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日本の道路の問題点、海外との相違

今回は日本の道路環境、道路建設全体について書いていきます。過去の海外や日本のドライブ経験とここ最近調べた情報からわかったのは、日本の道路事情には多くの問題点があるという点です。簡単にまとめて箇条書きで書いていくと、主に6つあります。

1.実際の交通容量に対して、道路の交通キャパシティは明らかに不足しており、道路整備が遅れている。
2.合理的な交通運営がなされていない箇所が多く、理不尽で意味不明な交通ルールがまかり通っている。
3.道路整備が遅れている一方で、建設しても十分に採算・交通量が見込めない無駄な道路事業が多く存在する。
4.高速料金が不当に高く、高速道路が適切な使われ方をされていない。
5.ドライバーが走りやすいような設計になっておらず、わざと走りにくい、ストレスが溜まるような道路環境になっている。
6.道路整備の遅さ、暫定2車線→4車線、全線開通に時間をかけすぎ。


それぞれ細かく見ていこうと思います。

1.実際の交通容量に対して、道路の交通キャパシティは明らかに不足しており、道路整備が遅れている。
人口の少ない北海道や東北などを除くと、それ以外の地域は多くが交通容量を十分に賄えるだけのキャパシティを持っていません。日本全土を高速道路が走っているし、一般道の舗装もほぼ完全だしまだ足りないのか?と言われそうですが、それでもです。

わかりやすく説明すると、以下の点があります。
A.人口、自動車の交通量に対して、対面通行の道路が多く多車線道路が少ない。また、交通量が多く片側3車線は必要なところでも、片側2車線やそれ以下の道路が多い。
B.一部地域ではバイパスすら建設されておらず、集落を通る道路が深刻な交通渋滞を引き起こしている。
C.信号のない高規格道路が圧倒的に少ない。


という点があります。

Aはたとえば、静岡県内の国道1号のバイパスがあげられますね。ここ最近は改良が進みましたが、交通量が多いにもかかわらず、多くが対面通行の道路で片側2車線以上になっていません。そのため、時間帯を問わず対面通行の区間では深刻な交通渋滞を引き起こしています。

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藤枝バイパスは対面通行になる部分から渋滞が激しい。

もう1つ例を挙げると、名古屋の東名阪や東名高速道路があげられます。日本の高速道路整備は、車線の少ない道路が好きなようで、たとえ大都市近郊の交通量の多い道路でも片側2車線で整備するのが普通のようです。名古屋は近郊も含めれば約900万人の人口が住む日本第3の大都市圏、世界的に見てもシカゴやロンドンなどの有名大都市と同じくらいですから、幹線高速道路が3車線以上あっても不思議ではないです。
実際交通量も片側2車線ではさばききれない交通量があり渋滞も頻発していますが、部分的に付加車線をつけるだけで全体を拡張する気配はありません。

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1日9万台が走る名神の一宮付近。渋滞のメッカ。

Bは地域により異なるも、未だに旧街道として整備された国道や昭和に整備された道路が国道として機能しており、高規格で走りやすいバイパスが整備されていないという点です。

いくつか例を挙げると、長野の国道18号や、茨城の国道6号、神奈川の国道246号などがあります。いずれも片側1車線で市街地や集落を通り、バイパスが未整備もしくは部分開通の区間が多いです。また、そのせいで住宅地などの市街地を通過交通が通らざるを得ない状況にあり、交通環境の悪化や渋滞の深刻化を招いています。
もっとも、かつての交通戦争と呼ばれた時代に比べれば、随分と改善されてきたのでしょうが、それでもバイパスが整備されていない箇所が多い上に、そのバイパスも一向に建設される気配がない区間が多いのが実情です。

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長野の国道18号線。大部分が対面通行で集落を走る道路で幹線道路としては情けない。

Cは、特に首都圏に当てはまります。自動車が走りやすい信号のない高規格な道路が少ないため、通過交通も市街地の信号が多い道路や、一般道を通らざるを得ず、深刻な渋滞や環境悪化を招いています。またバイパスであっても、信号が多く頻繁に赤信号で停めるような連動をしている道路が多く、本来持っている高速化、スムーズ化のバイパスの機能を半減させている道路が存在します。


2.合理的な交通運営がなされていない箇所が多く、理不尽で意味不明な交通ルールがまかり通っている。

これは以下のような例があげられます。

・理不尽に規制速度を低くして実勢速度を全く考慮していない点。
・特に危険でない箇所を一時停止にしている点、危険でない場所に信号機を設置する点。言い換えると信号が多すぎる点。
・ラウンドアバウトやハンプなどの他国で採用されている合理的な交通システムの設置には消極的なこと。
・対面通行で交通量の多い道路で追い越しレーンを設置せず、ゆずりレーンなどという国際基準から大きくかけ離れたものを設置すること。
・踏切に一時停止を設けること。
・一方で、本当に危険な場所に信号や一時停止がなかったり、事故を起こしやすいような構造になっていること。
・わざと渋滞しやすいような道路にしていること。
・キープレフトと言いながら、左車線を減少させて、多くの車に中央、右の車線を走らせるような構造。
・すべてのケースにおいて歩行者と車では車側が悪くなること。(ケースによっては歩行者側が悪いケースもあり得る。)

例をあげれば枚挙にいとまがありません。

これらは、戦後に設定した道路交通法が今でもそのままで時代遅れになっているケースや、合理性がないにも関わらず真剣に検討せずそのままになっているもの、安全運転の向上などと大義名分で変わっていないものなどがあります。

たとえば、踏切の一時停止義務は日本だけのルールで、世界的に見ればガラパゴスです。すぐに変えるべきだと思うのですが、一向に変わる気配はありません。

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低すぎる規制速度。場所は三重県亀山市の国道1号、規制速度は50キロだが設計速度は80キロ。

