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脱自動車社会を目指す方向性を考える【問題提起】

今回はこのテーマについて考えていきます。
脱自動車社会とは、自動車に依存しない社会を形成していこうという発想です。自動車を中心とした生活を行うのではなく、鉄道やバス、自転車などを中心に生活していくということでもあります。

なお、脱自動車社会と言うと「車の利用そのものをやめる」「車そのものを排除する」という極端な方向へ考える人がいますが、それは違います。

正直に言って、自動車を完全に排除して、鉄道や自転車だけで社会を回していこうということは不可能です。自動車そのものが社会に浸透しているし、道路も整備されているし、自動車産業もあるしで、車を完全になくしてしまったら社会そのものが回らなくなってしまうからです。
車が売れなくなれば自動車産業は崩壊してしまうし、それに付随した産業も成り立たなくなります。たとえば愛知の豊田市とかは自動車産業で街が成り立っているようなものですから、それがなくなれば都市自体が成り立たなくなります。車以上に、その都市に関連する産業すべて(工業だけでなくあらゆる分野)が滅茶苦茶になり、人々の生活そのものが成り立たなくなるでしょう。

車をなくすということは、荷物を運搬するトラックも、タクシーもバスもなくすということになります。もうこれ以上は言いませんが、自動車そのものをなくすデメリットがどの程度か考えると、相当なものになるのはわかるでしょう?

脱自動車社会は、個人的な解釈では「過度に自動車に依存することはやめて、自動車は利用するけども、その割合を減らしていこうという考え方」だと思っています。

より具体的には、普段通勤や通学で車を利用していることをやめて鉄道やバス・自転車に変えたり、どこかへ遊びに行く時や買い物でも車をできる限り使わないようにしたり、自動車そのものを保有せずに必要なときだけりレンタカーやカーシェアを利用するということなどがありますね。都市部におけるロードプライシングの導入や、車の流入制限などもありますね。次世代公共交通機関であるLRTやBRTを建設するという方向性もありますね。

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自動車依存脱却の切り札とされるライトレール(LRT

日本は自動車社会か?
おそらく地方と大都市では差があると思います。東京や大阪などの大都市は鉄道やバスが優勢で、自動車の分担率は低いです。一方でそれ以外の地方では、差はありつつも自動車社会というのが一般の人達の認識だと思います。

自分も地方に住んでいますから、これは本当にその通りだと思います。東京や大阪は車がなくても生活ができるのに対して、地方は車がないと生活が難しい、生活ができても不便なことが多いと思います。

そう考えると、日本は地方において自動車社会の傾向が強いということになります。
ただし、東京や大阪の場合、自動車負担率で見れば割合は小さいですが、自動車の絶対数は多く交通渋滞や事故の多さなどは地方以上に醜いです。これは東京や大阪が車に依存していないというよりは、単に鉄道やバスなどの利用者が自動車以上に多いからそう見えるだけとも取れます。そうなると、地方はもちろん、都市部も含めて日本全体で自動車社会脱却が必要、社会全体における自動車の分担率を下げる必要があるといえます。
参考:日本の都市と自動車分担率から見る日本の交通事情

どうして脱自動車社会が必要なのか?
箇条書きで上げていきます。

・交通事故を減らすため
自動車社会が進めれば、よりいっそう車が増えて交通事故も増えます。単純に車の絶対数が増えれば比例して交通事故も増えますから当然ですよね。もちろん信号を設置したり、道路を広げたり安全性を高める政策も必要ですが、根本的には自動車そのものを減らすことが一番効果があると思います。

・環境汚染問題の改善のため自動車から排出される排気ガスや騒音問題などがあります。
車が増えれば単純にこれら問題がより深刻になり環境が悪化します。これに対しては電気自動車を普及させたり、エコカーの利用を促進させたりと対策はあります。しかし、根本的にはやはり自動車の台数そのものを減らすことが一番効果があります。

・公共交通機関の衰退を防ぐため
あまりにも車に依存しすぎてしまうと、バスや鉄道を利用する人が減少してしまいます。そうなると、バスや鉄道の事業が成り立たなくなり、それらが廃止に追い込まれてしまいます。鉄道やバスを存続させるという意味でも自動車依存の脱却は必要だと思います。

・買い物難民の発生を防ぐため
車中心の社会になると、車を持っていない人達はどこにいけもない、買い物すらできないような状況になってしまいます。また、バスや鉄道が廃止されると、それまでそれらを日常の足として利用していた人達の移動手段もなくなります。そうなると、車のあるなしで格差が出てきてしまうということですね。それをなくすためにも、自動車中心の社会から脱却する必要があります。

・交通渋滞の発生を減らすため
車が増えれば、それだけ交通量も増えますから渋滞も醜くなります。対策として新しくバイパス建設や道路拡張を行う方法もありますが、かえってそれが渋滞を悪化させたり、自動車の交通量を増やすという結果も出ており、万能ではありません。また、道路の建設にしても、そこに多くのお金がかかるわけで、渋滞対策でより多くの道路を建設しようとすれば、それだけ国や自治体の負担が増えることになります。もちろん、道路建設も必要ですけど、根本的には自動車の台数自体を減らすことが重要なのではないかと思います。

・そもそも日本の道路環境は車社会に適していないため
日本の道路環境の悪さからみても、自動車に依存した社会はやめるべきでしょう。正直に言って、日本の道路環境はほかの先進国と比べても劣悪で、とても車が走りやすいような道路環境にはなっていないです。近年はバイパスや高速道路の整備も進み、走りやすい道路が増えてきましたが、それでもまだまだ道路環境が良くなったとはいえません。というよりも、昔からある古い街道がそのまま国道になっていたり、集落の狭い道路が依然として多いです。それら道路は改良のしようがありませんから、状況は変わりません。にも関わらず、自動車依存の度合いが高く、交通事故件数も多いわけですから、はっきり言ってその状況は異常です。これに関してはこちらの記事でも書いているので参考にしてください。

