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静岡都市圏の交通事情について考える

今回は静岡市を中心とした静岡大都市圏交通事情について考えていきます。静岡大都市圏は人口70万の静岡市(旧静岡市、清水市)とその周辺の旧由比町、蒲原町、富士市、富士宮市と焼津市、藤枝市、島田市の志太地区を含めた地域です。人口は約142万人で、100万都市圏でもあります。ここでは鉄道、道路も含めて考えていきます。

参考:静岡市周辺の地図

静岡の道路網
静岡都市圏の場合、主要路線は2000年以降に改良が進みかなり改善されてきました。2003年の新日本坂トンネルの4車線化、国道1号線および、静清バイパスの開通と拡張(2018年に完了)、国道150号静岡~清水間の改良、2012年の新東名開通など、主要路線はほぼ完成形に近い形になっています。
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1999年に改良された岡部地区の国道1号、かつては静岡藤枝間の1号線は渋滞がひどかった。

静清バイパスの清水インター付近の立体化と富士由衣バイパスの立体化ですが、これは事業化もされて工事が進んでいるので、数年後には富士~静岡の全線高架化が完成します。藤枝バイパス、島田金谷バイパスも4車線化事業中です。
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4車線化が進む静清バイパス。

国道150号も久能地区(静岡地区南部の海岸線)の改良工事が進んでおり、こちらも数年後には改良されます。焼津から牧之原へ向かう4車線バイパスも建設中で、数年後には清水~牧之原間の多車線化が実現するでしょう。
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かつて渋滞の名所だった国道150号の静岡市内中島地区、現在では渋滞は解消。一部区間の高架化も進む。


東名高速は新東名開通で交通量が分散し混雑が解消しました。静岡東スマートインターが事業中で、これも近いうちに完成します。新東名高速道路は別記事でも述べましたが、6車線化が必要です。ですが、これは道路建設が不要なので、1車線増やせば良いだけなので決まってしまえば早いです。
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東名高速道路も車がまばらになり、渋滞はなくなりました。

中部横断道は2020年までには完成し、将来は長野、山梨方面へ接続します。この道が暫定2車線のようですが、交通量を見て4車線にするか否か判断する必要があるでしょう。


細かな部分では、一部の県道の拡張、清水いはらICへの接続道路の建設、国道362号の山間部の改良などありますが、これらも多くが事業中です。
静岡南北道路といわれる国道150号と新東名を結ぶ高規格道路が計画されており、静清バイパスから新静岡ICまで暫定2車線で完成しており、それより南は事業化されていません。これは暫定2車線の部分を4車線化して欲しいですが、それ以南が必要か?といわれると、直ぐに必要とは思いません。県道74号に沿って走るようですが、県道自体そこまで渋滞していないからです。
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県道75号、清水いはらインターにつながる片側2車線の道路。事業は遅れているが、将来はインターから清水港までつながり、清水インターの混雑緩和に寄与します。手前の高架は東名高速道路。


唯一不満なのは国道139号の富士宮市内ですかね。市内を通る部分のみが平面交差で、特に夏になると渋滞がひどくなるので、あの部分は立体交差にしても良いと思います。
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富士宮市内の国道139号、ここは渋滞が起こりやすいので、信号の連動をよくするか、お金をかけて立体交差にするかして流れをスムーズにしてほしい。そうすれば、山梨県境~東名までがスムーズにつながります。

僕自身、静岡へは日本滞在中はよくいくし、高校は静岡の高校だったので市内はよく知っています。そこから言えるのは、静岡都市圏の道路は拡張が必要な路線も多いものの、そのほとんどが事業中で10年以内にはその多くが改良されます。道路環境は決して良いレベルではありませんが、首都圏ほど深刻なレベルではありません。静岡市内でも主要な路線は多くが多車線で構成されており、計画がない道路で拡張が必要な路線というのは、個人的にはあまりでてきません。

前述したように国道139号の改良は必要でしょう。ローカルな路線になりますが、島田小川幹線(島田市と焼津市を結ぶ4車線の道路)と、志太中央幹線(藤枝市の国道1号から東名吉田インター付近までの4車線道路)は建設して欲しいと思います。しかし、新しい道路事業といっても、せいぜいこれくらいです。
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焼津や藤枝は静岡以上に車社会だが、意外と多車線道路は少ないです。上記2つの道路が完成すれば、旧国道1号などの混雑が緩和します。

よって、現段階でも静岡都市圏の道路事情は完成形に近い形になっているため、いま事業中の路線や一部計画中の路線を除き、これ以上新しい道路の建設は必要ないと思います。道路関係で改善して欲しいことといえば、信号の連動を良くして欲しいこと、ラウンドアバウトの新設ぐらいですかね。また、都心部の道路の一部を一方通行にして交通の流れをよくするという可能性もあります。


車社会からの脱却が必要?
静岡の場合、今後は道路建設よりも鉄道やバスに焦点を当てたほうが良いと思います。静岡の場合、ほかの都市と違って、狭い地域に市街地が密集しています。そのため道幅も狭く、片側3車線以上の道路はほんの一部しかありません。そもそも駐車スペースもなく、駐車料金も高いため、車を持つには不向きの都市ですが、逆に狭い地域に人口が多いため、公共交通機関が有利な環境にあります。(少ない移動距離(コスト)で多くの乗客を運べる。)