3.道路整備が遅れている一方で、建設しても十分に採算、交通量が見込めない無駄な道路事情が多く存在する。
その地域の建設会社を潤わせたいため、もしくは市や町の強い要望、言い換えれば利権がらみで建設が進んでいる道路です。
利権が絡んでいても、その道路が本当に必要であればまだ良いんですよ。しかし、伊勢湾口大橋などの海峡プロジェクトや、豊橋三ケ日道路、厚木秦野道路などのような、別になくても問題ない場所、周辺道路の改良や並行する高速道路の料金調整、無料化などで対処できそうな場所でも無理やり新規道路を建設している事業が多く見られます。道路に事業に限らず、無駄なハコモノを作ったり、第二青函トンネルを造るなどという事業も無駄な事業ですよね。

一方で、即急に整備が必要な路線、たとえば広島の東広島バイパスや長年放置されてようやく建設が開始された東京外環道などが未だにできておらず、必要な道路は造らずにいらない道路ばかり造るというアンバランスな状況になっているのが実情です。

参考1:厚木秦野道路は必要なのか?当サイトの記事より。
新東名や東名、小田原厚木道路があるにもかかわらず、さらに有料道路を造る事業ですが、素人が見てもこの区間の必要性には疑問を抱く。

参考2:豊橋三ケ日道路の資料
ここは豊川ICに接する国道151号を高規格に改良して名豊国道に接続すればよく、わざわざ新規道路を建設する必要はない。資料では40分から31分の短縮と書いてありますが、たったの9分しかない。


4.高速料金が不当に高く、適切な使われ方をされていない。
日本における異常なほど高い高速料金、100キロ走っただけでも3000円取られるような高速道路はボッタクリ、移動妨害以外の何者でもありません。このせいで、本来高速を利用する車が市街地を通る一般道を利用するため、交通渋滞がひどくなり、そこをさらに並行してバイパスを造るという二重三重の道路構造になってしまっています。

ひどいケースだと、無料の一般道は混雑しているのに高速道路はガラガラというケースもあります。

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大宰府ICから門司ICまでを利用したときの料金。100キロも走っていないのに2250円も取られる。


5.ドライバーが走りやすいような設計になっておらず、わざと走りにくい、ストレスが溜まるような道路環境になっている。交通工学を無視した設計。

前述した信号のつなぎの悪さや、ゆずり車線なども該当しますね。ゆずり車線は本来であれば、速度を出す速い車が追い越す追い越しレーンにした方が良いのですが、遅い車がわざわざ減速して左に避けて、さらに車線減少後に戻らなければならないという、低速車に負担をかける構造になっています。

このほか、ラウンドアバウトに一時停止を設けたり、高速道路においてレーンごとにどの方向へ行くのか細かい案内標識がなかったり、案内表示が醜く見過ごしてしまうような位置にあったり、わかりにくい道路標識、予告もせずに急にレーンが減少したりするような欠陥構造も多く見られます。安全運転などと言いながら、安全に運転できない、ドライバーの神経を逆撫でさせるような構造が多いということです。

おそらく日本で一番運転しにくいであろう旭川市にあるロータリ。ラウンドアバウトではないので環状交差点のルールは適用されない。赤信号でも進んでよい、40号線が優先など非常にわかりにくく、事故を誘発する構造になっている。


6.道路整備の遅さ、暫定2車線→4車線、全線開通に時間をかけすぎ。

たとえばこちらの記事です。
上武道路が全線開通 半世紀かけ前橋-熊谷40.5キロ


全線開通に半世紀という記事ですが、たかが40キロの道路で半世紀も前に計画した道路がまだ全通していなかったのか、しかも暫定開通で4車線ですらなかったのか?と言いたくなります。

交通渋滞が醜く、即急にバイパスを造った方が良い道路でも、10年たっても建設途中というこの道路整備の遅さはやる気がないとしか言いようがありません。まあ、だからといって新東名のように車線数を減らしたり、高架を平面交差にして工期を短縮するのも問題です。時間をかけずに効果的に道路建設ができないのか?と思います。


まとめ
今後は新しい道路を造ることよりも、これら問題を解決する方が重要になって来るでしょう。
しかし、これら問題は、国や自治体側の道路整備の取り組み方に問題があるとしか思えません。交通工学の専門家の意見を聞かず、合理的な道路運営をやろうとしない、利権がらみで本当にドライバーの側に立った道路整備をしようとしない。変えようと思っても、それを頑なに拒む頭の固い国や地方の政治家、官僚など、国や地方自治体などの問題です。

これは道路整備に限った話ではありませんが、要するに、上が変わらないことには、今後も変わることはないのではないかと思います。しかし、日本の道路は決して遅れているわけではなく、途上国に比べれば十分整備がされています。それがうまく運用されていないだけです。欧米のようにもう少し合理的な道路整備がなされるようになれば、日本の道路環境はかなり良くなると思います。

九州道の福岡地区の高速道路の交通量と拡張について考える。

今回は九州の福岡地区における高速道路拡張についてです。
福岡とその近郊の高速道路は主に九州自動車道福岡北九州都市高速道路があります。そのほかには九州道から枝分かれする形で長崎道、大分道、東九州道が走っていますが、いずれも九州道に接続しており、福岡北九州その他の都市、九州のその他の地域へ移動するのに必ず九州道を利用する構造になっています。


九州道の中で特に交通量が多いのは大宰府IC~鳥栖JCT間ですが、この区間は当初から交通量が多いと見込まれたため6車線になっています。実数も1日当たり10万台を超えています。鳥栖JCT~久留米ICの区間も6車線になっており、実数は約7万台、多くの交通量を捌くだけのキャパシティを持っています。


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参考:九州道の福岡とその周辺の交通量(2013年道路統計年報)
6車線化されているのは交通量が7万台を超える太宰府~久留米間のみ。

九州道交通量データの参考はこちら(2013年道路交通年報。)