このほかにも理由があると思いますが、車は便利な一方で、過度に依存しすぎると多くの問題を引き起こします。特に個人的に強調したいのは最後の部分で、日本の場合、道路環境が悪すぎるので自動車社会にすること自体が無理だと思うんですね。
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住宅地を走る道路が国道に指定されている例はたくさんあります。バイパスや高速道路が整備されても、このような道路はなくならない。

ちなみに世界の傾向を見ると、やはり先進国では脱自動車社会の動きが進んでいるようです。ヨーロッパでは都市部の車の流入を制限したり、自転車利用を促進したり、BRTやLRTを導入して、自動車がなくても生活できるような環境を作っています。車社会であるアメリカさえもこのような動きが多くみられるようですね。また、この傾向はアジアや南アメリカなどの中進国でも見られます。ほぼ先進国といっても差し支えないシンガポールでは、車の購入そのものに高額な税金をかけて、車の所有そのものの敷居を高くしています。BRT(バス・ラピット・トランジット)は英国やフランスはもちろん、ブラジルやコロンビア、韓国、タイのバンコクでも運行されています。


日本の場合は、そういう試みがないわけではありませんが、依然として国・地方単位では車社会を進めようとする傾向が強いと思いますね。

新規道路の建設が自動車社会を推し進める。
新規道路の建設はそれを正に強調していますね。まあ、道路建設の必要性の判断については、その事業とその地域の交通環境をよく珍味する必要があるので、一概に全てが無駄とは言えません。しかし、中にはそこまで必要性のない道路事業が地域手動で進められている地域もあったりします。

新規道路の建設の何がいけないのか?という反論がありますが、本当に必要な路線を除けば、特に必要性のない道路を建設すればかえって自動車交通が便利になり、自動車社会に拍車がかかります。そうなると長期的に見れば自動車の交通量も台数も増えることになり、よりいっそう自動車社会が進み、鉄道やバスが後退するでしょう。誰が見てもこの道路は必要だというのであれば話は別ですが、そうでなければ、道路の建設も度を超えてしまうと悪影響しかもたらさないということです。

若者の脱クルマは悪いことなのか?
この問題に付随して、若者が車を持たなくなってきているということが問題になってきています。これは、正確には持たないというより持てないといった方が正しいかもしれません。なぜなら、多くの、特に非正規で働いていて年収も低い若者は生活するだけで手いっぱいで車を持つ余裕すらないからです。

あと、車を保持することがそれほど魅力的でなくなってきてるというのもあるでしょう。人々の娯楽も多様化してきていますから、別に車だけが楽しみでもないのですね。
それにコストだってかかるわけで、無理して所有するくらいなら、必要なときだけ使えるレンタカーとかシェアとかの方がコストパフォーマンスも良いし、家族と共用してそれで生活できれば良いという考え方もあるでしょう。

移動手段であればバイクも自転車もあるし、都市部では電車やバスもあります。移動手段でさえも多様化してきているわけで、そこで無理に車を保有する必要性もないということですね。

かくいう自分も、自分の車は持っていないですし旅行するときは基本的にレンタカーですからね。そのレンタカーにしても、その旅行の行程すべてをレンタカーにするのではなく、自分が走りたい地域だけ車で、それ以外は鉄道やバスを使うケースが多いです。その方がトータルで見ると旅費は安いんですよね。車だと高速料金が高いし、ガソリン代も高いので、そこで高くついてしまいますし、所有するとなればなお維持費もかかりますからね。

つまり、若者が車離れをしたというより、社会が変わったという見方が自然だと思います。昔は車を持つことがステータスかのようなことがあったそうですが、今は必ずしもそうでもないのですね。これって自動車依存の脱却という視点から見ると、別に悪い傾向ではないと思います。

車の持つデメリット
更に車を利用すると、他人に対して攻撃的になるとか、自己中心的になるとかそんなことが言われていますよね。これは運転するドライバーによってそうならない人もいるでしょうけど、車が自分という存在を大きく見せてしまうことで、攻撃的・自己中心的になってしまう傾向はあるでしょう。現にそういうドライバーも多いわけですからね。また、道路環境が非常にストレスフルな日本では、他人のことを気遣う余裕もなくなり、よりいっそうその傾向は強くなると思います。


また車は、ひとたび運転を誤れば他人を殺すこともできてしまうわけです。人を殺す凶器であるという表現がなされますが、それは極端な表現だとしても、使い方によっては十分凶器になる道具でもあります。簡単な操作一つで人をひき殺すことだってできてしまうわけで、全くおかしい表現ではないでしょう。包丁だって調理器具ですけど、人を殺す凶器になるでしょう?
具体例を上げれば、欧州のテロでは自動車が凶器に使われて、歩行者をひき殺すことが起きていますからね。
車にこのような問題も含まれているとすれば、若者の車離れという以前に、未熟な若者にはそんな危険な乗り物は持たせないようにすると考えても不自然ではありません。

若者の車離れといっても、さも若者が悪いかのような印象を与えますけど、車の持つ様々な特徴とその問題を踏まえれば、車離れが必ずしも悪い現象ではないし、むしろ世界的にも車依存から抜け出す風潮があるのなら、よい傾向と考えることもできるでしょう。

若者の車離れを防ぐために、車のコストを下げるとか、税金を下げるとか一部で言われていますが、それははっきりいって愚の骨頂です。むしろ高くするくらいでも良いと思います。生活必需品うんぬんということをいうのなら、日常的に使われる車は除いて本当に趣味的要素が強い車だけを上げれば良いと思います。

まとめ
ここで言いたいことは、自動車にはメリットはありつつもデメリットも多く、最近ではその多くのデメリットが問題になってきているということです。そのため、世界的には自動車依存からの脱却が進んでいる地域が多く、日本も今後はそのような方向性で進んでいくべきだということです。
より具体的は解決策については、別の記事で考察していこうと思います。





新東名海老名以東の必要性と大和トンネルの混雑緩和について考える

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今回は新東名と大和トンネルについて書いていこうと思います。取り上げるのは新東名高速の海老名から東京までの必要性についてです。