もっとも、そのせいでほかの都市に比べて、都市圏交通の鉄道やバスの分担率が高い傾向にあります。個人的にも市内へ行く場合は、車で行きたいとは思いません。ある意味、すでに自動車社会から脱却しているとも言えます。

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*資料:「地域経済総覧」東洋経済、国土交通省「全国都市交通特性調査)
乗用車保有台数/世帯数は、つまり1世帯当たりの車の台数を示す。

自動車保有率が低く、分担率も低いのは松山、静岡。逆に高いのは松江、金沢、郡山、宇都宮。静岡市はどちらかというと、自動車社会ではありません。


トラムライトレールBRTバス・ラピッド・トランジット)の可能性

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市内に路面電車を走らせたり、バス専用軌道を敷くことは、市内の渋滞緩和策としては悪くないと思います。もっともすでに静鉄が新静岡~新清水まで鉄道を走らせているし、東海道線もあるし、バスも充実しているのでいらないという意見もあります。むしろバス専用レーンを作ったほうが良いとも言われます。また、鉄道軌道を敷くにしても、交通渋滞の悪化や採算性などを考慮する必要があるでしょう。


個人的には新規路線を作ることは市内では難しいと思います。地下鉄はそもそもコストが高く採算性は取れないでしょう。そのため、いまあるバス路線のサービス向上、いわゆるバス専用レーンや専用軌道などを作ったほうが良いのではないかと思います。
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市内を走る静鉄バスは、利用客が多い。

郊外における自動車依存の脱却
一方で静岡市の郊外に当たる焼津、藤枝、島田、富士、富士宮などは車社会です。しかしどの都市も人口が多く島田市を除けば、どれも10万人以上の人口を持ちます。富士、富士宮地区は約40万人、藤枝、焼津、島田地区は約30万人です。郊外においてこれだけ多くの人口を抱えているのだから、鉄道やバスがもう少しきちんとした形で整備されれば、十分利用者が見込め、採算が取れる余地があります。地区内を縦断するトラムBRT、もしくは静岡市内へつながる鉄道路線が藤枝あたりから1路線くらいあっても良いはずです。

静岡都試験における鉄道路線図
静岡都市圏鉄道路線

新線構想はバス専用軌道、鉄道、ライトレールトラム問いません。清水市内および静岡市内の路線は実際に検討がされていますが、焼津藤枝方面は個人の妄想です。現実問題、静岡~焼津・藤枝間のJR東海道線は座れないほど混雑していることを考慮すると、もう1本別路線があっても、利用客はそこそこ増えそうな気がします。ただし、それは移動時間や運賃、サービスの質で大きく左右されるでしょう。

以上、静岡大都市圏交通事情について書いていきました。まとめると道路網は多くの改良計画が事業中で、かなり完成形に近い形に来ており、今後は特に郊外において鉄道やバスに重点を当てたほうが良いのではないかということです。

ラウンドアバウトが日本の道路事情をよくする ラウンドアバウトの特徴。

ラウンドアバウトとは、信号を必要としない交差点で従来の十字型交差点と違い、円型の交差点で構成されている交差点です。ラウンドアバウト内では、中心の円(中央島)に沿って一周できる構造になっており、そこに周囲から複数の道路が接続している形になっています。

車はラウンドアバウトの中に入ってそこから行きたい方向に左折する形でラウンドアバウトから出ます。また、元来た道へUターンすることも可能な構造になっています。この道路の特徴としては、一時停止をする必要がない点で速度落として徐行して交差点内に侵入できます。また、交差点から出る場合、すべて左折して出る形になります。右折をすることはありません。

日本では2013年に長野県飯田市で導入されたのを気に全国で導入され始めていますが、まだまだ馴染みが薄いです。一方で欧米諸国(ヨーロッパ、オーストラリアニュージーランド)ではすでに一般的な交差点として整備されています。

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ラウンドアバウトの例(静岡県焼津市)

ラウンドアバウト走行のルール
簡単に説明すると、ラウンドアバウト内は速度を落として侵入し、自分の出たい方向に左折して出ます。その際、円内に車がいた場合、すでにはいろうとする車がいた場合は、その車が優先で、円内に車がいなくなるまで待ちます。そして車がいなくなったら侵入します。標識がある場合を除けば、基本的に一時停止はする必要はありません。

ただし、オーストラリアやNZの実走経験から見ると、園内に車がいても入り込む余地があれば停止せずにそのまま入る車が多く、また車が全くいなければ、減速せずにそのまま侵入する車も見られます。ウィンカーはつけない車がいたり、ウィンカーを出したりあまり統一されている感じはしませんでした。

交差点内で安全確認を行う場合、基本的に左側から車が来ることがないので、右からの車の有無を確認するだけで十分です。これは通常の交差点に比べて右だけ確認すればよいので楽です。


参考動画(オーストラリアのラウンドアバウト)