拡張が必要な区間と交通量
特に問題なのは6車線化がされていないそれ以外の区間です。個人的には八幡IC~大宰府IC、久留米IC~八女IC間において6車線にする必要があると私は思います。

九州道のうち福岡市郊外と北九州に関しては都市高速があるおかげで交通量が分散していますが、そうでない場所で交通量が集中しています。もし、福岡~北九州まで都市高速が連続して走っていれば交通量が分散されて、九州道も走りやすくなっていたことでしょう。しかし、現状では福岡ICおよび八幡ICで1本に集約させられる形になっているため、この区間だけ交通量が激増する形になっています。

具体的には八幡IC~福岡ICの区間ですが、この区間は高速道路は九州道だけで他にバックアップとなる高規格道路がありません。国道3号や200号がありますが、信号もあるし一般道なので、高規格道路としては頼りないです。ここは片側2車線ですが、全線にわたって交通量が1日当たり6万台を超えています。福岡~古賀については7万台に迫る交通量です。これは新東名開通前の東名高速の数値とほぼ同じくらいで、北九州~福岡間は、かつての東名高速のような状況になっているといっても良いわけです。

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九州道福岡古賀IC間、追い越し車線、走行車線ともに車が多い。

福岡~大宰府間は少なくなりますが、それでも5万台を超えており6車線を考えてもよい交通量です。

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大宰府福岡間の九州道。

さらに、久留米から八女にかけても交通量が多く、広川までは6万台を超えています。それゆえに日中でもこの区間は渋滞こそないものの、流れが悪くなることが多く見受けられます。

もっとも、交通量の数値うんぬんよりも、実感としてこれら区間は走りにくいです。追い越し車線でも80k/hまで落ちることもあるし、走行車線、追い越し車線ともに車が連なって流れも遅い状況が頻繁に見受けられます。

北九州市区間の九州道と都市高速
一方で八幡IC以東は北九州高速が並行して走行するため交通量が減ります。この区間は東に行くにつれて交通量が減少しますが、いずれも5万台未満で、4車線でなんとかさばけるだけの交通容量になっています。この区間は北九州高速があるおかげでしょう。2つの道路が交通量を分散させており、都市高速が東名で、九州道が新東名のような役割を担っています。

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参考:北九州市付近の高速道路と交通量(2013年同統計年報より)、数値は24時間当たりの実数

大宰府IC~鳥栖JCTの九州道もキャパシティオーバー?
九州で一番交通量の多いこの区間ですが、その理由は長崎、大分、熊本、鹿児島などから福岡へ高速道路で来た場合、必ずここを走らなければならない構造になっているからです。この区間実数は10万台ですが6車線でも容量不足です。どの車線も車で詰まっており流れも悪くあまり走りやすくありません。

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大宰府IC付近の九州道。ここも他の区間同様、どの車線も詰まり気味で、80キロぐらいまで速度が落ちることも多い。
交通量が10万台を超えているわけですから、東名の神奈川区間並の交通量があるわけです。それを踏まえると、この区間に関しては、8車線にしてもよいのではないかと思います。

拡張方法
この区間の拡張方法ですが、以前紹介したスマートモーターウェイ(路肩を車線に充てる方法)で導入してもよいかと思います。もっとも、市街地化しているのは久留米~福岡の区間だけなので、福岡IC~鳥栖JCTまでは路肩を車線に充てた方法で行うのがよいかもしれません。規制速度を90k/hして部分的に非常駐車帯を設ける方法です。詳しくはこちらを参考にしてください。

しかしそれ以外の区間については、それほど市街地しておらず、かつ用地取得も難しく無いため、従来の方法で拡張する方法がベストでしょう。九州道は短距離利用者の割合はそれほど高くないと思われ、おもに中距離の移動や九州の他の都市への移動需要が多いと思われるので、あまりスマートモーターウェイ方式で規制速度を下げすぎるのもよくないと思うからです。

なお別の方法としては新東名のようにまったく新しい道路を建設する方法もあります。福岡北九州道路という高規格道路の構想があるようですが、それがまさにそれです。あるいは福岡県内だけ新九州自動車道なるものを建設するという方法もあります。

ただし、新しく道路を造る場合は拡張工事よりもコストがかかるうえに工期もかかります。さらに、仮に完成しても暫定2車線で対面通行でということになりかねないので、それなら今ある道路を広げた方がお金もかからず時間もかからないので良いでしょう。

九州道における車線数の理想
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九州道八幡IC~八女ICまでは断続的に6車線が望ましく、大宰府IC~鳥栖JCT間は8車線が望ましい。

ちなみに余談ですが、福岡の九州道では交通量が多いにもかかわらず、所要時間案内表示や、都市高速と高速道路の案内表示などがありません。東京大阪間の高速道路では、交通量の多い場所では設置されていますが、福岡も3大都市圏に匹敵する交通量があるので、それら案内板を設置してもよいと思います。
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大宰府ICや福岡ICの手前にこんな感じの所要時間と案内表示板があってもよい気がする。

日本の都市と自動車分担率から見る日本の交通事情

自動車分担率とは?
自動車分担率とは、自動車、バス、鉄道、自転車、徒歩などの交通手段において、自動車がどれくらいの割合で使われているか?という割合を示しています。簡単に言えばその地域、および都市がどれくらい自動車に頼っているかという指標です。

この分担率は、数値が高ければ高いほど車社会で多くの人が車に依存しているということになります。一方で、数値が低ければ住民が車よりもバスや鉄道、もしくは自転車などのその他の交通手段に頼っていることになります。