東名高速道路の現在の起点は海老名市(圏央道の海老名南JCT)となっています。計画では東京の玉川付近までとなっているのですが、海老名より東は市街地化が進んでいるため建設が難しく、費用もかかるため、建設しない方向性になっています。


方向性としては、圏央道まで開通させて、そこから東京や横浜方面へ行く場合は、東名と圏央道の神奈川県区間(2020年全線開通予定)の2つのルートに分散させるようにします。

しかし、圏央道に東名の交通量が分散するかどうかは、疑わしいものがあると思います。横浜や東京方面へ向かう場合、圏央道だと大回りルートになるからです。

また、海老名~東京の間の東名高速道路は全国的に見ても交通量はトップクラスで、混雑も激しい区間となっています。特に大和トンネルの渋滞は全国的にも有名で、休日を中心として数十キロの渋滞が発生し、平日でも通勤時間帯を中心に混雑が発生する区間となっています。即急に対策が必要な状態です。

東名高速の交通量(大井松田~東京)
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ウィキペディアより引用 国土交通省交通センサスの統計より

平成27年の統計では、厚木IC以東はどの区間も交通量が1日当たり10万台を超えています。東京から横浜町田についてはこの10年の間に若干減少していますが、横浜町田~厚木にかけては増加しています。横浜町田厚木間は1日当たり13万台以上が走行しており、東名高速の中では一番交通量の多い区間でもあります。海老名~厚木については、圏央道へのアクセス道路も含まれていると思うので、東名本体の交通量は減ると思いますが、それでも10万台以上はあるでしょう。

この数値は片側3車線では十分にさばききれない交通量です。少しでも流れが滞るようなことがあれば、渋滞が起きるようなレベルでしょう。大和トンネルの渋滞事情も踏まえると、新東名高速は必要性が高く、ダブルネットワーク化が必要なのはいうまでもありません。



参考ツイート 横浜町田~海老名間の交通量の実数と設計基準交通量

これはつまり、交通量に見合った車線数は10~12車線ですが、実際は6車線しかなく、交通容量が不足しているということです。


現在の渋滞対策
厚木IC以東では、大和トンネル付近に付加車線を追加する工事が行われています。部分的に付加車線を設置して8車線にするようです。

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参考:大和トンネル付近の拡張工事資料(国土交通省のサイトより引用)

2020年のオリンピックまでに行うようです。

しかし、これは素人目で見ても効果がある対策とは思えません。なぜなら、横浜町田インター~厚木インターまで断続的に8車線ではないからです。このような形で整備しても、途中で車線が減ってしまうとなると、ほとんどの人は使いません。右車線ならまだしも、左車線の場合多くの人は2番目のレーンより右側を走り続けるからです。左車線が使われないばかりか、一部の車が左のレーンから追い越しをかけて、左レーンから追い越すような危険な状況を増やすことにもなります。

全国的に見ても新東名の付加車線でも、それ以外の道路の登坂車線でも似たような状況が起きているので、はっきり言って愚策だと思います。

新しく道路を建設する必要があるのか?
一番効果的な対策は、新東名を東京まで伸ばすことです。そうすれば、大和トンネルの渋滞はほぼ解消します。ですが、これは今の現状から言うと難しいと思います。

・市街地に高速道路を建設するため、兆単位以上のお金がかかり、工期もかかる。
仮に建設するとなれば、土地収用を行う必要がありますが、これには膨大な時間と費用がかかると思います。海老名から東京まですから、最低でも開通するまでに10年はかかるんじゃないですかね?

横浜からは第三京浜、および現在計画中の横浜環状線の一部区間を活用するという案もあり、それならば、多少時間も費用も節約できます。
参考記事:新東名、海老名南JCTから東へどこまで延伸される予定なのか?? 東京までの予定線がどこを通るのかを予想してみました。

上記のブログを参考にさせていただきました。新東名はこんな形になるのではないか?と記事で書いているのですが、横浜までは大深度(地下)で建設して、横浜市内の一部は横浜環状線を利用、横浜からは第三京浜道路を活用するということですね。おそらくこれが一番理想的な形だと思いますし、建設するとなればこのような形になるでしょう。

ただし、これでも相当な費用と時間がかかると思うので難しいでしょう。

確かに渋滞が酷い路線であることは事実ですが、それでも兆単位のお金で新規道路を建設するのはどうなのか?地方にも必要な路線はたくさんあるし、今の日本の財政状況からみても、この部分にだけ莫大なお金をかけるのは難しいというのが現状ではないでしょうか?それに開通するのが2030年とかそんなに先の話になるのであれば、結局もうしばらくは今の状況を放置するということになります。

もちろん、必要性は高いと思いますよ。厚木秦野道路とか、東京湾口道路などの必要性の薄い事業よりは高いでしょう。お金があれば建設すべき道路です。しかし、もっとコストをかけずに短期間で効果を上げられる対策ができないのか?というのが正直なところだと思います。

東名高速道路(厚木IC~横浜町田IC)の8車線化
今考えうる対策の中で一番有効なのが、やはり車線数の増加だと思います。これは上記のように付加車線にするのではなく、厚木から横浜町田まで断続的に行う必要があると思います。

ただし、これも万能かといわれればそうではありません。上記のように8車線でも交通容量は足りないわけですから、多少は良くなる程度でしかないと思います。しかし、暫定3車線化で渋滞がほぼなくなった例もありますから、効果は決して低くはないはずです。

上記の交通量を見ると厚木と横浜町田の区間で交通量が激増しています。つまり、厚木ICと横浜町田ICで乗り降りする車が多いということですね。ちなみにこの2つのインターの出入り交通量は1日、6万~8万あるそうです。これは相当な数ですが、この部分だけを利用する車もかなり多いと思うので、部分的に8車線にするだけでも大きな効果があるはずです。

海老名JCT以東で良いのではないか?という意見がありますが、厚木ICで交通量の変化が大きいので厚木ICから8車線にすべきだと思います。

横浜町田~東京(外環道との分岐)も8車線にすべき?