ラウンドアバウトのメリット様々
このラウンドアバウトですが、様々な点でメリットがあります。

信号がないため、信号で停止する必要がない。信号待ちで待たされる時間がなくなる。
基本的にラウンドアバウトには信号がありません。そのため、車がいないにもかかわらず、赤信号で待たなくてはいけないような時、ラウンドアバウトであれば赤信号で待つ必要がなく、そのまま交差点を通過することができます。つまり赤信号で待たされる時間がなくなるということです。

日本の場合、信号が非常に多く、赤信号で待たされることも多いですが、それがすべてラウンドアバウトになった場合、赤信号の待ち時間が減り、移動にかかる時間を減らすことができます。たとえば、20kmを移動するのに10回信号待ちになってそれぞれ1分待たされるとすれば、そこにかかる計10分が短縮できます。厳密にはラウンドアバウト内で減速し、停止することもあるので10分短縮されるわけではありませんが、理屈で考えればわかりやすいと思います。

信号がないため、信号無視で交通違反をする機会が減る。
日本の場合、信号が多く止められることが多いため、必然的に信号無視をしたくなるような衝動にかられ、信号無視をする機会も多いです。しかしラウンドアバウトになれば、そもそもそういう機会が少なくなるので、直接的に信号無視を減らす効果があります。これは交差点の安全にも寄与します。


信号機をすべて撤去してラウンドアバウトにしたNZ南島の市(ブレナム)の走行動画(国道で通過するだけ)。信号があれば、おそらく通過するのに10分~15分ほどかかる。

交差点内を速度を出して走る車を減らせる。(なくせる。)
従来の交差点の場合、たとえ信号があっても一時停止があっても、スピード超過で通過できてしまう構造になっています。日本の道路では、信号待ちをしたくないからと赤信号になる前に速度を上げて交差点を通過しようとする車を多く見かけますし、中には速度を上げて信号無視する危険な車もいます。しかし、ラウンドアバウトは構造的に必ず減速しなければならない構造なため、そのようなことは起こりえません。なぜなら円型の交差点なので、そのまま速度を出しながら交差点を走れませんからね。結果的に交差点に入る車は必ず減速するため、交差点内の安全に寄与します。

右折車と対向車の追突事故を防げる。
ラウンドアバウトは、外の道路へ出る場合、必ず左折する形で出る構造になっています。これは交差点内で右折するような構造ではないので、結果的に右折車と対向車の追突事故や、危険な右折(伊予の早曲がり)をなくすことができます。

信号にかかるコストを削減できる。
ラウンドアバウトは信号を設置しないため、信号にかかる設置費用、維持費、電気代をなくすことができます。
設置費用は1機あたり350-400万円らしいです。年間50機新たに設置されると考えると約1億7500円~2億の費用が1年で掛かりますが、ラウンドアバウトにして信号の新規設置を廃止すればその費用がそのまま節約できる計算になります。

維持費は電気代やシステム代などを含めて1機あたり約7万2000円といわれています。静岡県内には約6900台あるそうですが、信号の維持費を計算すると、静岡県では4億6980万円という費用が掛かっています。たとえばラウンドアバウト化でこのうち20%の信号が撤去されれば約9936万円(約1億円)のコスト削減になります。

なお、信号において改良やシステム維持などにおける年間の予算は約10億円といわれています。これもラウンドアバウト化による信号撤去で億単位の金額で節約ができます。

つまり、ラウンドアバウトの新規新設で既存の信号を撤去することで少なくとも数億円単位でコストダウンが図れるということです。

参考(一部引用);
信号機は、1基いくらするのか?
都道府県研究所、信号設置数ランキング

停電時における交通整理が不要
信号のある交差点では停電が起きてしまうと、交通制御ができなくなってしまうため、渋滞や事故を誘発させてしまいます。しかし、ラウンドアバウトは信号がないため、そもそも停電時のリスクを気にする必要がありません。

このようにラウンドアバウトは数多くのメリットがあります。一方で、円形交差点を作るための広い土地が必要なる点や、交通量の多い道路ではかえって渋滞してしまうなどのデメリットがあります。
そのため、交通量の少なく、比較的交差点幅の広い道路のみ限定されます。

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交通量の多い交差点ではかえって渋滞してしまうため、都市部の幹線道路では従来の信号制御のままで良い。

日本の場合、交差点自体が狭く、見通しの悪い場所や交通量の多い国道、県道は例外にしても、そうでない場所は中央島を設置するだけでラウンドアバウトにできる箇所がたくさんあります。

すでに欧米諸国では合理的な交通整理手段として一般化しています。少しずつではなく、まとめラウンドアバウトを設置し信号機を減らすべきだと思います。

広島都市圏の道路網について考える。東広島バイパス、広島高速道路

今回は広島市とその周辺の道路網について考えていきます。どうして広島を取り上げたのかといえば、広島の高規格道路網は未だに発展途上だからです。九州の福岡や北九州都市圏は都市高速があり、幹線道路の車線数も広く、道路整備は進んでいます。岡山市は岡山バイパスが倉敷~岡山を結ぶんでおり、ここも比較的道路状況は悪くありません。四国に目を向けると松山市は松山外環道路が完成すれば、かなり道路事情が良くなるでしょうし、高松市はあの形がほぼ完成形といっても良いかもしれません。同規模の都市で比較すると、仙台では市街地の外側を有料の環状道路が走っています。都心部へは仙台西道路が東北道から繋がっており、比較的綺麗な形で繋がっています。