今回はこの自動車分担率から日本の都市の交通事情について考えていきます。


日本における主な都市の自動車分担率


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参考:平成22年度全国都市交通特性調査より。

地域の主要都市および、大都市の近郊都市や地方の小都市など、有名な都市ばかりでなくマイナーな都市のデータも多くあります。

大都市ほど分担率が低い。
これを見ると東京、大阪とその周辺の都市は、自動車分担率が著しく低いのがわかります。たとえば東京は平日14、大阪も平日は13となっています。大都市で人口が多く渋滞が多いことや公共交通機関が発達していることから、多くが自動車に依存していないということがわかりますね。

郊外に行くと分担率は高くなりますが、それでも50を超えることはありません。たとえば首都圏の場合、さいたま市は26、横浜市は21。取手市や小田原市など首都圏の外側でも約40程度です。これを見ると郊外に出るにつれて分担率が高くなる傾向にありますが、首都圏と京阪神は地方に比べると低い水準なのかわかります。

ただし、東京、大阪は自動車の絶対数が多いためいくら分担率が低くても渋滞は深刻です。よってこの数値から大都市にはこれ以上、道路整備は不要という結論にはなりません。

大都市圏以外は分担率が比較的高い。
それ以外の大都市に目を向けてみると、東京や大阪に比べると分担率は高いです。
名古屋は約42ですが、自動車会社トヨタ本社が豊田市にあり、道路の幅も広く車線数も多いことから、首都圏や京阪神の郊外並みの分担率があります。札幌や仙台、広島なども40~50程度あり、地方の大都市は40~50が平均だということがわかります。

地方の大都市の場合、公共交通機関は発達しているものの、東京や大阪ほどではなく、かつ道路事情もそこまで切迫していないことから、車を利用する敷居が低いという理由もあるでしょう。また市街地が広範囲で続いているわけではなく、少し走れば車がないと不便な地域もあるため、2大都市圏に比べて、自動車の必要性は高いのでしょう。

福岡は35と低いですが、これは福岡市が市域が狭いことが要因でしょう。地方の大都市の場合、福岡と名古屋を除けば、多くが郊外の山間部や人口の少ない地域も含んでいるため、全体的に高く見えるだけというのもあります。実際に市街地だけで統計を取れば首都圏と大差ない数値になる可能性があります。

興味深いのは名古屋ですが、名古屋は自動車社会と言われることがありますが、地方に比べればそれほど自動車に依存していないことがわかります。名鉄を始め近鉄やJRなど鉄道もありますから、公共交通機関だけでもそんなに不便な土地ではないんでしょう。


地方都市は自動車への依存率が高い。
一方で、地方を見ていくと自動車への依存が高い地域が多く見られます。たとえば、郡山市は人口30万規模の都市ですが、分担率は68と高いです。宇都宮も66と高いです。一方で分担率の低い地域もあります。人口70万人の静岡市は46、人口50万の松山市は約50、鹿児島や熊本は約57です。北九州市は政令市ですが、大都市にしては分担率が高く約57です。

地方都市の場合、やはり大きい都市ほど自動車に依存する割合が低くなるので人口規模に比例している部分が大きいです。ただし静岡の場合はもともと清水と合併してできた都市であり、昔は人口47万程度の都市でしたので、必ずしもそうならない部分があります。

全体的に鉄道やバスが発達していたり、または地形の特質上平野が狭く、狭い地域に人口が密集しているような都市は分担率が低いです。静岡や松山はその最たる例です。一方で大きい都市でも高崎や宇都宮のように広い平野部にあり、市街地が比較的広範囲にあるような土地は分担率が高くなる傾向にあります。

中小規模の都市は分担率が高い。
人口が10万人を下回る規模の都市になると分担率は70を超えます。秋田県の湯沢市は77、富山の小矢部市は約80、山口の長門は77です。規模の小さい都市ほど鉄道やバスが発達しておらず、自動車に頼らざるを得なくなるため、数値が高くなるのでしょう。

興味深いのは沖縄の浦添市ですが、沖縄は鉄道がないにも関わらず車の分担率は65とそれほど高くないです。80くらいあっても良いですよね。まあ、バスや徒歩、自転車などで移動する人も結構多いということなのでしょう。

データにはありませんが、たとえば岩手の宮古市や北海道の北見市など規模の小さな都市や鉄道網がない都市を見れば分担率が80を超えてもおかしくないでしょう。

平日よりも休日の方が自動車の分担率が高い。

全体的な傾向としては、平日よりも休日の方が自動車を利用する割合が高くなる傾向あるのがわかります。地方では平日に分担率の低いところでも60~80にあがります。大都市圏はあいかわらず低いですが、それでも平日の地方都市レベル(40~60)まで上がる都市が多いです。

ここから見て取れるのは、休日は車を使う人が多くなるということ、自動車の交通量が全体的に増えるということです。

分担率から見て取れること。
この表から見て取れるのは、地方における自動車分担率の高さと休日における分担率の高さです。

地方における自動車分担率の高さ
大都市圏の場合、鉄道やバスがあるから、渋滞がひどいから車を利用しないという人が多いです。一方で、地方では、鉄道やバスが発達していないから車を利用する、せざるを得ないという人が多いような気がします。地方の道路事情は大都市圏に比べればマシですが、それでも都市によっては渋滞がひどいところも少なくありません。

一方で、静岡のように鉄道やバスに優位性がある(こちらの記事を参考)と、自動車よりも公共交通機関を使おうとする人が多くなる都市もあります。そうなると、地方都市だから車を利用するというよりは、公共交通機関が不便だから車を利用する。逆に言えば地方都市であっても、トラムやライトレール、バスラビットシステムなどの普及によって移動が便利になれば、多くの人がそちらの方にシフトするのではないかと思います。

つまり、いま地方が抱えているクルマ依存の問題は、比較的規模の大きな都市であれば、バスや鉄道を便利にしたり価格を下げるなどして利用しやすくする、または建設費や維持費もかからず、住民にとって気軽に利用しやすいトラムやライトレールなどの次世代公共交通機関の普及によって下げることが可能なのではないか?ということです。