個人的には上記の区間だけでなく、厚木から東京の外環道分岐まで断続的に8車線にすべきだと思います。理由は以下に述べます。

・交通量そのものが多い。
横浜町田以東は大和トンネル付近に比べると、ひどい渋滞は起こりにくいので、今の状態でなんとか捌けるのならそれでも良いかもしれません。まあ、首都高から断続的に渋滞することがありますけど、これは外環道が開通すれば、ある程度緩和されるでしょうから、それで良いでしょう。

しかし、上記の交通量の数値を見ると10万台を超えているので、キャパシティはオーバーしています。また、数キロ程度の渋滞が起こりやすい場所なので、拡張の必要性が低いとは言えないでしょう。

・外環道や横浜環状北西線開通後に交通量が増加する恐れ
将来、これらの道路が開通すれば、そこから車が流れてくるため、交通量が増加する恐れがあります。特に外環道の場合は、これまで他のルートを使っていた車も流れてきますから、確実に増加するでしょう。

横浜環状線も開通していれば、外環⇔東名⇔横浜環状北西線というルートも確立されるので、交通量はさらに増えると思われます。ちなみに北西線は、保土ヶ谷バイパス混雑緩和のために建設しているそうですが、この道が開通すれば、横浜町田インターで降りていた車の一部が、その先の横浜青葉ICへ降りて北西線を利用するようになるはずですから、横浜町田IC~横浜青葉ICの交通量に変化があるのは間違いないでしょう。

どれくらい変化があるのかは蓋を開けてみなければわかりませんが、絶対数が多いので、1日当たり1万単位で交通量の変化があってもおかしくないでしょう。このような状態を考えた時に、今の状態でもキャパシティが十分でないのに、これ以上交通量が増えたら、渋滞が悪化するのは明らかです。新東名が建設されるのが一番良いですが、それは今の状況からすると無理でしょう。今の交通量だけを見ても外環分岐まで8車線にする価値はあると思います。

国道246号の混雑緩和も考慮する。
なお、東名だけでなく並行する国道246号の混雑緩和も考慮する必要があります。有料道路なので車線数が増えただけで交通量がシフトするかどうかは微妙ですが、横浜町田~東京間を利用しても790円で、距離が短ければもっと安い料金です。そんなに高い料金でもないし、この区間の渋滞のひどさや走りにくさを考えると、この値段でも利用する価値は十分にあるでしょうから、東名のキャパシティが増加すれば、一定数のシフトはあってもよいと思います。

仮に国道246号の交通量の一部をシフトさせることができれば、走りやすい道路に自動車をシフトさせ、一般道の混雑緩和、交通事故減少に貢献できます。国道246号の混雑が緩和されれば、それに付随して生活道路を抜け道として利用していた車も減り、生活道路の事故減少や混雑緩和にも貢献できます。決して悪い話ではないと思います。

道路規格を下げて拡張する方向性について考える。
この方法についてですが、道路幅を広げてというのは難しいというか不可能です。市街地化が進んでいる地域ですし、そもそも相模川の橋の部分で両側に圏央道への接続路があるのでそこに関しては無理でしょう。

ここで提案するのは、道路幅を増やさずに、路肩や中央帯の一部を道路に当てて車線数を増やすというやり方です。これはかつて東名の暫定3車線のやり方なわけですが、単に路肩を車線に転用するのではなく、もっと、根本的に道路規格そのものを見直すということです。この方法であれば、用地買収は必要ないですし、今ある道路幅で低コストで対策が可能です。

この区間の設計速度は120k/hですが、今の交通量の多さを考えるとそこまで高くする必要はありません。交通量が多いので100k/hも出せないし、車の流れは70~90k/hぐらいじゃないんですかね。渋滞していればもっと速度は落ちるでしょう。

都市化も進んでいることと、今の車の流れを考えると、むしろ都市高速規格でも十分ではないかと思います。都市高速といっても渋谷線のような感じではなく、湾岸線のような感じです。具体的には設計速度を下げて都市高速規格にして整備しなおすという形です。速度が落ちることに不安を感じる人もいると思いますが、何も100kmも200kmも都市高速規格にするわけではありません。外環分岐から厚木までのせいぜい30kmです。とりあえずちょっとシュミレーションしてみましたが、こんな感じですね。

道路構造 東名
*中央帯の値は4.50mを2で割った値。

道路構造に関しては精通しているわけではないので、何かしら問題点はあると思います。しかし、言いたいことは少し工夫すれば上記のように今ある道路幅だけ、もしくは少し広げる程度で可能なのではないか?ということです。

設計速度は80キロで片側4車線です。規制速度は80k/h。設計速度以上の規制が可能であれば90k/hでも良いでしょう。これなら現在の規制速度より10k/hしか遅くなりません。路肩が狭いので、一部の区間の路肩を広げるか、緊急待避所を設けるかすれば、対応は可能です。

道路構造令における高速道路の車線幅、路肩、中央帯などの規定(一部参考)
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路肩、中央帯の値は通常は右側の最大値を利用しますが、やむ得ない場合のみ左の最小値まで下げることが可能です。つまり、一部で中央帯が4.5mのところもあれば、それ以下のところもあるということです。

スマートモーターウェイ方式で車線を増やす。
これはイギリスで採用されている車線数を増やす方法です。詳しくはこちらを参考にしてください。

路肩を車線に転用して運用するという方式ですね。交通量の多い時間帯だけ車線にする方式や、緊急時だけ車線を減らす方式もあります。これも今ある道路の幅だけで車線が増やせるので、そんなにコストも時間もかかりません。考慮されて良い考え方だと思います。

ただし、デメリットとしては、路肩がなくなる点が上げられます。車が故障した時に止められる場所がないとか、緊急車両が事故の際に通行できる場所がなくなるとか、そういう問題が出てきますね。これは緊急待避所を数百メール間隔で設けるとか、緊急時は1つの車線を封鎖するといった対策で、ある程度は対応は可能です。これはイギリスのやり方を参考にする必要があるでしょう。