広島市の場合、西広島バイパスや広島バイパスなどバイパス網こそあるものの、東側の東広島地区のバイパスが未完成で、かつ都市高速道路の開通も中途半端です。広島呉道路は有料で暫定2車線なので、ちゃんとした形で使われているのか?微妙ですし、広島岩国道路も実質山陽道の一部で、都市圏の高規格道路として使われているかは微妙です。つまり、大都市にも関わらず、高規格道路の整備が不足しているということです。

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広島都市圏の道路網(高規格道路のみ)

広島は山陽自動車道が都市圏の外縁を走り、これは外環道的な役割を果たしています。都市圏内における中距離移動のバイパス網は、東広島バイパス、広島高速2号、3号、広島岩国道路広島呉道路です。、山陽道と都心部を結ぶ路線は西広島バイパス、高速4号です。高速1号線も将来の5号線開通で、都心部へのアクセス道路になるでしょう。

しかし、どの路線を見ても西バイパスを除いて、高規格道路として十分に機能しておらず整備状況も中途半端です。大都市であるにもかからず、都市圏の移動にはまだまだ国道を使わざるを得ないのが実情で、かなりの改良が必要でしょう。

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建設中の東広島バイパス。、海田町付近。

広島高速3号の未開通
高速3号は将来的には廿日市から海田まで断続的に繋がり市内の国道2号線のバイパス道路になります。有料なのが難点ですが、人口の多い地区を走るので、すべて完成したらそこそこの利用者が見込めるでしょう。位置的には名古屋の伊勢湾岸道、福岡では高速都心環状線の百道地区を走る区間みたいな感じになるでしょう。早く全てできてもらいたいです。

高速4号線と山陽道の接続
この道路はもともと有料道路だったものを都市高速にしたためこのような形になったようですが、理想的には山陽道と接続し、都心部へアクセスしやすくしたほうが良いでしょう。五日市ICとの接続の事業も検討されているようなので、早く実現して欲しいと思います。これが実現すれば、広島北部、島根方面からのアクセスが格段に向上するほか、広島西バイパスや広島インターへの交通量が分散されるでしょう。

東広島・安芸バイパスの整備
おそらく、一番問題なのがこの道路でしょう。広島から東広島へ抜けるバイパス網が未完成で、並行する国道2号は大渋滞を引き起こしています。西側の西広島バイパスはできているのに東側が未開通というのも東西格差を感じますが、広島高速3号と合わせて、即急に整備したほうが良いです。

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東バイパス部分開通区間の終点(瀬野西IC)。日中は常に渋滞している模様。

この道が整備されないため、並行する山陽道の交通量もほかの区間に比べて多く、混雑しています。この道が完成すれば、山陽道の交通量は減少し走りやすくなるでしょう。

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山陽自動車道広島IC~志和IC間は、山陽で唯一1日の交通量が5万台を超える。

広島呉道路の無料化と拡張
この道は広島と呉を結ぶ最短道路であるにも関わらず、有料のせいで多くの人が利用していません。そのため、並行する国道31号に交通量が集中する状態になっています。この道は2020年に無料化されるので、そうなれば国道の混雑はかなり緩和されるでしょう。同時に4車線を施工し、こちらをメインの幹線道路として整備させたほうが良いでしょう。

活用されない広島岩国道路
この道に関しては別の記事で書いています。簡単に言えば国道2号のバイパスとして使われておらず、並行する2号線は通過交通で溢れかえっているということです。この道を部分的に無料開放するか、料金を下げるなどしてもっと有効活用させるようにすれば、2号線の交通量緩和に貢献できます。さらに岩国大竹道路が完成すれば、岩国から広島までの高規格ネットワークも完成します。

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広島岩国道路。山陽道路の一部として利用されているため、そこそこ交通量はあるものの、2号線の交通量を受け入れるだけの余裕はあるので、料金緩和措置が必要です。

以上が広島における道路事情の問題点です。これ以外にも高速2号線や東広島呉道路の全線4車線化も必要でしょう。これら道路が全て完璧な形で完成したとすれば、広島都市圏の道路網は以下のようになります。
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広島の高規格道路完成版。

東広島バイパス・広島高速3号が全通、4車線化、平面交差区間の高架化により、広島市の国道2号を通らずに広島を通過するルートが完成。また廿日市~東広島間の山陽道とのダブルネットワークの完成。山陽道、国道2号の混雑解消。

広島呉道路の無料化、4車線化で呉、広島間を高規格道路で移動することが可能。国道31号の混雑解消。
・広島高速4号の山陽道五日市IC接続で、都心部へのアクセスの向上、国道54号や広島インターの混雑解消。
・広島高速5号の開通により福山、岡山方面、および空港方面から都心部へのアクセスの向上、国道54号、広島インターの混雑解消。
・広島の環状線ネットワークが完成。
広島岩国道路を当該道路利用者のみ割引、もしくは無料にすることで岩国、大竹から広島まで高規格道路で移動することの敷居が低くなる。岩国大竹道路の開通と合わせて、岩国~東広島間の高規格ネットワークの完成。宮島付近の国道2号の混雑緩和に貢献。