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地方都市では地下鉄はコストがかかり、利用客が見込めないものの、トラムやライトレールくらいなら、それほど負担にならない。地方都市の交通事情の改善は、次世代公共交通機関の普及が効果を上げるはず。


休日における自動車分担率の高さ
一方で、休日における分担率の高さですが、これは観光、旅行および遊びを目的として車を利用する人が多いため高くなるのではないかと思います。これも公共交通機関の普及で、ある程度下げることが可能なのではないかと思います。

低価格で鉄道乗り放題キップが休日の自動車利用を抑制する。
オーストラリアのシドニーの鉄道は、休日になると約2ドルほどで全路線定額乗り放題というサービスがあります。電子切符を利用することで利用でき、都市圏の端から端まで約100kmもの区間も2ドルで乗車できるというすぐれものです。日本で言えば、200円で大垣から豊橋までJR東海道線を利用できると考えて良いでしょう。

日本においても、自動車分担率の高い地域はこの切符を導入することで、鉄道利用客が増え、自動車利用を下げることが可能でしょう。休日に都心へ遊びに行く車の利用を減らすことができます。

ETCの休日割引は合理的か?
個人的に自動車分担率が高く、多くの人が車を利用する休日に高速道路の料金を割り引くのはどうなのか?と思います。確かに休日に安い値段で高速道路を利用できるのは嬉しいでしょう。しかし、休日はただでさえ高速道路の交通量が多く、普段渋滞しないような場所でも渋滞します。たとえば東名の大和トンネル、中央道の小仏トンネルは休日の渋滞名所として有名ですよね。

休日割引で料金を安くすることで、この渋滞がかえってひどくなるのではないかということを言いたいんです。観光客が増えるなどの経済的メリットもありますが、渋滞悪化や排気ガスによる環境問題などのデメリットもあります。むしろ高くても利用する人が増えるのですから、休日は高速料金を値上げしても良いくらいです。

安くするのであれば自動車でなく、鉄道の運賃を割り引くなどしたほうが、鉄道会社も利益が出るし観光客も増えるしでメリットが大きいと思います。交通渋滞の悪化には貢献しませんし、同時に休日における自動車分担率を下げる効果もあると思います。


以上自動車分担率に関する考察でした。

木曽地方の国道19号線:木曽高速の問題と道路事情について考える。

先日長野方面を走ってきましたので今回はこの内容です。国道19号線は大学時代に数回走り、今回約10年ぶりに車で走ってきました。

木曽高速とは?
まず国道19号木曽高速について説明します。国道19号線は名古屋と長野を結ぶ一般道で、多治見、中津川、塩尻、松本などの都市を通過します。このうち木曽高速と呼ばれているのは、岐阜県中津川市から長野県塩尻市までの区間で、木曽地方を走る部分を示します。

ルート参考。

高規格道路で建設されたためそう呼ばれているのではなく、道路自体は普通の一般道です。しかし、車の流れが平均50k/h~75k/hと速く、信号が少ないため走りやすい道路であるということと、この区間を長距離トラックを中心に、速度超過で走る車が多いため、高速と呼ばれるようになりました。

この道路には離れた場所に並行して中央自動車道が走っています。そのため、長距離を走る車は本来であればそちらを走るべきなのですが、木曽路国道19号)は所要時間が中央道経由に比べて40分程度しか変わらず快走路であることや、並行区間にある恵那山トンネルの通行料金が高く高速料金を浮かすために多くの車が中央道を避けて国道19号線を利用しています。また、危険物を運ぶ車はトンネルを通行できないため、それら車も19号線を利用せざるを得ない状況にあります。そしてそれら車が規制速度(50キロ)を大幅に無視して19号線を走り、煽り運転追い越し禁止区間での追い越しなどの危険運転などを犯し、たびたび追突事故などを起こしているため問題となっています。

このような問題はそれ以外の場所でも見られるものの、木曽高速についてはウィキペディアでも取り上げられており、かなり深刻な問題となっています。この問題で一番迷惑しているのは地元住民で、このような危険運転をするドライバーのせいで毎日怯えながら国道19号を走らなければならないという状況があります。

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木曽路国道19号)はこんな感じの道路が続く。ここを速度超過で走るトラックが多いのが問題です。

対策としての取り組み
対策として複数の取り組みが行われています。

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集落が多い部分などをバイパス化して走りやすい道路にしています。画像は国道19号の上松バイパス。上松の集落を回避する形で建設されました。

また規制速度を越えた車がいた場合は、信号が赤になるように連動させる操作もしているそうです。追い越し対策としてはポールを設置して、そもそも追い越しをできないようにしたり登坂車線やゆずりレーンの増設などを行っています。

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随時設けられた登坂車線とゆずり車線。

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カーブ区間に設けられたポール。

このほか、木曽右岸道路という地元住民のための一般道路も建設が進んでいます。

取り締まりも厳しく行われているようで、パトカーも頻繁に走っているようです。またかつては制限速度で走る木曽かめ君という車もあったようですが、トラックに追突されて廃車になってしまったそうです。

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パトカーが巡回する国道19号線。

なお、ここ最近ではETC割引が導入されたため、若干緩和された傾向があるようです。また、途中の国道361号線権兵衛トンネルが開通したことで、伊那ICから高速に乗る車もいるようです。


参考文献
参考1:国道19号 (木曽高速) - chakuwiki

参考2:国道19号線 路線状況:長野県木曽区間(ウィキペディア)

参考3:木曽路に「生活道路」を取り戻そう!


