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日本海東北道・秋田自動車道 E7について考える【交通量の少ない高速道路】

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今回は新潟市から秋田市を結ぶ日本海東北自動車道秋田自動車道のうち、河辺JCTから小坂JCTまでの区間について考えていきます。この区間はほぼ全区間にわたって国道7号に並行する区間でもあり、ナンバリングではE7が振られています。

ちなみに、個人的には、このナンバリングに関しては異論はないのですが、E7区間の名称は日本海東北道に統一した方が良いと思います。単純にE7=日本海東北道とした方がわかりやすいからですね。

道路名称だと2つの路線を上げなければならないので面倒ですが、要するに新潟市から小坂町までの高速道路のE7号線について考えていこうということです。

日本海東北道・秋田自動車道の特徴・開通区間など
この路線は、国道7号に並行すると同時にほぼ日本海側を走る高速道路です。

現在日本海東北道は、新潟中央JCT~朝日まほろばIC(新潟市~村上市)・あつみ温泉IC~酒田みなとIC(鶴岡市~酒田市)・象潟IC~河辺JCT(にかほ市~秋田市)までの約184kmが開通しています。全長が約250kmですから日沿道は約7割が開通していることになります。
秋田自動車道の河辺JCT以北は、河辺JCT~二ツ井白神IC(秋田市~能代市)・鷹巣IC~小坂JCT(北あきた市~小坂町)の区間の約118kmが開通しています。全長はちょっとわかりませんが、開通していないのは二ツ井白神IC~鷹巣IC間だけなので、秋田道は8割型完成していると考えてよいでしょう。

ちなみに、二ツ井白神IC~鷹巣IC間は新規路線建設ではなく、国道と県道のバイパスを自動車専用道路に改良するようです。具体的には国道7号の二ツ井バイパスと秋田県道325号の部分を自動車専用道路にするのですね。そうなると、完成するまでにそんなに時間はかからないので、数年以内に河辺JCT~小坂JCT間も繋がるでしょう。
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現道を改良する予定の国道7号の二ツ井バイパス区間。自動車専用道路の規格に変更し、信号も撤去する方向性で進めている
参考記事:日本海沿岸東北自動車道(日沿道)(少し古い記事になります。)



有料区間は新潟中央JCT~荒川胎内IC・鶴岡JCT~酒田みなとIC・岩城IC~河辺JCT・河辺JCT~八竜ICの区間です。それ以外は無料となっています。ただし、これら道路はいずれも大部分が暫定2車線(対面通行)で4車線なのはほんの一部です。全通しても全線4車線化となると、まだかなり先になりそうです。
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対面通行の日本海東北自動車道

新潟~青森間に高速道路は必要か?
日本海東北道・秋田道ですが、日本の国土を縦断する路線としての重要性はそれほど低くありません。なぜなら、並行する国道の番号も7号という若い番号が振られていますし、日本海側を縦断する高速道路の1つとして機能しうる道路からです。新潟から青森まで高速道路が続いていてもおかしくはないし、むしろ早い時期に建設されていてもおかしくなかった路線でしょう。にもかかわらず、2017年になっても全線開通はしていません。

本当に必要性があれば中央道や北陸道のように90年代までにはちゃんとした形できていたと思いますが、未だに全線が開通していないということは、今まで必要性の薄い道路として見られていたということでしょう。

必要性が低い理由を上げてみる
一番の理由としては「交通量が見込めない」というのがあるでしょう。並行する国道7号線は、都市部にいけば交通量は増えますが、それでも大都市圏や太平洋側の地域に比べると、そんなにひどいレベルではありません。

都市を外れれば、交通量が少なく快走できる区間もあります。例えば、新潟と山形の県境当たりは交通量がほぼない状態になります。この区間の車の平均速度は約54km/hだそうです。かなり高い数値ですね。
それ以外の地域も差はあれどそんな感じで、それを踏まえると、わざわざ高規格の道路を建設する必要はないと考えてもよいでしょう。
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交通量がほとんどない新潟県村上市の郊外。
参考記事:新潟⇔青森 日本海東北道VS磐越道 比較(移動時間や旅行平均速度が載っています。)

また、他の地域に比べて人口が少ないというのも理由にあると思います。
比較すると、同じ東北地方を縦断する東北自動車道沿線は比較的都市が多く、高速道路を利用する車も一定数ありますが、それでも渋滞が発生するレベルでもないし、流れが滞るようなこともありません。特に岩手より北は、交通量が1日3万台を割り込み、北に行くにつれて交通量が減少します。

