩所でありながらトイレだけでは使わない車も存在するので、安全面でも入れた方が良いと思います。
そして新名神城陽JCT〜大津JCT開通後は京滋バイパスの区間の内、瀬田東IC〜久御山JCTは無料化しても問題ありません。
何故ならこの区間の京滋バイパスの車は新名神にシフトするのでこの区間は無料でも問題なく、国道1号などの渋滞緩和に貢献するからです。
同時に京都市街地に車を入らせない施策にもなります。

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Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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