この中で広島高速は有料なわけですが、無料にしないのは都市高速道路という観点からです。有料のまま交通量を増やすには2つの方法があり、1つは接続する高規格道路を整備することです。整備することでバイパスの交通量が流れ込むことで交通量の絶対数が増加します。2つ目は料金制度の調整です。首都高速のように短距離の移動をもっと安くすれば、利用する人も増えてくるはずです。極端な話100円でも利用できる区間があれば、利用する人の絶対数は増えるはずです。

広島は大都市なわけですから、これくらいしっかりした道路網があるのが最低ラインです。ほかにも計画路線がいくつかあるようですが、広島の都心部に1本くらい高速道路があっても良いかもしれません。

日本の高速道路のさらに拡張が必要な区間を考える。6車線化、8車線化。

当ブログではおもに交通渋滞緩和や交通のスムーズ化のために、各地の道路の車線数を増やした方が良いことを強調しています。今回は、日本全国の高速道路において4車線や6車線でありつつも、さらに車線数を増やす必要がある区間について考えていきます

なぜ車線数を増やす必要があるのか?
車線を増やさなくても、ほかにもいろいろ改善策はあるのでは?と思われます。しかし、交通事情の改善で一番効果的なのは、車線数を増やすことです。部分的に付加車線を作ったり、ゆずり車線を作ったり、注意看板を促したりなどしてもその効果は限定的です。特に高速道路においてはです。

事実、東名高速道路の音羽蒲郡IC~豊田IC間が暫定3車線化されたときには、交通渋滞が大幅に緩和されましたよね?新東名が新しく開通し、道路交通が分散、車線数が増加したことで旧東名の渋滞がなくなり、交通がスムーズになりましたよね?

交通容量が圧迫し、渋滞が頻発していたり、流れの悪い道路はもっと積極的に車線数を増やす必要があると思います。それが一番効果的でしょう。

なお、個人的に車線を増やした方が良いという区間は以下になります。

6車線化
・九州自動車道 みやま柳川IC~久留米IC 20.2km
福岡IC~八幡IC 37km


・第二神明道路・加古川・姫路バイパス 石ケ谷JCT~高砂西IC 約21km および 姫路南IC~中地ICの1.9km

・東名・名神高速道路 大垣IC~音羽蒲郡IC 94.7km

・東名阪自動車道 名古屋西IC~亀山IC 53.2km(ほぼ全線)
参考記事:東名阪の6車線化の決定と必要性

・新東名高速道路 浜松いなさJCT~御殿場JCT 約162km

参考記事:新東名高速の6車線化について考える。

・中央自動車道 上野原IC~三鷹料金所(将来の外環道分岐まで)
参考記事:中央自動車道を6車線にすればどうすればよいのか?

・京葉道路 船橋IC以東すべて 27.7km


8車線化
・東名高速道路 御殿場IC~外環道分岐まで  約86km 
新東名の建設を中止したうえで拡張。詳しくは以前の記事:新東名の神奈川県区間は本当に必要か?へ。

基準としては、目安として交通量が6万台を超えている、渋滞が頻発している、体感的に走りくい路線を上げています。なお、都市高速やそれに準ずる路線(外環道など)、今後新規路線開通で交通量減少が見込まれる路線、トンネルの多い路線(新東名を除く)は候補から外しました。

どうして拡張が行われない、放置されているのか?
効果的な方法であるにもかかわらず、それが行われないのは様々な点で障害があるからでしょう。

まず第1に建設コストがかかりますね。まあ、新しく道路を作ることに比べればコストはかからないでしょうが、それでも億単位のお金がかかります。暫定2車線の道路を4車線にするのにかかるコストは1km当たり12~36億円という話を聞いたことがあります。これは10kmになると120億~360億円と10倍になります。日本全国の暫定2車線の高速道路は約2700kmほどあるといわれていますが、これをすべて4車線にすると、3兆2400億~9兆7200億というとんでもないコストがかかります。
借金が膨れあがっている日本の財政で、この額を高速道路の拡張のためだけに費やすのはさすがに暴論ですよね。

第2に土地の収用が必要になる点があります。すでに拡張のための用地がある場所は別として、そうでないところは新しく土地を確保する必要があります。土地収用がスムーズにいけばよいですが、東九州道のみかん農園のように土地収用に問題が発生すれば、そこで時間を取られて拡張に手間と時間がかかります。東九州道を4車線にするときはあそこはどうなるんですかね?4車線化の際にもまた揉めるようなことを岡本さんが言っていますが…。

また、中央道のようにすでに市街地が作られているところに道路拡張として土地収用を行い用地を確保しようとする場合、多数の立ち退きが必要になります。そこには膨大な時間とお金がかかるため、いざ工事が決まっても拡張完了が10年、20年後ということになりかねません。

つまり、お金がかかるうえに時間も手間もかかるから、容易に車線を増やせないのだと思います。ちなみに暫定2車線の道路では、初期の段階で4車線化を行ってしまうと、建設会社の仕事がなくなってしまうから、暫定2車線、4車線化という2ステップを踏んでいるという話もあります。他にも何か理由があるのですかね?