もっとも首都高速や国道の高規格バイパスは路肩がない道路もたくさんありますから、そこまで神経質になる必要があるのかとも思います。

このほか、ロードプライシングを導入し、自動車の流入そのものを規制する方向性もありますが、高速料金が高い今の現状を考えるとこれは現実的ではないでしょう。ある程度は自動車の交通量は減少するでしょうが、利用者の負担が増えるだけだと思います。


まとめ
まとめると、東名高速の東京~厚木の混雑解消の対策としては、今ある道路幅だけでなんとか車線数を増やす方法が良いと思います。一番良いのは新東名高速を建設することですが、多額の費用がかかるし、時間もかかるので難しいです。短期間である程度の効果をあげられる方法としては車線数増加が現実的ではないでしょうか。

Advisory speed limitとは?【危険な箇所での安全速度の掲示】

今回はAdvisory speed limitという概念について書いていこうと思います。海外では一般的ですが日本では知られていない概念だと思うので、何のことかわからないと思います。日本語で直訳しても変な訳になってしまうのですが、Advisoryは勧告・忠告という意味なので、「速度規制の忠告」みたいな感じではないですかね。ここでは安全速度と定義しておきましょう。規制速度とは少し違います。ただ、これでもちょっとわからないと思うので書いていきます。

危険な箇所安全速度を示す。
道路には制限速度が設定されていますが、部分的にはその制限速度では危ないと思われる箇所が存在します。例えば制限速度が100k/hと設定されていますが、直線区間は良くてもカーブの区間では100k/hで曲がるのは危ない箇所があるとします。

そういう箇所の場合、その区間であまりにもカーブが多ければ、制限速度自体が低めに設定されますが、そうでない場合は、このAdvisory speed limitが設けられます。制限速度は100k/hですが、カーブの部分だけ安全速度という形で低めの速度を示すのですね。この速度はこの速度以上のスピードを出すと危険であるという表示を示しています。ですから、例えば60と表示されたら、制限速度が100k/hでもカーブの部分だけは60k/hまで落として走行しないと危ないということです。

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こんな感じです。この場合、この先のカーブでの安全速度は85k/hということになります。

つまり、安全速度(Advisory speed limit)は、危険な箇所にだけ安全速度という標識を立てて、その箇所のみ安全に走れる速度を示すということです。

オーストラリアやニュージーランドに滞在していた時は、主にカーブがある区間でこのAdvisory speed limitを見ました。カーブ以外でも市街地の道路や舗装の悪い道路、住宅街の道路などでも見かけます。安全速度なので、規制速度と違い強い法的拘束力は持たないようですが、これは国によって解釈が異なるようです。この速度を超えても違法ではないのですが、この速度を超えて交通事故を起こした場合は、全責任は運転していたドライバー側の過失になるというのが一般的のようです。例えば、オーストラリアではこの速度を超えて事故を起こすと、保険がおりなくなります。つまり、実質違反をしたようなものと考えてよいですね。

参考:Wikipedia(英語版) Advisory Speed limitについて

参考ツイート:



メリットと日本での導入

危険な箇所での安全速度がわかる。
カーブや狭い道路、住宅地などでこの表示があれば、何キロで走れば安全なのか?つまり安全に走れる速度の基準がわかります。今の日本では危険な箇所もそうでない場所ても一律40~60キロということが多いので、本当に危険な場所での安全速度がわかりません。そのせいで危険な箇所で交通事故が多く発生しています。そのため、よって、この速度の掲示によって、危険な箇所での交通事故の減少に貢献できると思います。

適正な規制速度と安全速度を設定できる。
日本の例えば高速道路では、区間ごとに規制速度を設定しているところが多いようで、100k/hで安全に走れる場所でも一箇所でも危険な場所があると、安全な箇所も含めて規制速度が低めに設定されます。ここ最近ではトンネル部分だけ、橋の部分だけ規制速度を設けている箇所もありますが、限定的です。

部分的に安全速度を設けるような形にすれば、高速道路全体は規制速度を100k/hにして、危険な箇所だけ80k/hの安全速度の表示をさせるということが可能です。これによって、速度にメリハリがつき、安全なところではスピードを出し、危険な箇所では速度を落とせるようになります。

日本での認識と導入について
日本の場合、安全速度という形で表示されていたり、悪天候時や道路工事の際に規制速度がかかることがありますので、この概念がないわけではないでしょう。ですが、一般的には知られていないし、カーブで安全に走れるなどの安全速度が表示されてない所が大多数です。さらに、住宅地でも法定速度のルールによって規制速度標識がなければ、60k/hで走れてしまう現状がありますし、制限速度そのものが機能していないため、これらが本当に機能しているかどうか疑わしいものがあります。安全速度という概念はありますが、これは道路交通法でも規定されていません。つまり、Advisory Speed limitはないと考えてよいでしょう。

Curve no speed
カーブでは速度注意を促す標識はあっても、具体的に時速何キロまで安全なのか?という表示はない。

よって日本でもこの発想を取り入れるべきで、危険な箇所に安全速度を設けるべきだと思います。

機能していない規制速度がネック
ただし、日本の場合は規制速度そのものが機能しておらず、60k/hと表示していてもそれ以上の速度で走るのが日常です。そのため、今の状態で安全速度という発想を取り入れても、誰も守らない可能性があります。

また、規制速度は警察が決めていますが、警察は安全のためといっておきながら、取り締まりのためにわざと低い速度規制を設定します。そのため、カーブや危険な箇所でもわざと低い安全速度を設定する可能性がありますし、実際に安全速度がある場所でも低めに設定されていると思います。

なぜなら、仮に低めの規制がかけられていた場合、制限速度以上の速度を安全速度として表示させることはできないからです。本当は60k/hで走っても安全な箇所を40k/hにして、カーブは50k/hで走っても安全だから50と表示するのは不自然でしょう。その場合、40かそれ以下の表示になるはずです。