対策は行っているが…

上記のように、近年は状況も改善されているとのことですが、未だに高速料金を節約するために、木曽路を高速で走る車は少なくないそうです。

自分の実感としては、確かに車の流れは速いと思います。規制速度は50k/hですが、最低でも60k/hは出さないと煽られます。日中の場合は車も多いので、車の流れは60k/hくらいですが、夜間になるとトラックが増えて、それ以上の速度で走る車が増えるそうです。一度夜間に走ったことがありますが、頻繁に煽られ怖い思いをしました。

問題はどこにあるのか?高速料金の異常な高さ
この問題は、高速料金の異常な値段がかなりの要因だと思います。というよりもそれが9割を占めるといっても良いでしょう。ただでさえ高い高速料金が、トラックの場合さらに高くなり、恵那山トンネルを通るともっと高くなるのですから、普通に考えれば誰も利用したくなくなります。そして、その路線の近くに無料で速度が出せる一般道路があれば、誰もがその道を利用するようになるでしょう。

解決策は単純で、トラックを中心に高速料金を普通車と同じ程度の値段に下げて、更にETC割引などを中心に3割引にして料金水準を低くすることです。これにいくらかかるのかわかりませんが、仮に中津川IC~塩尻ICの間でやったとすれば、国道改良や新規路線建設などと比べてどちらが安く済むでしょうか?

実際、トラックのドライバーも多くが国道19号線よりも高速道路を利用したく、そちらが安く利用できるなら狭い木曽路は走りたくないと言っています。ですから、改良工事や取り締まり強化よりも先にそちらを実施すべきだと思います。

それ以外の対策を考える
もっとも仮にこの問題が解決したとしても、木曽路を走るトラックがゼロになるわけではなく、沿線地域を目的地とする中距離利用者や観光客もいますから、一定の交通量はあるはずです。ちなみに土日や連休になると、トラックよりも県外ナンバーの車が増えて、その車が危険な運転をするという状況もあります。ここは観光地でもあるので、それ以外の対策も考える必要があると思います。


規制速度の緩和 50~70k/h、路線状況に応じて適切な規制速度を。
この問題に付随する別の問題としては、規制速度の問題が挙げられます。実際日本の道路は規制速度が低すぎるため、+10~+20k/hの違反は日常的であり、場合によってはそれ以上の速度違反でも走れてしまうような状況があります。木曽路の場合は、集落を突き抜ける道路があるにも関わらず、そこを70k/hで走る車がいて、さらにそれ以上の速度で走り、強引に追い越したり煽ったりするから問題になるのです。

欧米諸国のように規制速度を超えれば厳しい取り締まりを受ける、また規制速度と実勢速度があっており、かつ集落とそれ以外の地域でしっかり規制速度が設定されていれば、ここまで問題は大きくならなかったと思います。

個人的な実感として木曽路は集落が密集している場所は50/khで、集落があってもまばらな場所は60k/h、集落がほとんどない道路は70k/hまで緩和しても問題ないと思います。道路状況に合わせて適切な規制速度を設け、取り締まりを厳しくすれば、安全性は今よりも高まるはずです。(少なくとも集落を70k/h以上で走る車はいなくなる。)
ただし山間部の道路でカーブやアップダウンが多いため80k/hや90k/hは危険だと思います。
外国の場合、このような道路でも100k/h規制になることがあります。ただし、それはさすがに日本の実情にはあっておらず、そうしてしまうとかえって中央道を利用する人が減ってしまいます。一方で並行する中央道は高速道路ですから80k/hではなく、100k/h規制にしたほうが良いでしょう。恵那山トンネルは低めにして、それでも90k/hが妥当でしょう。


道路の改良。バイパスの建設。
集落地帯を通るような場所はバイパスを作ったほうが良いでしょう。この問題がなかったにしてもこれは必要です。これは今の対策と同じです。ただし、新道路を建設するよりも既存の道路を改良するだけで十分な場合は、新たに道路を作る必要はないでしょう。

あまり道路を走りやすくしてしまうと、かえってトラックがこちらを利用するようになってしまいますので、過度な道路の改良も考えものです。もし、木曽路を全線4車線にするなどということになったら、それこそトラックは中央道を利用しなくなるでしょう。

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改良されたバイパス。こういう道路ばかりになってしまうと木曽路自体が高速道路のような道路になってしまう。

取り締まりの強化
これは今行われてるので良いですが、同時に規制速度の法律に関してもう少し厳しくする必要があると思います。適切な規制速度を設けた上で、免停のゾーンを+20k/h以上からにすれば、高速で走る車はいなくなるでしょう。


追い越し車線の増設。
海外なら当たり前になっている追い越し車線をもっと増やしたほうが良いです。目安としては3km~5km間隔が適当です。追い越しレーンがあれば、遅い車が速い車から煽られたり、強引な追い越しをかけられたりするケースは減りますから安全性が向上しますし、低速で走る車も今より安全に走行できます。ただしこれは遅い車が避けるゆずり車線であってはいけません。なぜなら右側を走り続ける車がいて、遅い車を左から追い越す危険な車が出てくるからです。

左折、右折レーンや合流レーンの増設。
店舗や一部の家、細い道路へ入る部分において曲がる車のためのレーンを作ったり、本線へ入る合流レーンを増設したほうが良いです。特に規制速度が高くなるような場所を中心に追突事故の危険もあるので、このような施策を行うことで規制速度を高めつつ、安全性の向上に大きく寄与します。
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木曽路は集落とそうでない場所との境が曖昧な場所が多いです。小さな集落が点在しているところでは、そこに入る車が曲がりやすいような道路構造(減速せずに本線から抜け出せるような構造)にすることで追突事故を防げます。逆に本線へ入る際も合流レーンを設けると、車も入りやすいです。


信号を撤去しラウンドアバウトを新設する。
要するに主要な道路が交差しているような交差点をラウンドアバウトにしてしまうという方法ですね。赤信号における信号無視や、スピードを超過を減らすという意味ではこれはかなり効果があると思います。木曽路は交通量はそこまで多くないので、国道上でもラウンドアバウトの設置は不可能ではないと思います。現にオーストラリアやニュージーランドでも主要国道同士をラウンドアバウトで交差させているところがあります。もっともそれによって逆に混雑してしまうような場合はやめたほうが良いかもしれません。