この沿線はその東北道沿線よりもさらに人口が少ないですから、有料高速道路を建設しても、1日数千台しか利用しないような赤字路線になることは確実です。

これらを考えると、沿線に高速道路は必要ないと考えられてもおかしくありません。

沿線にある都市を見る
しかし、それほど人口希薄地帯を通るわけではありません。新潟市は比較的大きい都市ですし、鶴岡市・酒田市も10万都市で2つの都市圏を合わせればそこそこの規模になります。秋田市も県庁所在地で大きいですし、それ以外にも新発田市・村上市・由利本荘市・能代市・大舘市と小規模の都市が多くあります。
R-7-3.jpg
酒田市内の国道7号線。片側2車線で交通量は多い。

沿線に中規模の都市があり、適度に小規模の都市がいくつあるので、むしろ人口密度はそんなに低くないと考えてもよいと思います。海外との比較で考えると、例えばニュージーランドとかオーストラリアとかの感覚でいえば、人口密集地帯といえるし、向こうだったら、4車線の高速道路が建設されるレベルです。

実際の交通量はどれくらいか?
日本海東北自動車道秋田自動車道の交通量の推移
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出典:平成22年交通センサス(国土交通省)平成27年交通センサス(国土交通省)
青は有料区間、オレンジは無料区間。


上記を見ると、2015年の調査では、2万台を超えている区間はありません。ただし、無料区間を中心として1万台を超えている区間がいくつかみられます。また2010年では秋田中央IC~八竜IC間、日本海東北道全区間が無料で通行できたため、交通量が増大しています。新潟地区とか2万台超えてますし、秋田~能代も1万台超えで交通量多いですよね。

ちなみに、これはまだ全通していない状態での交通量なので、全線が開通すれば更に交通量も増えてくるはずです。庄内地区は有料ですが、新潟と秋田間が繋がれば交通量が1万台を超える可能性はあります。秋田の大舘近辺も全線が繋がれば1万台を超える可能性はあるでしょう。
これに加えて、更に全線が無料で通行できれば、さらに交通量が増えるでしょう。

つまり、まとめると無料の高速道路として建設していれば4車線規格の高速道路としても、それなりに交通量が見込める道路になったのではないか?ということです。それを踏まえると、決して不要な路線とは言えませんね。

それ以外の要素も考慮する
例えば、冬の雪による影響とか、災害時のダブルネットワークの必要性とか、または7号線沿線の地域の活性化とかそういう部分もあります。特に災害という点に関していえば、日本は地震国ですから、本州を縦断する高速道路が2本あった方が何かあった時に一方が代替路線になるというメリットがあるでしょう。2011年の震災の時にはそれが強く言われました。

ちなみに、本州の場合、太平洋側と日本海側のダブルネットワークという点で見た時に東北地方だけがダブルネットワークになっていません。山陽道の場合、中国道があります。(山陰道が全通していないし中国道は内陸を通るので微妙なところですが、形としてはダブルネットワークにはなっているので、中国道を日本海側の路線として見ます。)

関西地区は名神・名阪・新名神とそれに対する舞鶴若狭道。
中部地区は東名・新東名・中央道に対して北陸道。
関東地区は東北・関越・常盤道とありますが、東北だけは、仙台までの常盤道を除くと東北道1本しかありません。三陸道もまだ全通していませんし。

ちなみに九州は九州道と東九州道のダブルネットワークが完成しましたね。これらを踏まえると、東北地方は東北道と日沿道という2本のダブルネットワークがあっても良いのではないかと思います。

道路建設はこれ以上必要ないから、これ以上新規道路を建設する必要はないのではないか?
この路線について議論すると、おそらくこのような意見が出てくると思います。交通量うんぬんなどと言っても、道路を建設するにはお金がかかるし、脱自動車社会という観点から見てもやめた方がよいという意見です。

確かに、不要な道路は建設しなくてよいし、新規道路建設よりも現道改良をした方が良いでしょうし、過度な道路建設は自動車社会を推し進めるだけです。しかし、日本の道路建設はこれ以上不要とか、自動車社会うんぬんとかはあくまで一般論で抽象的な意見であって、個々の道路事業はその地域の交通事情など、様々なもの加味する必要があるでしょう。もちろん、一般論の通りになるケースもあるし、例外ケースもあります。

この路線について、あくまで個人的な意見ですけど、前にも述べたように必要性は決して低くないと思います。ちゃんとした形で建設すれば、それなりに利用されるはずです。もっとも、交通需要とか建設コストとか、そういうのうんぬんよりも、日本海側を縦断する主要な幹線道路としても必要だと思います。国土を縦断する高速道路としてもっと注目されていれば、九州道や山陽道、東名、東北道などとおなじくらいの重要度があっても良かったと思います。