そのため、この安全速度制度を取り入れる場合、同時に今の理不尽な規制速度そのものを見直す必要があるでしょう。
安全速度が守られるためには必要なことは2つあります。1つはその速度が合理的で理不尽な規制でないこと。もう1つは、その速度を犯した場合のペナルティをドライバーに理解させておくことです。

重大違反には厳しいペナルティを。
安全速度を超えて走っても、厳密には違法ではないのですから、速度を出すことは可能です。しかし、例えば事故の際に保険がおりないとなれば、それは取り締まり以上にリスキーでしょう。
取り締まりは違反金を払えばよいだけですけど、保険の場合は多額の費用を自腹で払わないといけませんからね。それはあまりにもかわいそうではないか?という意見もありますが、よほど何か納得できるだけの理由がなければ、それは速度を超えて走ったドライバーが悪い自業自得です。
知らなかったというのは理由にはなりません。車を運転しておく際に最低限理解しておくことだからです。それにそういった概念を知らなくても、カーブ手前で安全速度60と表示されていれば、誰でも意味は理解できるでしょう。

これは他の部分にも言えますが、重大な違反を犯した悪質なドライバーには厳しいペナルティを課す必要があると思います。違反金を払うとか、数日免許停止とかそういう生ぬるいレベルではなく、です。そうしないと、交通違反を軽視するようになります。

いくら安全運転を広報で呼びかけても、それでは意味がありません。「~したら保険がおりない、過失はすべて~側にいく、一発で免許停止、1年は車の運転ができない」など、違反をした際のペナルティの大きさを示さないと、それが本当に重大な違反、危険行為であるということを本質的に理解させることはできないでしょう。


少し話がそれましたが、安全速度にも同様のことが言えます。
まとめると、危険な箇所に、規制速度とは別に安全速度を表示させて、ドライバーに危険な箇所を知らせるようにする。その際に安全速度を超えて走行し事故を起こした場合、高いペナルティを課すということです。

岡山~三原の国道2号線について考える【倉敷福山道路】

今回は、岡山から三原にかけての国道2号について考えていきます。この区間は、個人的にかなり興味のある区間で、今後の道路整備に期待しているところです。

山陽道沿線は静岡県沿線と特徴が似ており、中小規模の都市が連続して続き、国道は断続的に交通量の多い状態が続きます。
この区間も岡山・倉敷・浅口・笠岡・福山・尾道・三原と都市が連続して続いており、国道2号は交通量が多い区間でもありますね。
Route2 okayama-mihara bypass
国道2号バイパスの整備状況

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岡山バイパス。都市高速のような雰囲気。

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倉敷~福山の国道2号。バイパスがなく1車線の道路が続く。

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赤坂バイパス・松永道路(松永道路は4車線化されました。)

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尾道バイパス

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三原バイパス

高規格道路の必要性
上記の地図を見ると、岡山~倉敷、福山~三原間はバイパスがありますが、福山市内から倉敷にかけての区間はバイパスがないのがわかります。静岡と特徴が似ているのであれば、この区間も断続的にバイパス道路にして、高規格道路を造る必要があります。バイパスのない区間では交通量が多いため流れが悪く、渋滞も多いからです。


この区間の高規格道路の計画
計画としては以下のような事業があります。

岡山・玉島バイパス
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出典:国土交通省岡山国道事務局:倉敷立体パンフレットより一部引用

岡山~倉敷についてはバイパス整備はほぼ完了しており、一部で暫定2車線区間のある玉島バイパスも4車線化が進んでいます。それ以外では岡山ブルーライン以東に対面通行が残ります。しかし、岡山近辺はおおよそ高規格化が完了していると考えてよいと思います。


玉島笠岡道路
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出典:国土交通省岡山国道事務局:玉島笠岡道路パンフレットより一部引用

倉敷から笠岡の国道2号は断続的に対面通行の続く道路であり、流れが悪くなっています。そのため、自動車専用道路のバイパスとしてこの道路の建設が進められています。現在、開通しているのはほんの一部の部分だけで、バイパスとしての機能はありません。このバイパスが4車線で完成し、玉島バイパスも4車線化すれば、笠岡~岡山間がバイパス整備されたことになるでしょう。
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部分開通の玉島笠岡道路

笠岡バイパス
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出典:国土交通省岡山国道事務局:玉島笠岡道路パンフレットより一部引用

笠岡市内をバイパスする道路です。現在は一部のみ開通しています。

福山道路
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出典:国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所) 主な道路事業の紹介より引用

福山市内の国道2号をバイパスする道路です。福山市内は数回走ったことがありますが、バイパスがないので渋滞が醜いです。かつての静岡市内の国道1号(静清バイパス開通前の国道1号現道)を思わせるような感じでしたね。市内の渋滞緩和を考えれば、この道路は必要性の高い道路だと思います。
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渋滞のひどい福山市内。

ところが、この道路は事業化されているのは一部の区間のみで、大部分は事業化の段階にすらなっていません。住民の反対運動が根強いのが原因のようですが、この部分が完成しない限り、国道2号の混雑はいつまでたっても解消しないでしょう。バイパスが建設できないなら、何か他の対策を打つ必要があるでしょう。

赤坂・松永バイパス
旧松永市などの旧道をバイパスする道路です。松永バイパス4車線化が完了し、赤坂バイパス4車線化を検討中とのことです。

4車線化後のバイパス。(他の方の動画です。)

尾道バイパス
尾道の市街地をバイパスする道路です。松永~尾道間のバイパスは4車線で整備されているため、ここは完成形です。

木原道路
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出典:国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所) 主な道路事業の紹介より引用

尾道バイパスと三原バイパスを接続する道路です。現在建設が進められています。

三原バイパス
2013年に全線開通したバイパスです。この道路の開通で三原市内の旧道の混雑が緩和されました。このバイパスはトンネルが多いのが特徴です。三原バイパスより西側も計画があるようですが、それについては扱いません。