お金をかけず用地も広げず、今ある道路幅で車線を増やすのが理想

このような問題点を考えた時に、お金をできる限りかけず、かつ用地は今ある部分を使う、もしくは広げるにしても最低限の用地だけを確保し、車線を確保できるのが理想的です。

具体的には東名高速道路や東名阪自動車道の暫定3車線のような方法を取れば簡単にできるわけです。

ただし、これにも難点があります。
まず、道路を広げず車線を増やすため、1車線あたりの車線幅が狭くなります。また、緊急車両用や故障車のための路肩が狭くなる、もしくはなくなるという点があります。路肩が狭くなることで故障車が停車できず、それによって後続車との追突事故を招く危険性もあるわけです。
また、車線が狭くなるため、規制速度が低くなります。東名高速の暫定3車線化の際には100k/hが60k/hになりました。せめて80k/hにできないのか?と思いましたが、どうやら暫定3車線化時の車線幅(3.25m)では60k/hになるのが一般的のようです。高速道路では一般的に3.5mの幅が必要です。3.25mというのは都市高速の都心部、および一般道の車線幅で、そもそもかなり無茶をしていたわけです。

まあ、海外へ行けば車線幅が狭くても80k/h、100k/hとか普通にあるので、そのスタンダードに合わせれば?と思われますが、どちらにせよあの車線幅で90k以上を出すのは体感的にも危険だと思いますし、路肩がないのも問題です。

つまり、東名の暫定3車線のようなやり方は効果的だがリスクも多く、受け入れられにくいということです。もう少し考える必要があるわけです。

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東名阪の暫定3車線。路肩がないのが危ない。


道路規格を引き下げて道路を整備しなおす方法を考える。
東名や東名阪の3車線化はあくまで暫定だったので、車線の幅を狭くしただけの緊急措置でした。しかし、ここでは車線だけではなく、路肩や中央帯も含めて、道路設計そのものを見直したうえで車線を増やしたらどうか?と提案します。

道路構造令における高速道路の車線幅、路肩、中央帯などの規定(一部参考)
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*長さの単位はm

路肩、中央帯の値は通常は右側の最大値を利用しますが、やむ得ない場合のみ左の最小値まで下げることが可能です。つまり、一部で中央帯が4.5mのところもあれば、それ以下のところもあるということです。

具体的には高速道路の第1種1級および2級で整備されている高速道路を第2種1級規格、つまり首都高速湾岸線のような形で都市高速規格で整備しなおすというものです。路肩を狭くし、中央帯も削り車線幅を確保します。一部で道路幅が確保できない部分は、道幅を広げますが、最小限に留めます。しかし、しっかりと道路規格に沿って整備するため、暫定3車線のような路肩が全くなくなるような不自然な道路設計にはなりません。

また、通常の高速道路は比較的ゆとりがあり、100k以上で安全に走行できるように設計されてるため、路肩、車線、中央帯などかなり広くとられている区間が多いです。そのため、規格を下げて車線を広げても、現在ある道路幅だけで十分に可能、もしくは少しだけ道路幅を広げるだけで車線を広くすることが可能なケースが多いです。

さらに上で取り上げた路線は大都市の近郊区間、もしくは大都市の市街地を走りますから、都市高速規格で再整備しても何も問題はないでしょう。

例えば、中央自動車道は高井戸から八王子までは都内の衛星都市の市街地を走ります。この区間は片側2車線ですが、設計速度は120k/h、制限速度は100k/hです。交通量が多くとても100k/hで走れるような区間ではないので、車線を増やし道路規格を下げて設計速度を80k/hにしても、それほど問題ではありません。

中央道(八王子~調布間)の道路構造(左から路肩、車線、中央帯)
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*側帯の値は省略。中央帯は反対車線の部分を除いた数値(4.5mを2で割った数値)

上記の第1種1級の構造から第2種1級の構造に変更した場合
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*中央帯は反対車線の部分を除いた数値(1.9mを2で割った数値)。

理屈上は道路幅を広げずに車線を増やすことが可能です。


ちなみに中央道と東名・名神高速道路に関しては路肩、車線、中央帯がかなり広くとられているようです。であれば、この道路幅だけでなんとか広げることができそうな気がします。
ただし、八王子~上野原までの区間は普通に用地を確保して広げた方が良いでしょう。

また、もともと道路規格の低い東名阪道や京葉道路は車線幅を3.5mから3.3~3.25mにしないと、車線を増やすことは難しいです。
姫路・加古川・第二神明道路はこのやり方で車線を増やすのは不可能で、車線幅を3.25mにするか、道路幅をある程度広げないと無理です。

九州自動車道については、それほど市街地化している地域を通らないので、ちゃんとした方法で広げた方が良いでしょう。
新東名については用地が確保してあるので良いでしょう。


ここまでをまとめると、車線数を増やすために、現在の道路設計を高速道路から都市高速規格に引き下げたうえで再整備したらどうか?ということです。この方法であれば、道路を広げなくても車線が増やせますし、仮に道幅を広げるにしても最小限の用地買収で済みます。その際、規制速度が低くなるのはやむえませんが、80k-90k/hであれば、もともとそれくらいの流れの区間が多いので、むしろ実勢速度に近くなります。