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国道361号との交点。ここをラウンドアバウトにすれば、車は確実に交差点で速度を落とす。渋滞が発生しなければ、速度抑制を目的としてラウンドアバウトにしても問題ないと思う。


夜間における大型トラック(主に通過を目的とする)の通行禁止

これはトラックドライバーから反発が来るかもしれませんが、深夜(9時~6時)の時間帯はトラックドライバーの通行そのものを禁止するという方法です。要するにその時間帯は通過車両は中央道を走ってくださいね。ということです。特に夜間におけるトラックの高速走行が問題になっているわけですから、それ自体を禁止にしてしまえば即効性はあります。

トラックが木曽路を走るのには、規制速度が80k/hというのもあるでしょう。仮に中央道の規制速度が緩和されて100k/hになってもトラックは80k/hのままなので、80k/hで走行しなければなりません。しかし料金は普通車の倍の料金を取られます。一方で木曽路は無料で、たとえ規制速度が50k/hであっても、もともと実態に合っていないから70k/hで走っても問題ないだろうということで、たとえ集落のある場所でも70k/hで走ろうとするもしくは75k/hぐらいの免停ゾーンギリギリで走ろうとします。これなら理屈の上では5k/h~10k/h程度の差であれば所要時間にさほど差は開きません。取り締まりといっても夜だったらやってないだろうし、オービスのポイントはだいたい把握しておけば大丈夫…。などと考える人も少なからずいるでしょう。

上の例は少し極端ですけど、つまり合理的に考えて、木曽路の方が得になる余地があるから、中央道を避けてそこを速度超過で走ろうとするわけです。

もっとも、実態は遅い車もいるし信号に引っかかるし、パトカーもいるしで時間は余計にかかるわけで、そこでイラついて強引に追い越したり煽ったり信号無視したりということになるんでしょう。そしてそれが最悪の場合、交通事故に繋がるんでしょう。


これは仮に規制速度が適切になったとしても、取締が強化されても、中央道の料金が割引されても、有料である限りそういうトラックは出てくるでしょう。もちろんそれで集落のある区間を速度超過で走ろうとする車も出てくるでしょう。主に長距離トラックが問題となっているのであれば、そのトラックを走らせないようにするというのは一番効果があると思います。

もっとも、その地域沿線を目的地とするトラックが走れないなどという問題もありますし、逆にそれ以外の路線でトラックが増える懸念もあります。しかしトラックが排ガスや騒音を撒き散らし、沿線住民の生活を脅かし、かつここまで問題が大きくなるのであれば、これくらいのことはやっても良いと思います。
一方で、この通行禁止策の見返りとして、夜間に限り並行する高速区間は料金をさらに割り引く、もしくは無料にするという方法もありでしょう。


以上が木曽高速の問題点と個人的な対策です。一番効果があるのは高速料金を下げることで、それに付随して道路の改良、取り締まり強化、規制速度の適切化などを行った方が良いということです。

オークランドの国道1号線動画(倍速) オークランド~ハミルトン

今回は動画の紹介です。
2015年ニュージーランド滞在時に走行した国道1号の動画です。等速で公開していますが、それを倍速にして編集した動画です。倍速動画はここ最近いくつかアップロードしていますが、動画編集の勉強も兼ねて編集、公開しております。

紹介する動画は1号線のうちオークランド(Auckland,NZ最大の都市、人口150万)~ハミルトン(Hamilton,NZ第4の都市、人口25万)までの動画です。この区間は、NZの中でも特に人口の多い地域なので交通量が多いです。まあNZ全体の人口が約400万人なので、それでも、日本の東海道メガロポリスには到底及びませんが、これでもNZ全体の交通量の6割ぐらいの交通量を担っている区間です。




動画から見えてくる海外の道路整備状況と日本との比較
この動画を紹介した目的はこれです。文章で説明してもなかなかイメージでは想像しにくいですが、映像としてみればわかりやすいです。

・幹線道路は高速道路制限速度100k/hで走行が可能。
動画全体を通してほぼ高速道路のような道路を走っています。オークランドでは高速道路で市街地を通過し、途中いくつかの集落を走るもののほんの数分で抜けます。ハミルトンまでは部分的に片側2車線のバイパス道路もあり、かなりハイペースで走行ができます。なお、最終的には動画の区間は全てが片側2車線の高規格道路で構成される予定で、現在出来ていない部分は建設中です。

0:00~4:07
具体的には4:07までは高速道路です。ここで国道2号と分岐し、それ以降はWaikato Expresswayというバイパス道路になります。
ここまでは比較的交通量が多いですが、国道2号を過ぎると少なくなります。それでも1日10.000~20.000台程度の交通量があると考えて良いでしょう。

おおよそ4:07までがオークランド都市圏の走行です。別記事で書きましたが、この道路がオークランド都市圏および中長距離の移動の主要路線となっています。日本で言う国道と高速道路の両方を兼ね備えています。ちなみに無料ですのでお金もかかりません。日本のようにこの路線に並行してさらにバイパス規格の国道が走っていることはありません。

AucklandSH1.jpg
この道路があるおかげで、オークランドの都心から郊外まで30分以内で移動できます。日本の場合、一般道で約1時間くらいでしょうか?