すべてを見ると、バイパス整備が進んでいるところと進んでいないところの差が激しいと思います。このうち岡山~玉島、松永~尾道はほぼ完成形です。対面通行区間が存在しつつも、近い将来には福山から三原まで連続でバイパスが完成し、倉敷~笠岡間もバイパスが完成することでしょう。

参考(福山から三原までの国道2号)
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出典:国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所) 主な道路事業の紹介より引用

福山市内がボトルネック
そうなると、福山市内が一番のボトルネックになるでしょう。事業化されても開通はまだ先になるでしょうし、暫定2車線→4車線化というプロセスを踏んだ場合、完全開通まで10年とか20年先とかになる可能性があります。今建設がすすんでいる区間は建設して、できるだけ早くすべて4車線の完成形にする必要がありますが、福山の場合はバイパスができるまで何か別の方法を考える必要があると思います。

福山市内の県道や市道を抜け道として利用している人もいるそうですが、市内の道路については良く知りませんので、その点は考慮できません。

山陽自動車道を活用できないか?
せめて、通過交通だけでも高速道路に誘導できれば市内の混雑は少なくなるでしょう。幸いにも山陽自動車道は、国道2号とは福山西ICと玉島ICでダイレクトに接続しています。また、国道2号とはほとんど離れていません。つまり、有料でもこの区間は完全に国道2号のバイパスとして機能させることが可能だということです。新規道路建設を抑制する方向であれば、高速道路を国道のバイパスとして活用させる方法も検討の余地はあると思います。



交通量をシフトさせるだけの余裕があるか?
しかし、山陽道の交通量はそれほど余裕があるわけではありません。山陽道の交通量は以下のようになっています。
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交通センサスおよびWikipedhiaより引用

高速道路で片側2車線でさばける交通量は概ね4万台~5万台前後といわれていますから、これ以上増えると流れが悪くなる可能性があります。そう考えると拡張という方向性に向かうかもしれませんが、山陽道の場合、トンネルが多いのでそれも難しく、車線を増やすとなれば、新しくトンネルを掘る必要があり、お金も時間もかかります。スマートモーターウェイ方式という路肩を車線に転用する方法もありますけど、これもトンネル部分で路肩がないので無理だし、規制速度も低くなるし、そもそも山陽道で規制速度を低くしてまで、車線を増やす必要があるのかとも思います。

そう考えると、最終的には国道2号のバイパスを新規に建設するしか良い方法はないと思います。

そもそも山陽道の車線数が多ければ・・・。
そもそも論として、山陽道の車線数が6~8車線で整備されていれば、もしくは4車線で開通しても、用地を確保したりトンネル幅を広くしたりして、拡張するための余地を残しておけば、山陽道だけで国道2号の交通量もさばけたと思います。料金も安くできたし、無料化できた可能性もあるでしょう。
そうすれば高速に並行して二重にバイパスを建設する必要はなくなったと思います。東海道沿いに比べれば、山陽道は交通量の絶対数が多いわけでもないので、車線数の多い高規格道路が1本あればそれだけで十分だったと思います。それでも国道2号の高規格化やダブルネットワークが必要になったのは、せいぜい姫路~神戸と岡山近郊、広島近郊くらいでしょう。

これは、山陽道だけでなく九州道や東北道など、ほかの高速道路にも同じことが言えて、日本の高速道路の欠陥だと思います。

まとめ:岡山~三原間は連続して高規格道路が必要。
沿線の交通量を考えると、この地域は山陽自動車道と高規格道路のバイパス2本が最低でも必要でしょう。特に福山市内を通過するバイパスは必要性の高い路線だとおもいます。

生活道路の交通事情改善について考えるその1 日本の生活道路の実態

今回は生活道路について、自分が思うことを書いていこうと思います。

生活道路というのは、一般的には幹線道路から外れた狭い道路、路地や農道、私道など歩道がなく、対面通行すらも確保されていない、もしくは十分でない住宅地などの狭い道路のことを示します。

narrowroad in Japan
生活道路の例

生活道路における運転マナー向上や、交通事故減少、歩行者優先の徹底などは、おそらく日本の交通問題の中で一番重要な位置を占めると思います。自分たちの生活に直結することであるし、全ての人に関係する問題だからです。

僕はブログの中では道路改良、車線数増加などを書いていますが、極端な自動車社会推進派ではありません。むしろ、自動車社会に対してはうんざりしている方で、もっと自動車がなくても暮らしやすい社会にしてほしい、ストレスなく車を運転できる社会にしてほしいというのが本音です。道路改良や車線数増加を推進するのは、それが必要だからです。別に高速道路全線の車線を増やせといっているわけではなく、交通量が多くて走りにくいところは増やした方が良いし、そこが交通容量が不足しているからです。

僕は2014年以降、ずっと日本に滞在していないこともあってか、自分の車は持っていません。海外滞在中も基本は車を持ちませんでした。維持費がかかるというのもありますし、短期滞在だからというのもありますが、あんまり車で運転して出かけたくないからです。どこか遠くへ行くときはもちろん運転します。レンタカーも借りるし、ペーパードライバーではないです。でも、それ以外は自転車か歩きです。2013年までは通勤でバイクも使ってましたけど、それも渡航前に売りました。

日本の生活道路の環境
日本の生活道路の環境はお世辞にもよくありません。歩行者優先は徹底していないし、スピードは出して走るし、交通弱者を軽視するし、一部ですが攻撃的なドライバーもいます。

例えば、こちらが横断歩道を渡ろうとしているのに譲ってくれないというのはよくありますね。まあこれは譲ってくれる人もいればしてくれない人もいるような感じですけど、でも総じて止まってくれない。車1台分しかないような狭い道路で60キロぐらいの速度で走ってきたり、自転車で走っているときにスレスレで追い越されたり、赤信号で止まりたくないがためにスピード出して交差点を通過したり、マナーの悪いドライバーがあまりにも多いんですね。これらはたまにあるとかいうレベルではないですよ。頻繁に見かけるレベルです。こういう状況だから、車が走る道路は避けて歩いたり、車に対して必要異常に気を使わないといけなかったりで、半分無法地帯のような状況です。自分がうんざりしているのはそれが理由です。