日本の道路と海外の道路機能の違い、バイパスや高速道路など…

今回は、日本の道路と海外の道路について比較していきます。海外といっても国によって異なりますが、比較対象にするのは欧米諸国および近隣の台湾や韓国などとです。

県道、国道、バイパスと有料高速道路の多重構造からなる日本の道路
海外では国により異なるも、おおむね高速道路があり、それが有料無料問わずに幹線道路、短中長距離の移動として使われています。そして高速道路に並行して旧道があり、それらはローカルおよび、生活道路となっているケースが多く見られます。

たとえば、オーストラリアやニュージーランドでは国道(州道)が全土を走り、一部路線では高速道路がそのバイパスとして建設されています。旧道は多くが州道、国道から降格になり、生活道路もしくは町や村へのアクセス道路になり路線番号を持たなくなります。
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ニュージーランドのかつて幹線道路であった旧国道1号線。

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そしてこの道に並行して走る国道1号線高速道路


台湾や韓国を見ると、高速道路と一般道は独立しているものの、高速料金が日本に比べて安いため、これもやはり幹線道路として使われています。日本との共通点としては一般道として国道があり、高速道路を補助する形で走行しています。両国とも日本と比べると、多車線が多く整備されているように思います。対面通行なのは地方で車の少ない地域だけでしょう。

他の方の動画です。台湾の道路を知るうえで参考になります。


つまり、どの国も高速道路が幹線道路として機能しており、一般道がローカル向けの道路として機能している2重構造だということです。

対して、日本の道路は高速道路ではなく、国道が主に幹線道路としての機能を有しています。その下に県道、市道がありそれが国道を補助する形で機能しています。一方で高速道路はそれらから独立した存在で高いお金を払って移動する、いわば金持ち向けの高速移動手段のようなものです。高速道路、国道がありその下に県道や市道がある多重構造になっています。

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100キロ出せる高速道路だが、料金が高いため利用の敷居が高い。そのため、多くの人は下道を利用する。


よくわからない人のために具体的な例を挙げると、ニュージーランドのオークランドの場合をあげます。
オークランドでは、国道として指定されている路線はすべて高速道路です。これらがオークランド都市圏内、圏外への移動の主要道路となっています。国道の下には主に片側1車線からなる都市道(アーバンロード)という路線があり、さらに都市道として指定されていない一般道あります。これらはいわば、日本で言う県道、市道のような道路です。

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オークランドのメイン道路である高速道路(1号線)

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オークランドの一般道。一部片側2車線以上の区間もあるが、多くが1車線。

オークランドでは高速道路が走っていない地区を除いて、日本のように一般道で都市圏を移動することはありません。市の中心部へ行く場合でも、職場へ行く場合でも、空港へ行く場合でもほぼ必ず高速道路を走ります。理由は高速道路が無料だからです。一般道は高速道路の走っていない地域をつなぐ補間的役割を持つ道路であってメイン道路ではありません。これは幹線道路である高速道路とそれを補助する一般道という2重構造ができています。

一方で日本の場合、ここでは地方都市として浜松を例に挙げましょう。
浜松市内を移動するのに、東名高速道路を使う人はあまりいないでしょう。浜松ICから浜松西IC、三ヶ日IC間のみを利用するっていますか?もちろん、いないことではないでしょうが、多数派ではないはずです。浜松~三ヶ日まで料金は片道約700円、往復で1400円ですからね。節約する人は日常的に、国道や県道を使うはずです。

都市圏として磐田、袋井、掛川、湖西などを含めて考えてみましょう。掛川から浜松まで移動するのに、東名高速を使いますか?片道750円です。もちろんいるでしょうが、多数派ではないはずです。それよりも国道1号のバイパスを使って移動するでしょう?こちらはお金はかかりません。掛川~三ヶ日くらいになると、ようやく高速を使う人が増えてくると思いますが、それでも意地でも下道で移動する人も少なくないでしょう。


浜松都市圏地図

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国道1号のバイパス。信号がなく走りやすいため、ローカルではこちらを利用する人が多い。

ちなみに浜松は、浜松市の人口は79万人ですが都市圏単位で考えると113万人です。オークランドは都市圏では約150万人です。単純比較はできませんが、オークランドの方が大きくどちらも100万都市圏です。浜松がオークランドと違うのは高速道路が有料で高いため幹線道路として使われておらず、選択肢の1つになっているという点です。高速道路は主に長距離、通過目的で利用する人向けで、日常的な利用は、短距離は県道や市道、短中距離は国道が幹線道路として担っています。一方で静岡~名古屋のような長距離移動でも国道1号を使う人が少なくなく、長距離移動ですらも、国道がその機能の一部を持っています。

つまり、浜松都市圏においては、幹線道路である国道、それを補助する県道、市道、そしてお金を払って利用する高速道路という多重構造になっているということです。

これは浜松に限らず、日本の都市はどこも似たような状況でしょう。高速道路が幹線道としての機能を100%持っている路線というのは、おそらくほんの僅かしかないでしょう。当初から無料で開通した山陰自動車道のようなケースくらいです。