それにもう7割くらいは完成しているし、今更不要だからと道路事業を中断しても中途半端な形で完成形になってしまうだけです。それなら、この路線くらいはしっかりした形で建設して、日本海側の縦断道路として完成させてもよいと思います。


まとめ
以上を踏まえると、7号線に並行する日沿道・秋田道はそんなに必要性の低い道路ではないと個人的に思います。


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[C147] Re: 東北の問題点など

新幹線>
個人的に新幹線は札幌~東京・東京~鹿児島と北陸新幹線を除けば、これ以上建設は必要ないと思います。今建設している長崎新幹線も正直、必要かどうろかも疑わしい。

だから、新幹線を建設するお金をだすのなら、その分を地方の鉄道の改良に回した方が良いと思います。高架化、踏切撤去、複線化、車両の快適性の向上(クロスシート採用など)、運賃の値下げなど。おそらくその方が鉄道利用促進に貢献できると思います。

道路の場合、東北は、特に北東北の高速道路は無料化すべきだと思います。有料でもほとんど使われていないし、おそらくこの地域は高速を無料化するだけで、それが並行する国道のバイパスになって混雑緩和につながると思います。
  • 2017-09-14 10:27
  • Yasu1100
  • URL
  • 編集

[C146] 東北の問題点など

東北は道路だけでなく鉄道にも問題が高い地域だと思います。
と言うのも、東北地方の鉄道駅の効果率が他地域より低く、仙台駅、秋田駅、山形駅、盛岡駅などの駅で高架化されていないにも関わらず、ミニ新幹線を含めて新幹線に関する無駄な公共事業が多く見られます。
取り分け秋田新幹線はそのまま奥羽本線に標準軌にすれば問題ないのにも関わらず、何故か田沢湖線を標準軌にする点で疑問点が出ます。
そもそも新幹線自体、東京〜新大阪〜鹿児島中央、東京〜札幌以外は不要な事業ですので新潟駅以北に新幹線を作らない代わりに高架化して特急列車と連絡する構造の方が新潟駅にも利益があると言えます。
東北の場合、転換クロス車両がない事も痛いですが高架駅の少なさも問題なのかと思います。
少なくとも盛岡駅や秋田駅、山形駅、福島駅、郡山駅、仙台駅、いわき駅は西日本(名古屋駅、高知駅、金沢駅、博多駅など)や北海道の駅(札幌駅、旭川駅など)なら高架化されても可笑しくないのにされていない。
仙台駅は無理矢理新幹線を在来線の駅に近づけ過ぎたツケで高架化が遅れた理由で、仙山線も全然複線してもおかしくなかった。
なのに仙山線複線化をしないで仙台は独自の地下鉄を作った理由が分かりません。
少なくとも独自で東西線を作るなら仙台駅の高架化や仙山線複線化に力を入れた方が建設コストも安かったと思います。
また、秋田駅、山形駅、盛岡駅、福島駅などは橋上駅舎や地下道路建設より鉄道駅の高架化した方が歩行者が歩きやすい上に鉄道駅の利用者増加や道路事情双方で改善出来たと思います。
金沢駅(車のマナーが悪い場所ですが)や姫路駅は鉄道駅の高架化によって歩きやすい町を作り、踏切渋滞が緩和され、駅の利用者増加に繋げたから余計に高架化が必要だと感じてきます。
ましてや東北の主要駅は南北を通過している為、日照権の問題で西日本の駅より高架化の建設コストは遥かに安くなるので高架化した方が便利だと言えます。

新潟の鉄道は新潟駅の高架化の他に白新線全線、羽越本線と越後線の一部複線化により鉄道利用率を上げる事が出来ます。
加えて新潟地区と仙台地区は電車特定区間の導入も必要となる他、この地区は転換クロス車両も用意する必要があるが、JR東日本はセミクロスしか導入していないから、その辺の不安さもあります。
JR東が東北・新潟地区に転換クロス車両を入れた方が良い気がします。

高速道路にしても常磐道や磐越道は4車線工事を進めながらも、東北道松尾八幡平IC(八戸道含む)以北、山形道庄内区間と日本海東北道(新潟空港IC以北)、秋田自動車道全線を無料化した方が望ましいと言えます。

個人的には新幹線が一番無駄な交通公共事業だと思います。
新幹線の影響で在来線が第三セクターに移行せざるを得ない状況が運賃値上げや利便性低下に繋がる事、場所によっては新快速より遅い速度で走る事が無駄な事業になりあるからです。
北海道新幹線はJR北海道の経営や廃線対策の為に必要ですが、他の地域で並行在来線の分離は必要ありません。

長文、失礼しました。

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プロフィール

Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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