自分が車やバイクに乗っていてもうんざりすることがあります。たとえば生活道路を30キロで走っていると、後ろからスピード出してバイクが追い抜いてきたり、車が煽ってきたりとかしますからね。安全運転を意識して走っているのに不愉快な思いとするという理不尽な状況があります。まあ、途上国よりはマシなレベルでしょうけど、でもまだ十分に交通ルールが浸透せず、道路環境も悪い途上国とは比較の対象にはならないでしょう。日本はモラルがあってモラルがないような状態だと思います。


マナーを守っているのに理不尽な思いをする一例、他の方の動画です。

道路環境の悪さと進み過ぎた自動車社会
加えて、生活道路においては狭い道が多く見通しの悪い道路が多いです。これは特に本州の道路環境に当てはまります(北海道は例外)。対面通行すら確保されておらず、見通しも悪い、旧街道をそのまま道路にした場所が多く歩道もない道が多いです。それにもかかわらず、自動車が我が物顔で走るという状況があります。

Route163 narrow
地方の住宅地の国道。歩道がない道路にもかかわらず、ドライバーはスピードを出す。

その一方で大都市はともかく、地方では車がないと生活できないという環境があります。一家に1台は当たり前、1人1台という感覚にすらなりつつあるでしょう。車を持つことがステータスとすらいわれていますし、車を持っていないとおかしいという感覚すらあります。鉄道やバスの利用者は減少の一途をたどり、多くの人達が車を利用するようになる一方で、道路環境は劣悪で、特に生活道路においてはとても車が走りやすいような道路環境ではありません。

これに加えて、法定速度の問題もあります。日本の道路の場合、制限速度の表示がないと法定速度60k/hが適用されます。これはどういうことかといえば、生活道路の狭い道路でも速度規制の標識がなければ60k/hでも走れてしまうということです。最近では、規制を設けたり、ゾーン30(規制速度を30キロに設定する区間)を設けるなどの措置をしていますが、限定的です。つまり、交通ルールですらも、生活道路の安全を脅かしているということです。

警察の取り締まりはどうかというと、正直ちゃんとやっているようには思えません。幹線道路での取り締まりはよくみますが、生活道路での取り締まりは見たことありません。それどころか、明らかに見通しが良い交差点に一時停止を設けて、そういうところで陰に隠れて違反車を取り締まろうとしたり、走りやすい幹線道路で理不尽な規制速度を設けて、ねずみ取りをやっていたりしています。彼らの取り締まりにも問題があります。

このほかにも高速道路やバイパスが有料であるために生活道路にも通過交通が流れ込んでいる点や、渋滞の深刻化で生活道路の一部に自動車が流れて混んでいる点などもあります。

つまり道路環境は悪いのに自動車社会になっており、そこにきてルールもおかしく、マナーも悪い、警察もちゃんと取り締まりをしていないというのが今の日本(特に地方)だと思います。

歩行者や自転車の事故が多い日本

このような状況のため、特に歩行者の交通事故死者数の割合が乗用車やバイクなどに比べて多い傾向にあります。

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出典:内閣府:道路交通安全対策の今後の方向
歩行者の割合は約35%。これは圧倒的に多いです。つまり、歩行者が多い所(生活道路)で死亡事故が起きやすいということが言えます。なお、死亡事故が多いということは、交通事故そのものも多いと推測できます。

ちなみにオーストラリアやニュージーランドと比較するとどうかというと、日本の生活道路はこの2か国に比べても圧倒的に危険だと思います。もっとも、この2か国も生活道路での運転マナーに関してはあまり良くないんですよ。スピードは出すし、急ブレーキ、急加速は多いし、低速車を煽ったり、むしろ日本よりも悪いという印象すらあります。ただ、それでも歩道と車道が完備しており、運転が荒くても歩行者優先主義が徹底しているため、歩行者の場合それほど危険ではないです。

日本の場合は、マナーの悪さに加えて歩道がない道路が多いというのも問題だと思います。

もっとちゃんとした対策が必要
ゾーン30を導入したり、生活道路での速度取り締まりなども始まっていますが今のままでは不十分です。ところでゾーン30ですが、自分の地元では全く見ません。いったいどこにあるのか?未だに地元の狭い道路を60キロで走る車を見かけます。

これに関してはもっと警察や国が真剣になって取り組む必要があると思います。ちゃんと取り組んでるでしょ?って反論がありそうですけど、今の実情を考えたらむしろ悪くなっている気すらするし、目に見えて改善されているようには見えないです。もっと長期的に様々な取り組みを行わないと改善しないでしょう。

具体的な部分については別の記事で書きますが、大まかにこうした方が良いと思うのを箇条書きで上げます。

・生活道路における規制速度30k/hの全面導入。(特に対面通行が確保されていない生活道路はすべて30k/h)。
歩行者優先主義の徹底。怠れば重大違反であるということを浸透させる。
(ただし、過度な歩行者優先主義は危険。場合によっては歩行者が悪くなるケースもあるから。)

・生活道路での取り締まりの強化。(ただし、今のような理不尽な取り締まりをするだけでは無意味。)
・速度違反や歩行者妨害などの違反をした者に対する罰則の強化。(反則金を高くするなど。)
・生活道路を物理的に速度を出させない構造にする。(ハンプやラウンドアバウトの導入など。)
・歩行者が歩きやすい街づくりを行う。
(例えば、歩道スペースが確保されていない場所では、交通量が多く無ければ車道部分を減らして歩道部分を確保するなど。)
・生活道路を幹線道路として機能させない、高規格道路や広い道路に車を誘導するようにする。
(バイパス道路の建設、有料道路の無料化など)
・地方において行き過ぎた自動車社会そのものからの脱却。(自動車の台数そのものを減らす。公共交通機関利用の促進)

などです。具体的には別の記事で書きます。

Appendix

プロフィール

Yasu1100

Author:Yasu1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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