高速道路、一般道路の二重構造の特徴
オークランドのようなケースでは以下のようなメリットがあります。
・高速道路が幹線道路として機能しているため、車線数が多くなる。
・基本的に無料もしくは有料でも安いため、利用敷居が低い。日常の利用から長距離の移動まで様々。
・高速道路が幹線道路として機能することで、並行する一般道や近隣の一般道の混雑緩和に寄与。旅行速度が向上し、移動時間が短縮する。
・一般道から通過交通を排除できる。
日本のように高速道路、バイパスと分けて建設する必要がない。建設コスト削減。

といった特徴があります。ただし、オークランドの場合、問題点がないわけではありません。幹線道路は高速道路と一帯になっているため、高速道路に車が集中し、混雑がひどくなる傾向にあります。実際、市内の高速道路(国道1号)は日中でも流れが悪く、通勤時間帯はひどい渋滞が発生します。また、ひとたび高速道路で事故が起こり、通行止めになるような事態になれば、交通機能がマヒしてしまいます。さらにオークランドでは外環道路が全通していない(日本の東京のような状況の)ため、通過交通もオークランド市内を通らざるを得ない状況にあります。オークランドの一般道は日本のように多車線で整備されているわけではないので、高速道路が通行止めになれば、市内で大渋滞を引き起こすことは避けられないでしょう。

オークランドの外環道に当たるのは20号線と16号線の一部。20号線は途中で途切れており、現在建設中。


これらをまとめると、車線数が多く、高速道路が幹線道路、バイパス道路として機能するため、日常利用から長距離利用まで幅広く高速道路が対応できる反面、交通集中によって渋滞が起こりやすく、ダブルネットワーク以上ないと何かあった時に交通機能がマヒしやすいという点があると思います。

日本の道路の多重構造の特徴
一方で日本の道路構造には以下のような特徴があります。

・国道や県道が地方の幹線道路としての機能を担う。高速道路は高い料金を払って利用できる特別な存在。
・高速道路が幹線道路として十分に使われないため、別に高規格バイパスや国道や県道の改良が必要になる。複数路線を建設するため、その分道路の建設コストがかかる。

・複数路線分散のため、1つの道路あたりの車線数が少なくなる傾向にある。
・高速道路があっても、それが有料で高い限り、一般道のバイパス機能を持つようにはならない。よって混雑の緩和に寄与しない。通過交通や本来幹線道路を走る車を一般道から排除できない。
といった点があります。

悪い点が多いですが、良い点も挙げてみると。
・高速道路においては、通勤時間帯の交通量の集中などに影響を受けない。通過交通のスムーズ化。
・片方が通行止めになった場合、もう一方がバックアップ機能を持つことができる。
などです。

具体的には、東名高速で浜松を通過する場合、浜松市内を通勤時間帯に通過するからといって、渋滞で通過に時間がかかるわけではないでしょう?もちろん交通量は増えますけど、増えて走りにくくなるだけです。交通量集中が直接的に影響を与えるのは、ローカルの国道や県道だけですよね。また、東名が通行止めになった場合、国道1号のバイパスに迂回できるし、その逆も可能です。2012年からは新東名も選択肢に入ります。日本のように災害が多いところでは、ダブルネットワークは大いに役に立ちます。

別の言い方をすれば、多少規模の大きな都市でも、高速道路を走る通過交通に関しては交通量集中で大きな影響を受けないということです。広島、仙台、宇都宮、金沢、静岡、浜松、福岡など、高速道路で通過する分には数分~数十分です。ただ、3大都市圏の都市規模になるとそうはいかず、渋滞に悩まされることはあります。
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朝の通勤時間帯の高速道路は、地方では車が増えることはあっても渋滞することはない。

浜松の道路が2重構造だったらどうなるか?
もし、浜松がオークランドのような道路構造だった場合、東名高速道路が1号のバイパスと長距離移動の機能を合わせてもち、おそらく、国道1号のバイパスは建設されなかったでしょう。もちろん高速料金は無料か安い値段です。同時に、インターも多数建設され、車線数も多くなり、さらに東名周辺が宅地化され、アメリカのように高速道路で都心部へ通過する車が増えていたことでしょう。しかし、一方で交通量が多くなり、日常的に車を利用する人も東名に入るため、交通量集中に大きな影響を受けます。そのため、浜松を通過して名古屋方面へ行くのに渋滞で時間がかかるようなことも起きたでしょう。その過程でさらに別のバイパスが建設されたかもしれません。

どちらにせよ、新東名高速は必要になったと思います。
ちなみに、高速道路が幹線道路としての機能を持つことで、周辺に放射状へ広がる路線、国道152号や257号、150号線なども高速道路か、高規格路線として作られたかもしれません。

ここまでをまとめると、日本の高速道路は有料であるがゆえに幹線道路として十分な使われ方をしておらず、他方で海外では高速道路が幹線道路としての役割を担っており、高速道路があれば一般道がそれを担うことはないということです。

Appendix

プロフィール

hiro1100

Author:hiro1100
Hiro 1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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