日本の主要国道も高速道路と合わせてこのように整備されれば良かったと思います。高いお金を払って高速道路に乗る必要もないし、高速料金節約で並行する一般道を走る必要もありません。30~40km離れた郊外からも気軽に都心部まで車で移動できます。

さらに、幹線道路を造る場合、この道路1本を整備すればよく、並行する一般道を改良したり並行してバイパスを作って3重構造にする必用もありません。欧米諸国の道路整備はおそらくこれがスタンダードだと思います。

ただし、幹線道路が1本に集約されるため、交通量が多く渋滞が醜い点もあります。動画は平日の日中でしたが、部分的に流れが滞ったりしてますよね?首都圏の高速道路並みの交通量だと思いませんか?ちなみに並行して旧道が走っていますが、そちらは中長距離の移動には向きません。


参考:高速道路に並行する一般道区間の一部。日本ではここを長距離トラックが走る。

左車線が減少する
なお、オークランドの高速道路では左車線がところどころで減少する構造になっています。この点は日本と共通していますが、かといって左車線が使われていないかというとそんなことはありません。日本と違うのは短距離利用が多いため、短い区間でインターを乗り降りする車が多いから、そういう車が左車線を走っています。
Lane end
車線減少Lane Endの標識。

4:07~
これ以降は一般道路のバイパスのような道路になります。今までの区間と何が違うかといえば、制限速度が100k/hですが信号がない交差点が普通にあります。日本ではありえない構造です。

片側2車線でところどころに平面交差があるも、一部では立体交差になっている区間があります。海外ではこの構造が一般です。これ日本であれば間違いなく信号がついたでしょうし、制限速度は60k/hになったでしょう。日本の一般道を改良する際にも、これは大いに参考になります。日本の基準で考えれば100k/hの規制であれば、全線高架で交差点は立体交差にしたほうが良いと思いますが、それ以下の規制速度の場合、この道路のように交差点には左折専用レーン、右折専用レーン、および本線へ入る合流レーンを設け、高速でも安全に走れるように設計すれば高速化が可能です。
Intersection with 100kh
規制速度100キロ区間における平面交差のT字路。

北海道の一般道はこのような形に改良して、規制速度を80k/h~90k/hに設定すれば、高速道路の建設は不要だと思います。



追い越し車線

対面通行の区間でも、ところどころに追い越しレーンが設けられています。追い越しレーンは数キロおきに設置されており、追い越しレーンがなくなってもすぐにまた追い越しレーンが出てくるような状況です。日本の場合、追い越しレーンがなくなると次のICまで10キロ走らないといけないようなことが多いですが、こちらの場合はそういうケースは少ないです。日本の場合は、しばらく追い越しができないので無理にでも追い越そうとする車が多いですが、こちらでは仮に追い越しができなくても、次のレーンで追い越せば良いと思えるので楽です。
Overtaking lane Huntly
対面通行区間の追い越しレーン。


8:39~

ハミルトン市内に入ると規制速度は低くなります。それでも60k/h~80k/hの規制です。一般道でも比較的線形の良い道路は80k/hです。この時点で日本の道路と違います。日本であれば対面通行なので50k/hになるでしょう。規制速度が80k/hの一般道で、さらに信号とラウンドアバウトもあります。
Hamilton80km.jpg
ハミルトン郊外の対面通行の国道は80キロ。これは暫定2車線の高速道路より高い。

途中のHuntryという町でも片側1車線になり制限速度が下がりましたが、それでもよく見ると規制速度は70k/hです。信号もあるし、お店もあるし、住宅地もあり踏切もあります。
City70km.jpg
少し見えにくいですが、規制速度は70キロ。住宅地の国道です。

ここから言えることは、日本の道路においても制限速度70k/hまでは信号があろうが、お店があろうが道幅が広く歩道がちゃんと確保されていれば可能ではないか?バイパスのような道路では信号があったとしても、80k/hまで緩和しても十分問題ないのではないか?ということです。

また、日本であれば信号が設置される交差点も多くがラウンドアバウトです。そのため、日本のように頻繁に信号で止められることはありません。ここから判断しても、いかに日本の道路環境がガラパゴスかということがわかると思います。

日本との共通点、類似点を探すとすれば、対面通行の道路が多い点です。20万都市のハミルトンでさえも多車線で整備されていません。

また、信号のつなぎ自体はあまりよくありません。ただし、信号のつなぎの悪さはあまり問題にはなりません。そもそも信号の数自体が少ないことと、日本と違ってサイクルが不規則な(交差する信号が青になったからといって、こちら側がすぐに青にならない)ため、連動させにくいからです。
あと信号の連動が悪いといっても、わざと赤信号で止めるような連動にはなっていません。交差点まで来たら、たまたま信号が赤だった、でもすぐに青になったという感じです。日本の場合、意図的に信号の連動を悪くして、速度を出せない連動になっています。

オークランドからハミルトンまで約120kmほどの距離ですが、この間信号がある交差点は数える程しかありません。日本の一般道であれば、信号だらけになるでしょう。


まとめ
この動画から言いたことは以下の点です。

・幹線道路はできる限り信号を無くし高速道路で整備したほうが良いこと。
・日本のような高い高速料金は論外。
・日本の一般道でも70k/h~80k/hの規制は十分に可能。
・幹線道路では信号はできる限り設置しない方が良い。設置しても連動を悪くしてはいけないし、仮にスピードを出してほしく無い構造にするならラウンドアバウトを設置したほうが良い。
・規制速度100k/hの一般道も、道路構造を工夫すれば十分に可能。それによって2重に高速道路を建設する必要はない。
・幹線道路は適度に追い越しレーンを設置したほうが良い。

などです。

なお、現在対面通行の区間は片側2車線のバイパス道路として改良工事が行われています。一部は現道改良、市街地などのそれができない部分は新規に建設しています。日本のように一般道に並行して対面通行の高速道路を建設しているのではありません。

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プロフィール

hiro1100

Author:hiro1100
Hiro 1100
ドライブ、旅行好きの30代。
道路、運転マナー、海外の道路事情について、自分の思うこと、経験に基づくことを書きます。

2005年に原付で公道デビューし、2009年に4輪デビュー。2014年にオーストラリアへ渡航し、海外ドライブ開始。日本と海外を行き来しながら、生活を始める。
バイク、車で走った距離はおそらく10万キロ以上。1回も交通事故を起こしていないのは自分の自慢です。

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